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第5話:〜レナの編入試験〜

 校長にレナの編入試験の手続きを済ませてから一週間。

 遂に、試験当日がきた。

 レナはまだ寝てるのか? 今日は編入試験だってのに………。


「レナーー起きろーー」


 レナの部屋の前に立って叫ぶ。

 だが、起きない。

 これはいつもの事。最初は起こすのに耳を引っ張りながら起こしてたが、無断に女の子の部屋に入るというのはいけないので止めた。

 そのかわり、ある技を覚えた。それを今から披露してしんぜよう。


 右手におたまを!

 左手にフライパンを!


「秘技! 死〇の目覚〇!!」


 俺はおたまをフライパンにみだれ打ちする。


 カンカンカンカンカンカンカンカンと甲高い音がする。


 ちなみにこの技はあるゲームにでてくる。知っている人は知っている技だ。知らない人はテ〇〇ズ・オブ・ディスティニーで、でてきます。

 これ、伏せ字にしてあるけど大丈夫かな?

 まあ宣伝はさておき、レナが起きたようだ。


「う〜ん。おはよう」


 綿のパジャマを着て目を手で擦りながら眠そうに部屋からでてくる。


「おはようじゃねぇよ、早くしろ」

「う〜ん」


 居間に向かう。

 只今、七時三十分。

 編入試験は八時からだ。


「おい、早くしろ。遅れるぞ!」

「ふぁはってるんよぉ(わかってるよぉ)」


 口に無理矢理、トーストを詰め込むレナ。


 ハムスターみたいだ。


 おっと、和んでる場合じゃない。俺も準備しないと。

 今から行ってギリだな。しゃあない、バイク使うか。


「レナ、俺バイク使うけど乗るか?」


 何故こんな事を聞くのかというと、俺のバイクの運転はもはやスタントレベル。故に、荒々しい道も通って行くから後ろに乗ってる人に命の保証はない。


「うん。乗って行く」


 レナは自室で着替えながら返事をした。


「おし、じゃあ鍵を捜さなきゃな」


 ええと、鍵は何処に……も無い……。


「すまん鍵が見つからん」

「え! じゃあどうするの?」


 私服に着替え終わり、レナがこっちにくる。


「準備できたか。よし行くぞ」

「うん!」


 俺達は外に続くドアを開け、閉める。

 家の鍵をロック。

 アパートの駐輪場にいそぐ。


「ねぇ、バイクの鍵が無くてどうするの?」

「いいから黙ってろ」


 駐輪場に着く。

 途中で家主さんにぶつかったが関係なし。


「確かこの辺に…………」


 駐輪場を見渡す。

 一台、少し古くなった大型バイクがあった。

 そこに歩みより、鍵をぶっこわす。そして配線を繋ぐ。


「ちょ、ヒカル! こんな事して平気なの?」

「俺のだから構わん。いいから乗れ!」

「う、うん」


 バイクにまたがり、エンジンを起動させる。


 ブゥウゥン、ブゥウゥン


 よし、しばらく使ってなかったけど動くみたいだ。


「危ないからしっかりつかまってろ」

「わかった」


 レナが俺の腰から腹にまで手を伸ばし交差するようにつかまる。

 背中越しになんか柔らかいものが………。

 だが、今は恥ずかしがってる場合じゃない。


「よっしゃ、行くぜぇーーー」


 騒音と共に駆け抜ける。

 アパートからどんどん遠ざかる。

 それはもう疾風のごとく。風になった気分だ。



 俺達は、学校へまっしぐら♪もしかしたら警察へまっしぐら♪

 何故警察にまっしぐらかだって?


 だって、ノーヘルだから。


「うきゃあ!!」


 今は脇道にある階段を一気に降りる。いや、ジャンプすると言った方がいいかもしれない。

 人がいなくてよかったと思う。


「ねぇヒカル! これ危ないよ!」

「知るか、んーーなもーーん」


 空中から綺麗に着地。

 再び、バイクは走りだす。

 そして、脇道から表通りに出る。


 順調、順調♪


 このまま、警察が…………来た。


『そこの大型バイク、止まりなさい』


 ちっ。

 でもパトカーなら……


 振り切れる!!


「しっかりつかまってろレナ!!」

「え? きゃあッ!!」


 バイクを九十度反転。

 そのまま、裏路地へ突っ込む。

 これで、振り切れたはずだ。

 バックミラーをちらっと見る。


 後ろには、なんの車も無い。


 勝った!!!


 この裏路地にはいって正解だ。この道は真っ直ぐ行けば学校に着く。

 と、しばらくして学校が見えてきた。

 時刻は……七時五十分。


「レナ! 間に合ったぞ!」

「え? 嘘! 本当だ……」

「びっくりしただろ」

「うん」

「さっきから口数少なかったもんな」


 とりあえず学校の敷地にある駐輪場にバイクを留める。

 周りから見れば、彼女と一緒にバイクで登校したと思われるが関係無し。

 間に合ったもん勝ちだ。


「さ、試験しに行こうぜ」

「あ、待ってよぉ〜」


 周りから殺意がくるが関係無し♪殴りかかってくるが関係無し♪みんな返り討ち〜♪


 俺は奇妙な歌を心の中で歌いながら校舎へ入った。




「じゃあ頑張れよ。試験」

「うん……」


 少し緊張してるようだ。あれだけ、楽勝って言ってたのにな。


「まあ、そんな緊張するなって。自分を信じろ」

「ヒカル。合格したら……その……」

「なんだ?」

「合格したらボクに………」


 キンコンカンコン♪


『編入試験をする奴はとっと視聴覚室にこい! 十分前行動って習わなかったか!』


 ドスのきいた声。

 多分、鬼塚だろうな。

 鬼塚おにづか つよし教師だ。

 こんな怖い口調だが、根は優しい。教科は予想に反して美術。

 最初はびっくりした。


「ほら早く行け。鬼塚は時間に厳しいからな」

「じゃあ行ってくる」


 一度、笑顔を見せてレナは視聴覚室に入る。

 さて、俺は教室に行くか。




 この後、教室に居る男子全員に殴りかかられ全員木っ端みじんにした後に女子に質問攻めにされた。



 こりねぇな、まったく……。

第5話:〜レナの編入試験〜を読んで頂きありがとうございます。これからも居候はヴァンパイア!をよろしくお願いします。次の更新は金曜日の予定です。

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