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《剣聖②》第二十一回

「先生は、それを杖で示されたのですか?」

「ああ…まあ、そうだな」

 蟹谷は大雑把(ざっぱ)な経緯を吐露した。

「集中せよと…ただ、それだけですか?」

「面白い奴だ。そんなに詳しく訊いて、如何にする積もりだ?」

「如何にする、などという事ではありませんが、先生の仰せになったことを知りたい一存です…」

「ほおー、そうか…。いや、なに。先生は俺の稽古、といっても、薪を割る斧の振り下ろしなのだが…」

「それが、どうだと?」

「どうも、俺が割る薪は均一ではないらしいのだ。それを先生は目敏(めざと)く見られていたようで、集中力を欠いておる…と云われたのだ」

「なるほど、そういうことでしたか…」

 左馬介は蟹谷にことの委細を訊き、漸く得心がいった。

「では、私は、これにて。どうも、お忙しいところを失礼しました」

 左馬介は立ち上がり、廊下へ出ようと歩きだした。その後ろ姿に、

「なんだ、もういいのか?」

 と、蟹谷の鋭いひと言が飛んだ。

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