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《剣聖①》第七回

 終い湯の浴槽に浸かりながら、左馬介はあれやこれやと方策を練っていた。そこへ、鴨下が入ってきた。風呂は(ひのき)の箱風呂で、一馬の話によれば、何でも樋口静山の父である樋口半太夫の寄付によるものだという。半太夫は葛西及び近隣の村を含む百十余戸の代官で、大層な権勢を誇っていた。静山も次男でなければ、恐らくは家督を継いで悠々自適の生活を送っていたに違いなかった。

「すみません…。少し遅れました」

 鴨下は頭を軽く下げながらそう云うと、左馬介が浸かる浴槽の横へと身を沈めた。浴槽は、一度に四、五人が浸かれる広さがあった。

「少しは、慣れましたか?」

 左馬介は、横で浴槽に浸かって目を閉じる鴨下へ、それとなく声を掛けた。

「はあ、まあ…」

 瞼を開けると、鴨下は手拭いを両手で絞り、頭上へと乗せた。

「そうですか。そりゃ、よかった…。ところで、鴨下さんの在は、どちらなんですか?」

「私ですか? …この葛西の隣村の今池(いまのいけ)です」


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