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第32話〜歌ってヴァンパイア界へ〜

ヴァンパイア界へ、と書いてありますが、この話の最後らへんです。ヴァンパイア界に行くの

「引っこ抜かれて〜〜あなただけについて行く〜♪」


 時刻は七時二十八分。


 ここは、当然の如く我が家。

 今、レナは某ゲーム会社が創作したゲームソフトをプレイしながら、それの主題歌を歌っている。

 このゲームは一年前に、ジャンク商品コーナに置かれていたので買って来た。勿論、本体も多少傷ありのジャンクである。

 しかし、ジャンク商品といっても、ちゃんと起動するし言う事はない。


 俺はコップに入った麦茶を飲みながら思う。


 こいつ、どっから本体を出して来た? ソフトも。

 実は、このゲームソフト、一週間前後でクリアーして、その頃は財政が厳しかったから電気代の無駄になると思い本体もろとも、お蔵行きにしたのだ。

 なのに、朝起きたらレナがゲームをしておりビックリした。

 しかも、歌まで知っているし……。


「おい、レナ」


 俺はレナに呼び掛ける。

 ゲームをしていたレナは画面をポーズ画面にして振り返る。


「なに?」

「なんで、その主題歌知ってるだよ?」


 レナは俺の問いにあぁ〜、と言って答えた。


「ヴァンパイアの世界から、たま〜に人間界に来てたからだよ」

「へ〜全部歌えるのか?」

「む……歌えるよ」


 俺の言葉に少し、不快感を覚えたのか口を尖らせながら反論する。

 そして、レナは息を吸い歌い始める。


<引っこ抜かれて、あなただけについて行く>


<今日も殴る、脅す、殺す、そして〜食べ〜られる〜>


 ん? なんか変じゃね? つーか歌詞、怖ッ!


<ほったかされ――>


「ちょい、レナ待て」

「もう、なに?」

「なんか、歌詞違わないか?」

「わ、わかってるよ〜。本当の歌詞はこうでしょ?」


 俺が間違いを指摘すると焦り、やり直す。


<引っこ抜かれて、あなただけに〜ついて行く〜>


<今日もボコる、なじる、いじる、そして殺される〜>


 逆襲来たーー! 『食べられる』じゃなくて『殺される』なのかよ! ていうか、さっきより歌詞がたちわるい! 教育上、問題大有りだ!


<ほったらか〜して、何処に〜行ぃっていた?>


<では、私たち、あなたに下剋上して〜みます>


 うわ〜〜もはや、CMで流れたら、世のお母さん方が思わず子供の耳を塞ぐような歌だな。


<そろそろ運んじゃおうかなぁ〜>


<主人を運んじゃおうか〜なんて>


<嗚呼 嗚呼 あの空には魂〜〜がいぃっぱ〜い♪>


「レナ。そんな歌、何処で覚えた?」

「ん? そりゃ、自分で考えたに決まってるじゃん」

「考えるな!」


 レナは歌を歌い終わると、またゲームをやり始めた。

 俺はというと、早速二度寝の準備にかかる。次は昼まで寝るつもりだ。


「レナ。俺は寝るから、なんかあったら起こせよ」

「うん」


 レナに忠告をしておき、自室に行く。


「あぁ〜」


 軽く、欠伸をして俺は布団に横たわる。

 そして、俺はすぐに睡魔にやられ眠りの世界へとおちていった。






「ヒカル、ヒカル!」


 時刻は十二時十一分

 俺はレナの声によって起こされた。

 低血圧な俺は布団の上で、ぼ〜、としたままだ。


「ヒカル! ぼ〜〜としてないで!」


 レナに頭を軽く叩かれる。

 そのお陰で俺は少し程、正気を取り戻した。


「なんだよ、一体」

「あのね、ヒカル。ボクと一緒にヴァンパイア界へ来て」


 …………は?


「お前、何言ってるんだ? 急にそんな事言われても、困る」


 まだ、眠いし。

 それに、身支度をしてない。

 ヴァンパイア界って事は、いつ、血を吸われてもおかしくはないという事だろう……そんな危険な場所を身支度無しで行く訳にはいかない。


 レナは俺の考えを読んだように


「大丈夫。いい人ばっかだから♪」


 レナが楽しそうに言うに、どうやら嘘ではなさそうだ。


「だけどな……ていうか、なんで行く必要があるんだ?」

「パパとママが是非会いたいんだって!」

「へ〜〜って、どうやって連絡取り合ってるんだ?」


 レナは俺の言葉に対して、ポケットに手を突っ込み携帯らしき物を取り出した。


「これ! これで、ヴァンパイア界と連絡が出来るの! 人間界で言う、携帯。ヴァンパイア界ではテレパシアって言ってるんだけど」

「ふ〜ん、それで? どうやって、ヴァンパイア界に行くんだ?」


 俺は気になってた事を言う。


 人間界とヴァンパイア界をどうやって行き来するのか? そこが重要だ。


「あ、それはね………こうやって行くんだよ」


 レナはテレパシアに付いてるボタンを押す。

 すると、目の前には俺ぐらいの身長幅がある黒い穴が出てきた。

 むろん、ここは俺の部屋である。

 正に、種も仕掛けもない。


「な、なんだ? これ?」


 俺は黒い穴に指差しながらレナに聞く。


「それは、ワープホールだよ。それで、ヴァンパイア界に行く事が出来るんだ」

「こんなのが?」

「うん♪じゃあ行こう♪引っこ抜かれて〜〜♪」




 レナは俺の手を取り、歌いながらワープホールに向かう。


「わッ! ちょ! 待て! わぁ〜〜〜」


 視界が暗闇に染まる。


 時刻、十二時十五分。




 俺は人間界から離れて、ヴァンパイア界に赴く事になった。




 嗚呼……どうか、俺の人生になんでもいいから加護を………。


第32話:歌ってヴァンパイア界へ〜を読んで頂きありがとうございます。え〜なんとか、更新することが出来ました。よかった、よかった。最近、一回だけ携帯がフリーズした事があり、びっくりしました。まぁ、なにはともあれ、直ってよかったです。では、これからも居候はヴァンパイア!をよろしくお願いします………本当によろしくお願いしますよ?!次回の更新予定は日曜日です。

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