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第37話:〜稟との再会〜

少し遅れました

「はじめまして。光の師、森 羅槞稟です」


 ここはファミレス。

 俺は稟を連れて、彰と幸治の元に向かったのだが、周りの視線が……主に男。


 稟はモデルになってもいいんじゃないかと思うぐらいの美人だ。


 天然茶髪のショートヘアーに鋭いが威圧感がない眼。

 スタイルも見事に、膨らんで、縮まって、膨らんでいる。

 一緒にいる、こっちが恥ずかしい。


 脚は長いが、細い。この脚から、俺を一発ノックアウトするキックを出すんだから凄い。



「は、はじめまして! オレ、佐藤 彰といいます」


 彰が素っ頓狂な声を出す。

 流石に彰もこのくらいの美人だと、緊張するらしい。


「はじめまして。大沢 幸治です」


 幸治は彰とは反対に全然緊張してないようだった。

 だが、ちゃっかり、しっかりとファミレスのテーブルの下から銃口を出しているのは何故だろうか?


「あれ? 何年ぶりだっけ?」

「二年ぶりよ。私が十九の時に光は日本に行ったんだから」


 あ〜〜二年ぶりか〜〜時間が経つのは早いな。


 俺は思う。


 二年前は、マフィアをこの手で八つ裂きにしてやりたいと思っていたが……人は変わるものだな。


 それもこれも……

 俺の隣りに座ってる師匠のお陰だな。


 ん? そういえば……


「稟。二年前が十九って事は今は二十一?」

「そうよ。もう、立派な成人よ」

「その成人が一体、何で日本に来たんだ?」


 俺が聞くと、稟は顔を伏せて赤らめながら何かぶつぶつと一人で呟いている。


「だ、大丈夫よね? 四歳しか離れてないんだから」

「稟。さっきから何を呟いてんだ? それに四歳がどうした?」

「ううん! 何でもない! え〜〜と、あっ! 日本に来たのは、ある人に会いに来たからなの」


 こっちを振り向き無理矢理っぽい笑顔を見せる。


「誰に?」


 俺は聞き返す。


 が、何度聞いても、教えてくれない。

 一体なんなんだ? 稟のやつ………


「あ〜〜〜お二人さん? 話しの途中で悪いんだが、何で稟さんはそんなに日本語ぺらぺらなの?」


 彰が疑問をぶつけてくる。


 そういえば……俺が中国に居た頃も日本語ぺらぺらだったな……


「あ〜〜私の父親日本人なんだ」

「え?」

「あ! 勿論、義理の……ね。本当の父親は死んでしまったわ……。事故で」


 な〜〜んか、スゲー暗い話しになりそうなんですけど……


 彰も頭抱えてるし。



 はぁ……この暗さを打ち消す打開策はないのだろうか…………





 光が頭を悩ませてるのはつゆしらず……


 その頃、二人は……





 〜寿視点〜


 え〜〜私達は今、ナンパ……というのでしょうか? 男三人が、にこやかに私達をカフェへと誘っています。


 どうしたらいいんでしょうか…………


「お姉ちゃん達さぁ〜〜いいじゃ〜〜ん。俺達と少しだけでもいいからお話し、しない?」


 明らかに相手は私達より年上なのに、お姉ちゃんですか………


「あ〜〜すいません。連れがいるものでして」

「いいじゃ〜ん」


 私の腕は一人の男に掴まれる。


 それを見たレナさんはいきなり、私の腕を掴んでいた人に顔面目掛けて平手打ち。


「止めなよ。カナエが嫌がってる」

「てめぇ……何すんだ!」


 私の腕を掴んでいた人はレナさんに手をあげる。


「レナさん!」


 私は心配をして、叫んだ………のですが無用だったようです。


「はっ!」


 レナさんに手をあげた直後、その人は地面に顔をつけていました。

 何をしたかって、レナさんは相手の腕を取りそのまま下に引っ張って倒したんです。


 さすがは、ヴァンパイアですね。


 物凄い怪力です………。


「うわ! なんだ、こいつ!」


 私達をナンパしてきた人達は今のレナさんの行動で怖じけづいたのか、そのまま後ずさりする。


 チャンスですね。


 私達はお互い頷きあい、次の瞬間、さっきまで背中を向けていた方へ走りだす。


 ナンパをしてきた人達は追ってくる事はありませんでした。


「なんとか、逃げられましたね」

「うん。後はヒカル達と集合するだけだね」


 私達は最初に集合の約束をした場所に向かった。



 〜〜再び光視点〜〜




 なんとか、さっきの暗い雰囲気を幸治の機転で抜けた俺達は今、稟の話しを聞いている。


「でさ〜日本に来た時はビックリしたよ〜〜だって、中国の物価より高いんだもん」


 なんも、面白みもない会話だが稟の話しを聞いていると結構面白い。


 俺は手を伸ばしてコップを掴もうとした時、気付いてしまった。


 腕時計に。


 十二時五五分だと……


 確か………待ち合わせは一時……だったよな?


「おい、彰、幸治、待ち合わせの時間何時だったけ?」

「一時だけど」

「一時だ」


 ………………


 俺は勢いよく、椅子を立ち上がり勘定を取る。


 その様子に彰と幸治も気付いたのか、慌ててさっき買った、品が入った袋を掴む。


「ちょっ、皆どうしたの?」


 この状況に一人、入り込めない稟はオロオロする。


「俺達、友達と待ち合わせしてんだよ。一時に」


 俺は勘定をレジに持っていく。


《2500円です》


 俺はレジの人が言ったとおりの値段を出して、外に出る。


 そして、彰が珍しいものを見るような目で見てくる。


「なんだよ」

「いや……光が皆の分の金払うなんて珍しいな〜〜って」

「俺の金じゃないからな」

「は?」


 実は、さっきのチンピラさんどもから金を少し借りてきたのだ。

 もちろん返す気など、ミジンコ程もないが……


「待って! 私も行く!」


 稟は慌てて俺達についてくる。


「おい、お前なぁ〜」

「だって、光の友達とまだ、会ってないでしょ? 挨拶ぐらいしなきゃ」

「別に挨拶しなくていいし」

「嫌、する」


 稟は断固、ついてこようとする。


「あ〜〜わかったよ」


 俺が先に折れて、承諾。





 あ〜やっと着いた。


 俺達は待ち合わせ時間に、十分も遅れてしまった。

 確か……この辺りに待ち合わせしてたんだと思うけど………あ、いた。


 俺達は寿さんとレナの所に行き、謝る。


「すまん。遅れた」

「遅いよ〜〜ヒカル〜〜」

「そうですよ。私達待ってたんですから」

「本当すまん」


 レナと寿さんは、さほど怒ってないようだ。


 口調はそんなに変わってない。


「あれ? 光さん。その後ろにいる方は……」

「あ……貴女、寿 香苗さん?」


 ん? お互い面識でもあるのか?


「知ってるのか? お互いに」


 俺の質問に対して稟が答える。


「ええ。少し前に、この人が良からぬ輩に話しかけられてたのよ」

「それでどうしたんだ?」

「どうしたも、こうしたも、そいつの骨を二、三本……」

「わかった」


 俺はこのダークな話しを流した。


「ところで、なんでヒカルとカナエを助けた人が知り合いなの?」

「あ、この人が前話した俺の師匠だよ」

「え?! そうなんだ!」


 レナと寿さんは多少驚いてる。


「はじめまして。森 羅槞稟です。稟って呼んでね」


 稟の口調がさっきと違う。

 やはり、相手が同じ女性だといいのだろうか。


「よろしくね。ボクはレナ・メイル・アルフエルだよ」

「私は…………って知っていますか」


 二人が自己紹介した後、俺達はたわいもない話しをずっとした。






「じゃ、皆! 待たな!」


 俺は皆に別れを告げて帰る。


 帰路の途中、レナが急に口を開いた。


「リンさん、綺麗な人だね」

「あ〜確かに綺麗だけど、二年も一緒に暮らしてたら怖いぞ?」

「なんで?」

「色々とな」

「う〜〜〜」




 俺は今日の晩飯どうしようかな〜〜と思いながら、歩いてった……。







第37話:〜稟との再会〜を読んで頂きありがとうございます。最近、なんかスランプ気味です。あ〜〜夏休みの宿題に受験勉強が………更新が遅れる事がしばしばあると思いますが、どうかお許しを………あ、アクセス数が19000件を突破したのでここに報告しておきます。では、これからも居候はヴァンパイア!をよろしくお願いします!

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