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《教示①》第六回

そんなことで、長谷川を一応の旗頭にして三人は出かける予定をしていた。

 梅見に浮かれる程度はいい…と左馬介は思っている。問題は肝心の剣技がその後、どうなのかである。実のところ、新技を編み出す努力は日々の隠れ稽古の中で絶えず考案されていた。そうした取り組みは何も今、始まったことではない。既に一年以上も前から続いていたのである。だが、今に至っても閃きが左馬介の脳裡には浮かばないのだ。堀江一刀流の(かた)は伝統として継承されるものである以上、それを崩す訳にはいかない。形は形として、新技は新技として別個に考慮に及ぶ必要があった。ところが、日々の心労がそれを阻むのである。やはり、鴨下以降の新入りが無いことが、その要因の最も大なるものであった。それでも左馬介は決して諦めることはなかった。そんな折り、左馬介が小部屋で眠っている夜半、幻妙斎が夢枕に立った。いや、恐らくそれは夢に違いない…と、後になって左馬介に思えた出来事だったのだが。それは、梅見の宴が開かれる数日前であった。

 左馬介は常とは違い、その夜に限って妙に身体が、けだるく、早めに寝ることにした。だが、床に入ると何故か熟睡出来ず、微睡(まどろ)みが続いた。

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