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第41話:〜旅行(二日目2)〜

やっと更新です。

 俺の眼前に広がるのは広大な大海原。俺はその風景を、たっぷり満喫できるポジションにいる。つまり、船の上だ。


「おらぁ! 新人! もっと、力強く、網を引けぇ!」

「はいぃ!」


 だが、いかせん状況が良くない。満喫するかわりに漁業で重労働をかせられてる、17歳光今日この頃です。


「新人! よし、お前は網の方はもういいから、次は一本釣りしてろ!」

「はい!」

「船長を付けろ!」

「はい! 船長!」


 俺は手にしてた網を、厳つい兄さんに手渡し、俺は向いてた方向とは反対の方へ歩を進める。そして、さっきまで置いてあった釣竿がヒクヒクするのを確認すると、糸を切らないよう慎重に釣り上げる。


 取れたカツオを見ながら、俺は何故こうなったかを、考えてみた。





 〜回想〜


 俺は彰達と離れて、ホテルを後にした。

 歩いてる途中、お土産やなんやらが売ってるが見るだけで済ませて……そうそう、その後本屋でしばらく立ち読みしてたんだっけ? で、飽きて店を出た。


 ええと、そうだ。その後だ。


 俺は騒がしい、港まで行って一つの漁船を見つけた。

 それを呆然と見ていると、ハプニング発生。


 今、船長をしてる人に新しく入って来た新人と間違われて、漁船に強制連行………。





 〜回想終了〜



 てな訳で俺は重労働をしてるのか〜〜って、何を納得してんだ、俺! 貴重な旅行 & 一人の時間を侵されたんだぞ! そうだ! ここは一発ガツンと言うべきだ!


 立ち上がれ、我の中に宿る、国民よ! 自由は我々の手になければいかんのだ! ジー〇・ヒカル! ジー〇・ヒカル!


 俺は内面に眠る自分に応援されて、早速船長へと、歩み寄った。


「船長!」

「ん?」

「俺は新しく入って来た新人じゃありません! 人違いです!」

「気付いてた」


 は? この強引船長、今何て言ったぁ〜? 知ってるだと〜〜ぇえ〜?


 俺の自由を知ってながら、奪うとは何たる仕打ち!


「じゃあ、早く降ろして下さい!」

「別にいいぞ? 今、ここでなら。あ、確かこの海、鮫いるぞ」

「港まで、戻ってからでいいです

「素直でよろしい」


 ちっ、やっぱり駄目だったか。ていうか、鮫いるのかよ! だったら、泳いでいけないな。つ〜か海岸まで体力持たないし。


 俺はさっきからずっと持ってるカツオを、指定の箱に入れ、もう一回海に釣り糸を垂らした。



 光が重労働を行ってた頃……彰一行は。



 〜香苗視点〜


「うわ! やられる!」

「彰! 死ぬな!」


 私達はホテルを出ると旅行に来てるにも関わらず、ゲームセンターで遊んでるというアホみたいな事になってます。

 そして、今、彰さんと幸治さんがやってるのは何処のゲームセンターでもある、ゾンビが襲ってきてそれを銃で倒すゲームです。


「おら、手榴弾」


 幸治さんがゲームないで手榴弾らしき物を投げると、上にあったゲージが一気に減りました。敵の体力でしょうか?

 先程から彰さんは、ザコ敵にやられっぱなしです。


「ヤバい、後、ライフ1だ!」

「俺も、ライフ3だ」

「バリバリじゃん!」


 ふむ〜〜それにしても光さんがいないと、なんか空気が違いますね。

 なんか、なんか、違います。

 レナさんも彰さんも幸治さんも、何処となく、気付いてるみたいです。


「あ、死んだ」

「俺もだ」


 わざと、賑やかにしようとしてます。


「光の奴、何やってんだろうな」

「そうだな。あいつがいないと、つまんないな」

「ヒカルどうしてんだろ」


 皆が皆、光さんの噂をしている。

 本当、どうしたんでしょうか?






「新人! 今日は良く頑張ったな!」


 俺は港に戻ってから、手厚く歓迎された。カツオを釣った後、かなり動き回ったおかげてこうやって褒められてる。

 前には、熱燗とさっき釣ったカツオの叩きや、様々な魚の刺身が並べられている。


「熱燗って……俺、高校生何ですけど」

「法律なんて、破る為にあるんだ!」


 はっはっは、と一喝して、俺に熱燗を進めてくる。

 なんて人だ。ま、飲むけど。


「じゃ、頂きます」


 俺はぐびっと熱燗を飲み、船長にそのまま漁師になれと言われる。


「流石にそれは……やっぱり俺は都会ボーイですから」

「ここだって、一応都会だ。金持ちの為のな。俺 達、漁師はこの金持ちの為に魚を捕って来てるって訳だ。マジで胸糞悪いぜ」

「本当だ。貧乏人にも食わせろって感じだよな」


 なんか、賑やかになってらっしゃる。

 約束の時間まで、後、二時間か……まだまだ間に合うな。


 あ、でも、色々と街を見て周りたいしこの辺で失礼させてもらいますかな。


「すいません。俺、街を見て周りたいんで……この辺で失礼させて」

「何言ってんだ。街なんていつでも見れる。俺達はいつでも見れない。さぁ、飲むぞ!」


 半ば無理矢理、俺は熱燗を飲まされた。


「えっ! ちょ! 熱いです! く、口に付けないで! 飲みますから! ぎぃゃゃゃ!」


 俺の絶叫が漁師達の団欒に響き渡った………。







 うぇ、気持ち悪い。


 熱燗を嫌と言う程、飲まされたおかげで俺は、足元がおぼつかない。


「うぇぷ」


 ホテルまで身体、もつかな? やばいんじゃないのかな? うぉぉえ〜〜。


 電柱の陰によって、出したい物を出す。し、死にそう……。

 そういえば温泉に入るとか言ってたけど、入れるかな? 俺。


 おぼつかない足取りでホテルへと向かう。




 少し歩くと、ホテルについた。さらに、酔いも段々醒めてきた。


 お、流石、我が肉体。

回復が並な早さじゃないぞ。

 ん? って事は俺は常人じゃないって事か?

 いやいや、俺の知ってる奴らよりかは、絶対常人だ!

 脳内で自分に対するツッコミをしていると彰達がロビーに顔を出した。

 どうやら、温泉に行く途中だったらしい。


「光! お前どうした! 約束の時間ギリギリじゃん」

「ん……少し、大海原に赴いていた」

「なに、寝ぼけた事言ってるんんだよ」

「いや、本当だって」

「ほら、さっさと温泉に行くぞ」


 俺は彰が俺の為に持ってきたタオルを持たされて、温泉に強制連行された。なんか今日はよく、強制連行される日だな。




「おぉ〜〜結構広いな」


 俺と彰は一斉に感激の声を漏らす。

 その俺達の姿に、幸治が少し笑っていた。


 夜で周りの風景が見れないのは残念だ。

 そのかわり夜遅くって事もあり、人は俺達以外見当たらない。貸し切り状態と同じだ。

 しかし、向こうの女性風呂の方からはまだ声がする。女はいつもこんな時間帯に風呂入ってるのか?


 俺達は身体の汚れをシャワーで落として、温泉に入る。


「うひゃ〜〜極楽極楽」

「お前はオッサンか」


 彰がツッコむ。ちっ、なんか最近、コメディー要素が薄れてきてら。


「オッサンにはこの温泉は効果絶大だぞ? 肩凝り、腰痛、足の疲れ……」

「いや、説明しなくていいから」


 幸治が説明し始めたので、それを素っ気なく止める。


 いや〜〜しかし、落ち着く〜〜。ここはまるで楽園だなぁ、おい。

 多分、今の俺は頬が緩みすぎて街中だったら『ママー何あの人ー』『見ちゃいけません!』的な事を言われてるだろうな〜絶対。


 俺はしばらく、そうしていたかったがいつの間にか彰が浴槽にいない。


「おい、幸治。彰は何処に行った?」


 幸治は無言で九時の方向へ親指を差す。その指差した先を見ると、覗き魔がいた。


 この温泉は木のしきり一枚で男性風呂と女性風呂が別けられている。

 つまり! 覗きがたやすい事である。

 そんな美味しい状況を彰が見逃す訳無く、しきりに耳を当てて奇声を上げている。


「何やってんだ?」

「見てのとおりだ」

「覗きか?」

「盗み聞きもだ!」


 彰は全然悪びれたそぶりを見せず、しきりの少し亀裂がはしった部分から目を血走りさせ、女性風呂を覗いている。

 野人だな、こいつ。


「おい、止めとけよ。バレたらヤバいだろ」


 彰にそう言うと、血走る目をこちらに向けた。


 こ、怖い。例えるならば、なんか色んな意味で飢えてる野生生物の前にケーキを持ち、美女を連れて歩き回る気分だ。


 ま、とりあえず怖いというのを分かってくれればそれでいい。


「何を言っている! 目の前には秘密の花園があるんだ! 見えるには見えるが、肝心なとこまでは湯気で見えないチラリズム! 一度味わったらもうやめられない、とまらない河童エビセンだ!」

「ていうか、以前も覗きした事あるのかよ」

「さぁ、光も秘密の花園を見ようではないか! 男なら誰しも味わいたい秘密フラグに!」

「フラグ言うな」


 俺は浴槽にいるはずの幸治に止めさせようとしたが、いない。


「佐藤大佐。ここからも見えます!」

「お、幸治軍曹! お手柄だ!」


 彰を呼んで、新たな覗き場所を見つけたと喜ぶ幸治。


「すまん、幸治。俺がバカでしたね、はい。ちょっとでもお前に期待した俺がバカだったよ、こんちくしょう」


 俺は桶を蹴る。


 よく、アニメとかで桶を蹴るとカラン、コランと音がするが実際にやってみるとガッコンとか、ガーとか、曇った音しかでない。


 俺は再び温泉に入り、夜風で冷たくなった身体を温める。


 ふと、考えてみた。


 俺はいつまで、仲間達とこうやって遊んで、バカやって、楽しむ事が出来るのだろうか。いずれ皆、社会人になる。社会人になったらこんなバカはできな……彰は出来るか。

 まぁ、どちらにせよこんな皆でバカ出来るのは今のうちだな…………。


 俺はコクンと頭を無意識に落として眠りそうだった。

 ふぅ〜本当、今に感謝だな…………。


 俺は段々と睡魔に眠りの世界へと連れてかれた………。






「オレは神の領域に行くぜ!」

「あぁ! 佐藤大佐! 危険です! 流石に向こうに行くのはジ〇でフリーダ〇に挑もうとしてるのと同じです!」

「それでも! オレは見たい世界があるんだぁぁぁ!」

「佐藤大佐!」

「アキラ行っきまーす!」


 ベシャ、ボコ、バキ、ドカ、ヤメテ、バッチャーン、ヒュイイン、無双転生、ドガガガガ……


「大佐ぁぁぁぁ!」


 幸治の咆哮が……彰が星となって輝いた日であった………。


「ていうか、人が真面目に終わらせようとしてたのにぃぃ!」



 かたや、光も別の意味で咆哮してた……。



「勝手に穴〇さん声でナレーターをつけるな! おい!」


 すいません。


第41話:〜旅行(二日目2)を読んで頂きありがとうございます。やっと、宿題から追われる生活から離れられました。つまり、夏休みが終わりました。皆様には、更新が遅れ本当にお詫び申し上げます。さて私が更新しない間に、いつの間にかアクセス数が24000件を越えた事をここに記します。ありがとうございます。ではこれからも居候はヴァンパイア!をよろしくお願いします。次回の更新は日曜日or月曜日です。

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