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《剣聖③》第十一回

現に井上は、それからの稽古を断念し、全員に終了を告げた。誰も何も云おうとはせず、だらだらと引きあげた。そして朝餉となったが、この時も門弟達は無言に終始した。今迄とは明らかに何かが変わっていた。

「いやあ…驚きましたよ」と笑いながら鴨下が左馬介へ語り掛けた。漸く朝餉の後片付けが済んだところであった。

「それは私も同じです…」

 左馬介も同調して返した。

「皆さん、どうされたんですか? あれから、ずう~っと黙っておられますが…」

「先生が道場へ出ておいでになるのは、私が知るところ有りません。恐らくは、井上さんや他の方々も無かろうと存知ます」

「だから、皆さんは黙っておられたのですか?」

「はい、たぶん…。先程の事態をどう捉えていいものかと、皆さんはお考えなのだと思いました、私は…」

 左馬介は、鴨下の問い掛けに優しく答えた。正直なところ、左馬介にもどう捉えていいものか分からないのである。幻妙斎が久しく全員の前へ姿を見せなかった訳と、つい先程、忽然と現れた真意を測りかねた。

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