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第4話:〜学校にて極刑〜

前回の続き……かな?

「弱い弱い弱いよわーーい」


 ドカッ、バキッ、グシャ、キュイィーーン、ガガガガガッッ


 後ろでは、彰が暴走してるらしい。

 ていうか、『キュイィー』ってなんだよ……いや百歩譲って『キュイィーーン』は許そう。

 だが……『ガガガガガッッ』ってなんだよ!?

『ガガガガガッッ』って

 明らかにコンクリ削ってるぞ! コンクリ。


「お前何やった?」


 二人、俺に向かって殴りかかってくるがひらりとかわして一人の顎に掌底をくらわせ、もう一人の方には回し蹴りをくらわす。


 二人撃沈♪


「いや、何にもしてないけど?」

「今、『ガガガガガッッ』って聞こえたぞ」

「ああ、あれな。ちょうどドリルが落っこちてたから拾って起動させた」


 さっきの『キュイィーン』っていう音はドリルを起動した音か、なるほど……


 ドリルッ?!


「お前、そのドリルで人貫いてないだろうな」

「大丈夫だ。不良達は一目散に逃げてたから、かすりもしてないだろうな。惜しい………」


 そりゃドリルなんて使われたら一目散に逃げるだろ。その前にこいつ今、惜しいって言ったぞ………

 今度からこいつには手錠をはめておこう。何しでかすかわかったもんじゃない。

 と、ツッコミを入れてる間にもう終わってたらしい。

 ほとんどはドリルを見た瞬間に風の速さで逃げたっぽいな。


「あ〜つまんねぇ。もう終わりかよ」

「そりゃそうだろ。ドリルなんて出されたら」

「それもそうだな」

「さて遅刻するといけないし行くぞ彰」

「ああ」


 俺達は学校へと向かうのでした。




「でさーオレ達にからんできた不良をボコボコに………」


 今は弁当の時間。

隣りでは、彰が今日の武勇伝をクラスの連中に語ってる。

 止めろ、それ以上言うんじゃない。教師に聞かれたら貴重な放課後が潰れてしまう。


「おう、光。弁当食わないのか?」

「そういやそうだった。弁当、弁当………」


 リュックを漁る。

 ん? 無い………弁当が無い。


「どうした?」

「いや、忘れたみたいだ」

「お気の毒に……」


 くっ……次は体育だってのに。スタミナ付けとかないと、バテる。


 ガラガラッ


 いきなり教室のドアが開かれる。

 一人の少女。

 見覚えがある少女。

 こっちに向いた少女。

 満面の笑みを向ける少女。


「なッ………」


 俺、絶句!


 そこに居たのは……


「ヒカルぅ〜〜お弁当届けに来たよ♪」


 ぴょんぴょん跳びはねて手をふるレナ。

 やっぱりね? コメディー的にこうなると思っていたよ。

 すぐさま椅子から立ち上がり、レナの方へダッシュ! マッハ5


「ばっ……なんで来たんだよ」

「だって、お弁当がないとお腹すくでしょ?」

「そんな事はどうでもいい。大人しくしてろって言ったのに」

「だって………」


 涙目になるレナ。

 そんな目をするな。そんな事をしたら………。


『ヤだ〜〜。女の子泣かしてる〜〜〜』

『ゆ〜め〜む〜ら貴様。そんな可愛い子を泣かせおって〜〜〜ただじゃおかん』


 ほらな………こうなる事は見え見えなんだよ。

 とりあえず和解を心みる。


「あのな、皆。こいつは俺の家に居候………」

「かかれーーー!!」


 一気にクラスの男共が俺におしかけてくる。

 しかも今、命令したのは彰だ。


「彰! 裏切る気か!」

「オレはいつでも女の子の味方だーーー」

「くっ……」


 さて、こいつらをボコボコにする事はできるんだけどさすがにめんどくさいな。

 ここは撤退するしか。


「止めて。ヒカルに手を出さないで!」


 言ったのはレナ。

 俺の前に出る。

 そして……


「ヒカルに手を出していいのはボクだけ!!」


 余計な一言。

 あぁ、あそこに居る人萌えてる。萌えてるよ。

 だが、萌えてない人はこうなる。


【野郎共はバイキ〇トを唱えた】

【野郎共はスク〇トを唱えた】

【野郎共はピオ〇ムを唱えた】

【野郎共の攻撃力が二倍になった】

【野郎共の守備力が極限まで上がった】

【野郎共の素早さが極限まで上がった】


 …………ピンチ。


「いい〜なぁ〜光はよぉ。そんなラブラブできる相手がいて。弁当まで届けてもらってよぉ」

「そんなん、ちが……」


 レナが自分の腕を俺の腕にからませて余計な一言、パート2。


「いいでしょッ。もうボクとヒカルはラブラブなんだから」

「バッカ、んな事言うと」


『夢村 光に極刑を』


「うむ、みなの心いきたしかに受け取った。夢村 光を極刑じゃーー!!!」


『おおーーーー!!!」


 逃げよ、それが最善策だ。

 レナの腕から俺の腕を解き、レナの腕を掴んで教室の外へ走る。


「夢村 光に極刑をー」


『夢村 光に極刑をー』


「わぁーー!! こっちにくるなぁーー!」


 教室からワラワラとクラスの男子が出てくる。


 ………この小説のジャンルってホラーだっけ? 今更、バ〇オ〇ザードの主人公の気持ちがわかったような気がする……。

 後ろを振り向く。


「極刑♪極刑♪極刑じゃぁーーー!!!」


 彰が先頭きって走ってくる。

 あのバカには一発殴った方が良さそうだ。

 てなわけでレナの手を握ってない右手で、走ってきた彰の顔面に走ってきた速度+俺の力=物凄い強さのストレートをおみまい。


「グヘッ!」


 一発で彰、消沈。

 自業自得だ。

 大将がやられてしまったクラスの男子達は足早に教室へ、戻って行く。


「さて、俺も戻るか」

「ねぇヒカル」


 レナが袖を引っ張ってくる。こいつの存在忘れてた。


「何だ?」

「ボクも学校行きた……」

「ダメ」


 即答。


「な、なんでよぉ〜」

「お前が来たら何しでかすかわかったもんじゃない」

「なんにもしないから〜」

「第一、お前学力あんのか? 入るには編入試験を合格しないといけないんだぞ」


 この学校の試験問題は難しい。俺はギリではいれたんだけど。そのかわり、はいったら自由だ。授業の妨害さえしなければなんでもしていい程に。


「ボク、学力はあるよ。だってボク達の世界の学校では、首席で卒業したもん」

「お前がか?」

「うん!」


 本当かぁ〜? 信じられん。まぁ、こいつがそこまでいうならしょうがない。


「わかったよ。今度、誰かわからんが編入試験をうけるらしいから、お前もついでにうけさせてもらえるようにお願いしとくよ」

「やったぁー♪」

「そのかわり、おっこちたら諦めろよ?」

「うん♪大丈夫だよ。絶対おっこちない」


 自意識過剰すぎる。

 ここの試験問題、甘くみてるな? 足元すくわれるぞ。


「まぁとりあえず今日は帰れ」

「え〜〜〜もう少しヒカルと一緒にいた〜〜い」

「ダメだ」

「う〜〜〜。すぐ帰ってきてね」

「ああ」


 俺が頷くと、レナは物凄い跳躍力で廊下の窓から飛び出して帰った。

 ………ここ四階だぞ?

 まあ、ヴァンパイアだからそんぐらいの身体能力があってもおかしくないか。

 俺は無理矢理、納得すると倒れてる彰をよそに教室へ戻ってった。






 放課後。

 俺は校長にレナの編入試験をお願いして、帰宅した。






「ただいまー」

「お帰りーーー♪」


 レナがエプロン姿で俺を迎えてくれた。


 エプロンッ!?

 まさか………。


 すぐ、居間に向かう。


 ちゃぶ台に乗っかってる皿の上には、料理がおいてあった。


 確かコメディー系だとこういうのは破壊力のある味なんだよな………。


「ボク料理作ったんだ。凄いでしょ♪」

「あ、あぁ」

「さ、食べよ♪」


 ちゃぶ台の前に座る。

 見た感じ、から揚げのようだ。


「いただきまーす」

「いただきます………」


 食べようとするのだが箸が進まない。

 そんな俺を見てレナは目をウルウルさせながら、言ってきた。


「もしかして、嫌いだった? から揚げ……」


 止めてくれ。そんな目で俺をみるな。あぁ男としてここは食うしかない。


「いや、好きだよ。ホラ」


 いざ出陣!!


 パクリ………


「ん? 意外と…………ぐほァ!!!!………」

「ヒカル? どうしたのヒカル? ねぇヒカル!」


 薄れていく意識の中、レナの声が耳に響く。

 そして、思った。

 こいつには絶対、料理を作らせないと………。




第4話:〜学校にて極刑〜を読んで頂きありがとうございます。これからも居候はヴァンパイア!をよろしくお願いします。次の更新は水曜日の予定です。

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