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《旅立ち》第十八回

 門弟達は、名を呼ばれるごとに、左馬介を見つつ会釈をする。その都度、左馬介も幾度となく頭を下げ続けた。

 左右の視界に入る八名と真正面の一名は、全てが左馬介より歳長に思えた。それでも左馬介は、臆することなく背筋を伸ばし、堂々と構えていた。

「今日は先生にお目にかかれぬ。…明日、改めてお言葉があろう」

 と、蟹谷が切り出す。

「いえ、門前にて、お目通り致しました」

「ほう…、そんなことが…。で、先生は何処(いずこ)へ出かけられたか、御存知ではないか?」

「いいえ、そこ迄は…」

 左馬介は返す言葉尻を濁した。

「左様か…、先生にも困ったものじゃ…」

 渋い顔で蟹谷が嘆く。門弟達から初めて笑声が漏れた。その時、左奥、左馬介から見れば右奥だが、蟹谷の最も近くに座る案内係の神代が声を発した。この男、やはり全員の中では、抜きん出て身長があり、大男に見える。

「師範代は未だ敬語遣いじゃが、明日からは恐いぞぉ~」

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