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第38話:〜旅行(初日)

すいません!更新遅れました!

「よっしゃあぁ!! 待ちに待ったぜ旅行だ、旅行!」


 ただいま、五時四八分。


 俺は旅行用の鞄を右手に持ち、幸治の家に向かってる。


 彰は一人、こんな早朝に大声を出している。


 近所迷惑もいいところだな。


 寿さんとレナは仲良く、お喋りをしながらゆっくりと歩いている。




 ゴホンッ! さて……以前、俺達が旅行に行くと計画した。覚えているだろうか?


 ん? 覚えてない?


 覚えてないと四話目以来から登場してなくて、作者にすら忘れられてた家主さんが、あなたのお家にやって来て、『思い出して下さい』と言いにやって来ますよ? 微妙に怖いと思いますよ?



 と、冗談はこの辺にして。


 俺達はそんな訳で待ち合わせ場所になった幸治の家に行っとる訳だ。


「なぁ……彰」


 浮かれ気味だった、彰がこちらを向く。


「なんだ?」

「俺達が今から行く、旅行先って何処だ?」


 俺の問いを。なんだそんな事か、と言って流す彰。


「おい!」

「オレも知らねぇ。只、海や温泉はあるらしい」

「お前も知らねぇのかよ」


 ふむ……海と温泉か……温泉は入ってみたいな……最近、腰痛気味だし。

「お! 着いたぞ、光」


 色々と温泉の事を思っていると、幸治の家……屋敷に着いた。


 いつ見てもデカいな、この屋敷。

 あぁ、屋敷だからデカいのか。


「ヒカル、早く〜」


 どうやら、この屋敷をずっと見ている間に皆は裏庭に行ってしまったらしい。レナの声が微かに聞こえる。


「あぁ!」


 俺は強く返事をして、裏庭に向かう。

 裏庭への行き方は正面のこれまたデカい門をくぐって、正面から見て右手側に行く。


 その後、ずっと真っすぐに進むと左側に曲がる道がある。


 曲がった、瞬間にあるのが裏庭だ…………


 すみません。


 俺は今、実際に裏庭へ向かいながら説明していたのだが、裏庭へ出た瞬間に言葉を失ってしまった。


 か……金持ち、恐るべし……。


 裏庭にあったのは、一機のヘリコプター。

 よく、有りがちなパターンなのだが、俺にとってはヘリコプターなんて間近で初めてみた。


「どうした? 夢村」

「いや、金持ちのあまりの偉大さにビックリしたよ」

「ん? よく、わからんが、乗れ」


 俺は幸治に促され、ヘリコプターに乗る。

 中は案外狭く、乗り心地は俺にとっては、いいとは思えなかった。


 ま、ヘリコプターに乗れただけでも良しとするか。


 俺が乗るのを待ってたかのように、乗った直後、騒音を辺りに撒き散らしながらヘリコプターが作動する。


 そして、徐々にヘリコプターが上昇していく。


「よし、出してくれ」 


 幸治が指示すると操縦者が頷き、ヘリコプターは発進した……





 三十分ぐらいたっただろうか?


 海ばっかりのところに、聳える孤島が窓から見える。


 まさか、あそこか?


「幸治」

「あぁ、そうだ」

「俺、何にも言ってないんだけど」

「どうせ、あの孤島に着陸するのか? とか言いたいんだろ? よく、見てみろ。ちゃんとヘリポートもあるし、ホテルもある。金持ちがよく行く、リゾートみたいなものだ」


 俺は窓から孤島を見る。

 本当だ。幸治の言ったとおりだ。


「うわ〜〜キレイ」


 レナが感激の声を漏らす。


 確かに。


 海が朝日に反射して、キラキラ光ってる。

 さながら、ダイヤモンドのようだ。


 いや〜それにしても


「金持ちが憎い」

「なんか、言ったか? 貧乏人?」

「落とすぞ、コラ」


 俺と幸治がやや、してる間に、ヘリポートに到着したらしい。


「幸治様……到着いたしました」

「到着したか。よし、三日後の正午までは自由にして良いぞ」

「かしこまりました」


 操縦者は一礼するとヘリコプターから出てどっかに行ってしまった。


「幸治」

「ん?」

「よく、漫画とかで金持ちはドアを使用人に開けてもらうけど、なんでお前は開けてもらわないんだ?」

「自分で開けた方が早いから」


 うん。なんとも、合理的な発言だ。

 確かに自分で開けた方が早いもんな。


「さ、こんなとこでお喋りしてないで行くか」



 俺達はヘリコプターから降りて、ホテルへと向かう事にした。





「お〜〜ロビー広いな〜〜」


 彰がロビーに入るなり、テンションをMAXにしている。

 レナも寿さんも同様だ。


 俺と幸治は驚いてない。


 ロビーにはデッカいシャンデリアがあり、花の絵が天井に描かれている。


 何故驚かないんだろう? 幸治は小さい頃よく来てたらしいから驚かないのは当たり前なんだけど、問題は自分だ。


 なんでだ?


 段々と周りの騒音が聞こえなくなる。


 なんで、俺はこんな凄いホテルを見て、皆と同じように感激の声を漏らさないのだろうか……。


 昔だったら絶対、感激してたハズだ。


 なんでだ………




「−−−−カル………−−ヒカル!」

「うわ!」


 俺は極度に集中してたせいか、周りが見えてない & 聞こえなかったらしい。

 目の前にはレナが立っていて、周りは俺達の方を向いている。


 俺が大声を出したからで、あろう。


 だが、それは一瞬。周りは何もなかった事を認識。

 携帯で電話してる人や、上司と来たらしくペコペコしてる人。


 自分達の用事へと専念する。


「ヒカル、皆もうチェックインして部屋行ったよ?」

「あ、ああ」

「どうしたの? なんか変だよ? さっきも大声で『うわ!』なんて言うし」

「いや………ごめん」

「ヒカルがそんな事で謝るなんて……やっぱり変」

「ほ、ほら、皆が待ってるだろうし、行くぞ」


 疑いの眼差しが嫌になって俺はとっとと上に向かう為エレベーターに乗る。

 エレベーターには、誰も乗ってない。

 つまり、レナと二人きり。


 エレベーターのドアが閉まると、レナは早速尋問を続けた。


「ねぇ、ヒカル。一体どうしたの? さっきから、変だよ?」

「いや、変じゃないって。ただ、考え事をしてただけだ」


 必死に否定するが、レナは止めようとしない。


「違う。確かに考え事をしてるように見える。だけどボクが見る限りいつものヒカルの考え方と違う」

「いつも、どんな考え方してるんだよ」

「なにかを見透かすような眼差しで考えてる」

「じゃあ、今は?」


 エレベーターのウィィィンっていう音が途切れる。


「着いたみたいだな」


 俺は早々と逃げる。


「凄い……悲しそう目をしてる……」


 後ろからレナの声が聞こえた。


 悲しい?


 悲しくなんかない。


 俺はあの時から悲しみを捨てたんだ。

 父さんと母さんが死んだ時から………


 レナを後方に俺はさっさと、部屋へ入る。


 部屋には彰と幸治。



 男女別々で部屋を取ったのだ。


「お、光。やっと来たか」

「夢村、遅いぞ。夏の暑さにやられたか?」

「あ、ああ……考え事してただけだ」


 俺は曖昧に返事をする。


「な〜んか元気ないな〜〜。よし、じゃあ海行くか」

「はぁ?」


 俺は旅行用に持って来た少し大きな鞄を、床に置きながら嫌そうな返事をした。


「なんだよ、文句あんのかよ」

「ありありだ。まだ、七時なのに海なんか入ってられっか。俺は眠い」

「だから、水をかぶって眠気覚ましだ」

「やだ」


 きっぱり断り、ベットに横になる。


 あぁ………ねみぃ〜〜。


 俺は欠伸をする。


「わかったよ。じゃあ、オレ達は先に行ってるぞ?」


 俺は返事をしなかった。

 返事をするかわりにコクコクと頷いて見せた。


 二人はドアを開けて、部屋から出ていった。


 二人の声はどんどん遠ざかり、俺の意識も遠ざかっていった………。


第38話:〜旅行(初日)を読んで頂きありがとうございます。以前、休養期間を取ったのにこの遅さ……すいません。実は僕はメール機能で書かせてもらっているんですけど、日曜日の朝に書き終わり、メールで小説を送信したんです。そして寝ぼけていて、更新したと安堵して眠ってしまったんです。で、今日作者ページに繋いで投稿小説をみたら更新されてないのでビックリして急いで更新した訳です。本当にすいませんでした!………では!これからも居候はヴァンパイアをよろしくお願いします。次回の更新は水曜日か木曜日です。

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