表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
348/612

《教示②》第三十回

「ということは、やはり何かありましたか?」

「ええ…。実は先生が仰せられた難行に掛からねばならぬのですが、どうも、良い手立てが浮かびませんで…」

 左馬介は、あからさまに胸中を吐露した。

「そういうことでしたか…。私でよければ、何かいい手立てを考えましょう…」

「いや、そんな悠長な話ではないのです。明後日に妙義山へ出向く迄に、何とか考えねば駄目なのです…」

「そうでしたか…。で、その話を長谷川さんは御存知なんですか?」

「いいえ、未だ話してはおりません」

「それじゃ、これから二人で部屋へ行き、三人で手立てを考えるというのは如何です?」

「はあ、そうして戴ければ助かります…」

 話はトントン拍子に進み、すんなりと纏まった。

 左馬介と鴨下が長谷川の小部屋を(おとな)うと、長谷川は寝仕度を始めたところだった。(ふすま)障子を開け、顔を出した長谷川の背向こうに、敷きかけの寝布団が見えたから、二人はそう感じた。長谷川の部屋は鴨下の部屋とは違い、そうは散らかっていなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ