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第30話:〜暴走終わって尋問タイム〜

「くそ! 離せ!」


 俺は今、壁に張り付けられてる……正確には、彰と幸治に両手首を抑えられて張り付けられてる状態です。

 そして、寿さんはレナに水を飲ませた後に顔に水をぶっかけて酔いを覚ましてる。


 意外と手荒い覚まし方してるな寿さん。


 だけド、そんな事ヨりヤバいデす、俺。

 これから多分、尋問タイムになるだろう。余りにもヤバいから、ちょっとだけカタカナ混ざったけど……。

 ったく、こんな事になったのは、ホラそこ! そこにいるヴァンパイアさん。貴女のせいですよ? 暢気に酔いから覚めて目をパチクリさせてるのはわかるけど貴女のせいでこうなっているんですよ? 分かってますか? 人がこれまで意識して皆にヴァンパイアだって事、隠そうとしたのに………俺の努力は一体…………。


「さっきのは何なのかな? ひ・か・る、キュン?」


 彰が笑顔で、俺の手首を絞めてくる。


「痛ッ! 痛いんだよ! さっきのは何なのかって? そりゃ話せない」


 ははは、俺には肉体的拷問は聞かないぜ! なんせ、中国でこれでもかって程、苦痛を受けたんだからな。


 幸治は俺が何をしても駄目だと、思うと急に自分の財布から諭吉を何枚か取り出すと団扇代わりにして見せた。


「あ〜〜暑いなぁ〜〜。まだまだ、この団扇残ってんだけど夢村も欲しいか?」

「くっ………そう来たか……」


 お金で、釣ろうってか……我慢だ、我慢。

 ここで、喋ってしまったら俺の頭が疑われる。

 誰もヴァンパイアなんて信じる訳がない。


「光……もう吐いちまえよ? それとも、カツ丼食うか?」

「俺は警察署で取り調べされてる犯人か!?」


 確か、カツ丼頼むと自費だったような………えぇい! 何にも考えるな! 目の前の事に集中しろ!


 幸治が諭吉を見せるのを止めて、思い当たったように言う。


「そういえば、レナちゃんって、吸血鬼なんだっけ?」

「な、なんでそれを知って………はっ!」

「言ったな?」


 見事に幸治の誘導尋問に引っ掛かり、自分で喋ってしまった。


 幸治はニヤリとして、俺の肩に手を置く。


「今、『なんでそれを知って』って言ったよな?」

「それは……………」


 ちっ………ここまでか………

 腹を割って話すしかないか………


 と、彰が突然俺達の話しに割り込む。


「え? ちょっと待て! 吸血鬼って何の事だ? オレは目の前で首筋をレナちゃんに舐められている光に少し殺意が沸いただけだぞ? 何の話しをしてるんだ? お前ら?」


 あぁ、彰はそんな理由で俺を尋問してた訳ね。


 俺は完全に確信した。


 こいつは手も付けられないバカだと、思ってたけど違う。

 こいつは生まれた時からバカだ。


 ま〜違いない。こいつの言動には気をつけろ。


 ……………某漫才ピン芸人の真似をしてみたが、イマイチみたいだ。


「夢村。こいつは、放っておいて、何でレナちゃんはお前の首筋を噛んだんだ?」

「いや、あいつ赤ワインを飲んで酔っ払いになってたからさ〜」

「じゃあさっきの、自分から言った言葉はなんだ? 俺の推論では首筋を噛み、出た血を愛おしそうに舐めるのは吸血鬼……違うか?」

「それは…………」


 俺は口ごもる。

 レナに視線を移す。

 レナは俺の視線に気付き、頷いた。


「あぁ、そうだよ。レナは吸血鬼………ヴァンパイアだ」

「ほぉ〜〜〜そうか。それで? なんで、俺達にその話しをしてくれなかったんだ?」

「明らかに信じないだろ? 普通」

「ったく……昔からそうやって物事を決めつけやがって。信じたぜ? ヴァンパイアって言ってくれれば。夢村が嘘つく時は必ず目を反らすくせがあるんだからな。逆に真実を言う時は必ず相手の目を見るんだよ」


 幸治は、はぁ〜、とため息をつく。

 ていうか、そんな癖が俺にはあったのか……気が付かなかった。

 まぁ、自分の癖は自分では気が付かないと言うからな。


「つーか、それを知ってどうすんだよ」

「別に。ただ、俺達は友人だ。隠し事は抜きだぜ?」

「隠し事も何も、俺はさっきので隠し事は無くなった」

「なら、いい」


 一体なんなんだ? 俺が隠し事してるみたいな事言いやがって………確かにしてるけどな。

 あんまり、昔話するの好きじゃないし。


 ん? つーか、何でこいつら俺の家に来たんだ?


「幸治。お前ら何で俺の家に、来たんだ?」

「あ、そうだ。今日の午後5時から、前々からお母が直々に指揮してたデパートが開店するんだ。それで、開店セールで半額だから……」

「え? 半額?! マジか?! 行く! 絶対行く!」

「最後まで、言ってないんだけど……」


 俺はセールと聞いた瞬間に飛び上がる & 絶叫する。


 くぅ〜〜久しぶりに燃えて来たぜ! いい品物あるかな? あったら絶対取ってやる!



「彰さん……光さんどうしたんですか?」

「ああ……光はセールに行く時はいつもあんなだよ。あいつが言うにはセールは、安い・いい品物選び・そして、他の客と品物を争奪する駆け引きがいいんだってよ」

「は、はぁ……なんか、専業主婦……じゃなくて専業主夫みたいですね」

「ま、あいつは二年間も一人で暮らしてたからそんな癖がついてもしょうがないだろ」



 さてさて、早くセールの時間になんないかな♪


 自然とワクワクしてくる。レナが来てから、半額セールは中々やってなかったから、今回はいっぱい買うぜ! まずは、食品買って、その後食器を買って、その後は………駄目だ! 買いたい物が多過ぎてピックアップできない。


 う〜ん、よし。買えるだけ、買おう。


 うん、それがいい。決定!


 っと、こいつらにも手伝ってもらわなきゃ………


「彰」

「まかせろ」


 すぐに返事が来る。


「幸治」

「OK」


 よし、幸治も大丈夫みたいだ。

 いや〜名前呼ぶだけでも、何が言いたいのか分かる友人って言いな。


 俺は改めて思った。


「レナと寿さんも行く? 行くなら手伝ってほしいんだけど………つーか手伝って」


 俺は二人に聞く。

 人数が多いほうが、多く品物が買えるし。


「うん、ボク行くよ。デパートのセールってテレビでは見た事あるけど、生では見た事ないし」

「私も、行ってみたいです」

「よっしゃあ!」


 これで、いつもより多く買い物が出来る!


 頑張るぜ!





「ボク、頑張ろう」

「私、頑張ります」






 余談だが彰がレナと香苗に『光はセールが上手い女性は好みかも』って言ってたのを光は知らない。


第30話:〜暴走終わって尋問タイム〜を読んで頂きありがとうございます。前回アクセス数15000件、突破と報告しましたが、間違いでした。正しくは13000件、突破でした。すいません。そして今回アクセス数14000件を突破しました。この調子で頑張っていきたいと思います!では、これからも居候はヴァンパイア!をよろしくお願いします!

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