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《教示②》第二十四回

「ずっと、そなたの動きを追っておったのよ。随分と所作の無駄は失せたようじゃのう。それに、(わし)が命じた五ヶ所の吊るしも無難に斬っておる。…よって、山駆けはこれくらいでよかろう。とは云っても、飽く迄もそれは、吊るしが、もうよいという意味じゃ。明後日よりは、吊るしではない仕掛けを越えてみい。では、そのことについて云う。ここより少しばかり登った所に滝がある。それは、そなたも知っておろう。その下の滝壺には、儂の洞窟と迄はいかぬが、小ぶりの洞穴(ほらあな)がある。表立っては砕け落ちる滝水で見えぬがの。そこには火を灯した燭台が置いてある。その火を消さぬように儂のいる洞窟まで運んで参れ。それも出来得るだけ早くじゃ。よいな…」

 長々と語った言葉が途切れると、幻妙斎の姿はもう樹上にはなく、霞のように消え失せていた。堀江一刀流允許の末尾の番外に(したた)められた、所謂(いわゆる)、霞跳びに他ならなかった。

 幻妙斎が云った通り、確かに左馬介はその滝を知っている。いつだったか、夢に現れた滝が本当にあるのだろうか…と、妙義山へ分け入ったことがあったのだ。そして探すことおよそ一刻、確かにその滝はあった。

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