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《剣聖①》第十八回

「ああ…そのことですか。一概に、こうだとはお答えしかねます。皆さん、それぞれですから…。それに、私もそうは詳しくないので…」

「例えば…で、結構なのですが…」

「そうですねえ。或る方は、腕を認められてさる藩へ仕官されましたし、中には御大身へ養子に入られた方も。ああ、そうそう…。変わったところでは、大道芸で蝦蟇(がま)の油を売っておいでの方もおられますよ」

「人それぞれなのですね?」

「ええ、人それぞれです。境遇は、皆さん違いますから…」

 左馬介は、それなりに腕を磨き、道場を去っていった者達のその後が知りたかったのだ。自分も(いず)れは道場を去る時が来る。それ故、道場を去った後の生きざまに一抹の不安を覚えたのである。

 その後、二人が宴席へと戻り、一時(いっとき)半が経った。

「では皆の衆、そろそろ戻るとするか。余り酔いが回らぬ内にな」

 井上が急に大声を出した。酔いが回っているとはいえ、流石に師範代だけのことはあり、飲み(ほう)けている訳ではない。芯のところでは、割合、しっかりとしているのだ。皆を無事に道場へと連れ戻らねばならない…という責任感からである。

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