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『・・・現実はひとつではない。我々が生活しているすぐとなりでもうひとつの現実が・・・。』



6月の終わり。テレビで今年は例年にない猛暑だといっていたが、まさにそのとおりである。

(智)「ほんとに今年は暑いなー。」

だしぬけに制服のワイシャツをまくり上げながら智は言った。

(悠)「んー、そこまでいうほど暑くもなくね?」

と涼しげな顔で答えたのは悠。

(唯)「あたしも悠に同感。別に普通でしょ。智がおかしいんじゃない?」

(智)「うるさいなー。兄貴を馬鹿にするな!唯!」

(唯)「うるさいのは智のほうでしょ!」

(悠)「おいおい、こんなとこで兄妹喧嘩すんなよ。」

やれやれといった表情で止めに入る。

(智、唯)「すまん。」「ごめん。」

申し訳な下げに謝る二人。

(悠)「そんなことよりもうこんな時間だぞ!急いで学校行かないと遅刻しちゃうぞ!」

スマホの画面を見るともう8時を回っていた。

(智)「あ!ほんとだ!走るしかなくね?」

(悠、唯)「そーだな!」「もちろん!」


宮島 智は16歳の高校1年生。月山 悠は智の幼馴染みで16歳の高1。宮島 唯は智の妹なのだが、二卵性双生児であるためこれまた同い年なのだ。

智たちは昔からの腐れ縁で何をやるにしてもほとんど3人一緒で、ほんとに仲が良かった。


放課後、3人はいつものように話しながら歩いていた。

(唯)「ねね!2人とも!うちの学校に違う世界に繋がる入り口があるって噂知ってる?」

(智)「旧校舎の裏の壁に書いてあるやつことだろ?確か『壁の印に掌をあわせし 別の世をみせよう』だったような…。」

(悠)「智、そんなのただの落書きだろ?違う世界なんであるわけないって。」

(智)「これって俺達の親父も知ってる噂だよな、唯?」

(唯)「うんでも、それが本当かどうか確かめた人はいないよね。正しく言うと1回違う世界に入ったらもうこの世界には戻ってこれないとか…。」

(智)「昔親父から聞いた話なんだけどさ、その壁の印には三つの手形があってそれが合わないと駄目らしい。」

(悠)「それが本当ならおもしろそうだな!今日の夜にでも行ってみるか?ちょうど3人だし。」

(智)「まあ、どうせ俺らじゃ合わないとだろうけどね。おもしろそうだし行ってみるか!」

(唯)「その3人ってもちろんあたしも入ってるよね?」

(智)「当たり前だろ。唯じゃなかったら誰がいるんだよ。」

(唯)「だよね!!もちろんあたしも行く行く!」

(悠)「んじゃ、決まり!ってことで今日の夜8時智ん家集合で!」

(智)「わかったわかった。んじゃ、また後でな!」


智の親は共働きでいつも帰りが9時すぎのため、こうゆう集まりごとのときはいつも智の家に集まることになっている。

智はこの時少し嫌な予感がしていた。

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