表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/612

《旅立ち》第十二回

 「今日のところは、ブラリと辺りを案内(あない)し申す。それと、日常の暮らし向きの心得、寝所、起床、就寝、食事のことなどを大まかに御話し(つかまつ)る」

 そう云って、神代は首筋をボリボリと掻いた。

「宜しく御願い致しまする」

「まずは、上がられよ」

 左馬介は大刀を腰より外して手に持つと、ゆったりと黒漆で光る敷居の上へ腰を下ろした。

 神代に先導され、黒光りする廊下が続く中を、右へ左へと案内されて進んでいく。神代の説明は分かり易く細やかで、しかも慣れて上手い。どうも、新入りの世話を専門で任されている節があった。四半時、アチコチと道場の各所を巡るうちに、結構、広い屋敷だぞ…と、左馬介は思うに至った。

「長い道中、お疲れでござったろう…」

 歩きながら、神代は敬語遣いで歳下の左馬介に対していた。

 堀川道場の門弟八名が稽古の後、水を被る洗い場と呼ばれる構造物を最後に案内しながら、神代は声が響く道場の稽古場を指さした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ