表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
235/612

《剣聖②》第六回

「権十なら蟹谷さんの顔は知ってますね?」

「ええ、そうなんです。それで、奴が蟹谷さんに声を掛け、二人が少し話をし、別れて歩きだした時…」

「先生が疾風の如く現れたとか?」

「はい、正にその通りの言です」

「その内容については?」

「いや、そこ迄は…。何も聞こえなかったそうです。と、云いますのも、権十は軒に隠れて二人の様子を窺っていただけだそうで…」

「そうですか…。実はその辺りが知りたいところなんですが、仕方ありません。機会があれば、直接、権十に訊いてみます」

 鴨下は軽く会釈して去った。左馬介は小部屋へと戻った。

 権十が道場へ顔を見せたのは半月が経った頃である。左馬介も、つい忘れてしまっていたのだが、権十の帰り際に、ふと想い出し、その去った後を追った。道の三叉路に地蔵尊を(まつ)る小さな堂があった。権十は立ち止まると、その堂の前で静かに両手を合わせた。少し遅れて迫っていた左馬介は、すぐ追いついた。左馬介が権十と同じように彼の横で手を合わせると、瞼を閉じていた権十は気配で横にいると感じたのか、驚いて矢庭に瞼を開けた。そして、横に立つ左馬介を垣間見た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ