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《教示①》第二十七回

 外へと出て帰路を歩み始めた左馬介は、漸く空腹になっている自分に気づくのだった。そういえば三時(とき)ほど前、無意識のうちに握り飯を頬張っていたのを思い出す。だとすれば、もう、かなり経っていた。

 道場へ左馬介が辿り着くと、もう日はとっぷりと暮れ、辺りは既に漆黒の闇であった。門を潜ると、鴨下が小走りに近寄ってきた。

「よ、よかった。心配していたんですよ、左馬介さん。長谷川さんも随分、気にされていましたが、つい先程、風呂へ入られました」

「そうでしたか…。偉く御心配をおかけしたようで、すみません。少し考えごとをしておったものですから、遅くなりました」

「いえ、それはいいのですが、腹を空かせておいででは?」

「はあ、それはまあ…」

「夕餉の仕度ははしてあります。私達は先に済ませましたが…」

「どうも…。そう云われて、今、すっかり腹が減っておるのに気づきましたよ」

「ははは…、そうでしたか」

 門前での話はそれで途切れ、人は玄関へと向かった。堂所の前で二人は別れた。なんでも、鴨下は風呂の焚きつけをしていた途中を抜けてきたらしい。

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