序
――納得いかないことばかりだ。参ってしまうことばかりだ。
どうしてだ? そんなのおかしいぜ! って、なんで誰も叫ばないんだ?
だって、変だろう? おかしいだろう。だからお前が正しいんだ。
滝本竜彦「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」より
私が曇り空を好きな理由
納得できないことがあるんだ。
くだらない日常は、僕の神経をすり減らせる。
はっきりとした生命への危険か、さもなくば、多大な幸福を僕に!
嫌なことを、納得できないことを我慢する。
死にたくないから。
嫌なことをいやだと言ったら、許されない気がする。
納得できないことに納得できないといったら、許されない気がする。
だれから?
世間から、世界から、まわりのみんなから。
しかし、そうやって我慢する生活は、奴隷の生活だ。
はたして、それが生きているといえるのか?
奴隷として生きたいのか、僕は?
もちろん、答えはノー。
しかし、奴隷として生きずに、自由人として生きる方法はあるか?
僕が、いやなことをいやと言い、納得できないことに納得できないといっても、はたしてそれでも、生きていけるのだろうか?
もし、生きていけないとするならば、奴隷として生きるか、あるいは自由人として死ぬかだ。
僕は、自由人として死ぬ勇気があるだろうか?