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《教示②》第十六回

「山駆けは普通の者の足で大よそ二乃至三時(みとき)の行程じゃによって、何事もなく首尾よく叩き斬れた暁には、日没までにはふたたび戻ることができよう。仕掛けの吊るしは五ヶ所ある。一本道にて、ぐるりとひと巡りしている道ゆえ、迷うことはない。じゃが、不測の事態が起こるやも知れんよって、その呼び子を遣わす。何かあらば吹くがよかろう。但し、一身上の場合のみじゃぞ」

 立って見下ろし竹笛を投げ落とすと、幻妙斎は細部に至る説明を加えた。どうも左馬介の心配は、いらぬ取り越し苦労のようであった。

「戻れれば、ふたたびここへ?」

「そうよのう…。一応はのう」

「分かりました。では…」

 そう云って師に一礼すると、左馬介は洞窟の外へと退去した。

 山駆けといっても、どれほどの速度で駆け、そしてまた、疲れた折りには立ち止まっていいものか…などといった、そんな詳細までは告げなかった幻妙斎である。そんな先が読めない状況で駆け出した左馬介であった。

 山道は多少の起伏はあるものの、登り下りの難儀はさほどでもなかった。

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