表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
352/612

《教示②》第三十四回

 長谷川は首筋を掻きながら反省した。

「そうだ! こういう手立てもありますよ」

 何を思いついたのか、鴨下が唐突に声を出した。

「舟と、木箱を一つ準備して戴いて…。それに左馬介さんがおっしゃった布などもあれば、完璧でしょう」

「それをどうするというのだ、鴨葱。限られた刻限で、失敗は許されぬのだぞ」

 ギロッ! と、鴨下を見て、長谷川は釘を刺した。

「いやあ、何のことはないんです。舟を漕いで滝へ突入し、積んだ木箱などを持って洞穴へ入るんです。出る時には、布で包んだ燭台を木箱に入れて舟に載せる。そして滝を漕いで抜けるんです。但し、木箱は伏せた形で底を上にして被せること。これが味噌です」

「箱を伏せた形でなあ…。まあ、そうすれば水や水飛沫(しぶき)は入るまいが…」

 長谷川も一応は得心したのか、頷いた。

「木箱とは、考えませんでした。なるほど! それは名案です」

 布などで燭台を覆うこと迄は考えた左馬介だったが、木箱の発想は浮かばなかったから、左馬介はこの案に対し、一目(いちもく)置いた。


                               教示② 完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ