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《教示②》第三十二回

「ええ、実は…、先生が左馬介さんに云い渡した難行があるそうなんですが、その手立ての相談らしいのです」

「なにっ? もう一つ、よく分からん…」

 長谷川は(いぶか)った。その時、左馬介がついに重い口を開いた。

「難行といいますが、行ない自体は身にそう(こた)えるものではないのです。ただ、それを実行すると云いますか、成し遂げる方法が難しく思え、その良い手立てが浮かびません。で、恥ずかしながら二人に相談したようなことで…」

「なるほど…。その意、少し読めてきたぞ。よし! もう少し詳しく云ってみろ」

「はい。…妙義山中に滝があるのは御存知ですね?」

 左馬介は二人の顔を交互に見た。二人は声を揃えて、「ああ…」「はい…」と、即答した。

「その瀑水が落ちる直下の岩肌には、洞穴(ほらあな)があるようなのです。その中に、先生が仕掛けで置かれた燭台があるそうなのですが、先生はその火を消さずに持ってくるよう仰せなのです」

 二人は思わず(うな)った。

「…消さずにとは、難儀なことだ」

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