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第29話:〜雨の降る中レナ暴走〜

 6月と言えば梅雨。


 ここ最近、雨が降りまくっている。勿論、今も大雨。

 そんなんで俺の家は湿気が溜まりに溜まって蒸し暑い。

 洗濯をしようにも出来ないし……なんとかなんないか? この雨。


「ヒカル〜〜蒸し暑い〜〜」

「俺だって同じだ」


 扇風機が俺達の命綱。

 クーラは壊れてしまっていて使いものにならない。


「ヒカル〜〜蒸し暑い〜〜。血、飲まして〜〜」

「さっき飲ましたばっかりだろ!」


 そう言って、扇風機の前で涼しんでた俺にのしかかる。


「わっ! バカ! そんな格好で寄り付くな! つーか、暑い!」


 俺は慌てる。


 そんな格好……レナは今、上半身と下半身共に、下着だけなのである。


 そして、のしかかられている。


 彰なら即効で悩殺されるな。

 あどなけない顔とは対象的に膨らんだ胸。

 さすがの俺でも目をそらす。


 俺の本能と理性が激突。


本『へいへい、こ〜〜んな可愛い女の子が目の前に……しかものしかかってきてんだぜ? てごめにしない手はないぜ?』


理『駄目です。本能に身を任せたら彰さんみたいなダメ人間になってしまいます。それに、レナさんはあなたを信頼してるからそんな格好でいるのですよ。それを裏切ってはなりません』


本『い〜〜や、信頼してるからこそ身を委ねていいと思ってあんな格好をしてるんだ。漢になろうぜ!』


理『いいえ、暑いからあんな格好をしてるのです。そんな無抵抗、無邪気な少女を汚してはなりません』


 汚すって………俺の理性。随分と酷い物言いだな。


 まあ、そんな事を頭の中で繰り広げてる内にレナは俺の左首筋にガブり。


「いっってぇぇぇぇ!!」

「美味しい♪」

「『美味しい♪』じゃあねぇよ! いきなり噛み付きやがって! ていうか、なんで暑いだけで血が必要なんだよ!」

「ん? だってエネルギーになるから」

「あ〜〜わかった。もういい。とにかくどいてくれ」


 俺はレナをどかそうとするがどいてくれない。

 むしろ、俺に引っ付き首筋の血を舐め続けてる。


「なんの真似だ?」

「だって、お皿買いに行った時以来、飲ましてくれてないんだもん」

「あ〜〜〜わかった。飲ましてやるからとにかく、どけ? OK?」


 そうじゃないと、俺は肉体的にも精神的にも蒸される事になる。


 レナは身体を俺から浮かして四つん這いになる。

 つまり覆いかぶさる直前の体制という事だ。


 そして、何故かレナは俺に、ニヤケ顔を見せて大変な事を口走る。


「あれぇ〜〜もしかして……ボクによくじょ〜〜した?」

「なっ!」


 俺はその言葉に慌てる。


 いきなり何を言い出すのか? このヴァンパイア。暑さでやられたのだろうか? それとも、興味で言っただけなのか?


 そんな事はどちらにせよ構わない。


「お、お前。その言葉、意味知ってて言ってるのか?」

「うん♪」

「はぁ〜〜〜してない」


 軽い嘘になるのだろうか? さっきから顔が熱い。風呂にでも入っているようだ。


 お、落ち着け……相手は居候のヴァンパイアだぞ? 人じゃないんだ。ヴァンパイアだ。コウモリが居るだけだと思え。

 よし、コウモリが居るだけ………


「いっ!」

「あ………やっぱり心臓が高鳴ってる♪」

「や、やめろ」


 レナは俺の胸に頭を付けて頬ずりしてきた。レナ、特有の甘い香りが俺の鼻をくすぐる。。

 そのせいで、さっきまで考えてた事が遥か彼方へと飛んでっ行ってしまった。


 もう、無理。


 頭が蒸し暑さとレナの体温で熱くてくらくらして気絶しそうになる。


 ていうか……いつものレナじゃない。

 いつもは暑くてもこんな事しない……


 俺は今更になって思い当たる事があった。


 あっ! 今朝のご飯! 隠し味にニンニク使ってたんだ! 少量だけ。


 まさか…………それで?

 いや……隠し味程度だぞ? それだけで変になるか?


 他に原因は無いかと捜す。

 …………ん?


 俺が見た先はキッチンにおいてある赤ワイン………誰かが飲んだ形跡がある………


 こいつかッ!


「バカッ! お前……赤ワイン飲んだな!?」

「何がぁ〜〜〜〜?」

「うっ……酒臭!」


 何故今まで気がつかなかったんだろうか? レナの口は凄い赤ワインの臭いがする。


 しかし、これがわかったからって何にも事態には変わりはない。


 もういい、無理矢理でも引っぺがす。


「暑いから、どけ!」


 上に引っぺがすのが駄目なら横に。


「え?!」

「あ……」


 横に引っぺがすまでは良かったが、レナが俺の服の袖を引っ張るので立場は逆転。

 今度は俺が覆いかぶさる形になってしまった。


 ヤバいヤバいヤバい! これは流石にヤバい!


「すまん! 今どくから!」

「ダメ」


 レナは俺がどこうとするのを止める為、服の袖を引っ張る。


「お、おい!」


 まあ、こんな他の人に見られたらヤバい状態でいると……


「おっじゃましま〜〜す! ………」

「入るぞ、夢村………」

「おじゃまします………」


 どっからどう俺の家に侵入したのか、彰、幸治、寿さんが最悪なタイミングで居間に入って来た。


 そして、今の俺とレナの状況を見るなり三人は固まった。


 この三人には、俺達が『今から大人の階段に上ります』的な事をしてるのだと頭の中で勝手に解釈してるだろう。


 俺は弁解を心みる。


「いや、待て………これは誤解だ。信じろ! 彰、俺はこんなフチラな行為をした事が今までにあるか?」

「あぁ……した事無いよ」

「そうだよな? 信じてくれるよな?」

「何にも言うな……お前には負けたよ……まさか、レナちゃんとそこまで将来の事を考えていたなんて……。さ、オレ達は帰るから好きなだけ続きをやってくれ!」

「おい、コラ! 誤解だ!」


 彰にでさえ、凄い優しい目で見られる。


「お願いだ。そんな目で見ないでくれ。幸治……お前は信じてくれるよな?」

「あぁ、信じるよ。お前達の将来を……結婚式、呼んでくれよな」

「駄目だ。話しにならん」


 幸治への弁解、失敗。


 なら……


「寿さん、あなたなら……」

「光さん……光さんが、レナさんを本気で好きなら……私……」

「寿さんまで! え! なに!? これって、新種のいじめか!? 酷いぞ? お前ら?」


 俺、くじけそう………。


「あ、レナ。ほら、誤解だって言ってくれ、って痛い痛い!」


 俺が皆の方からレナの方に向いた瞬間、また……次は右首筋を噛まれた。

 俺の首筋から流れた血を愛しいものを見るような目で舐める。


 なっ! こいつ、分かってこんな事やってるのか?!


「バカ! そんな事をしたら」


『えぇぇーーーー!!』


 三人共、口を大きく開けて驚きの声を出す。


 ほらな………


 さて、これからどうするか……


第29話:〜雨の降る中レナ暴走〜を読んで頂きありがとうございます。更新するのが難しくなってる今日この頃、白黒です。いや〜梅雨は湿気が家中に溜まって嫌ですね〜〜え? 除湿があるから大丈夫? 僕の家は除湿機は無いしエアコンも壊れてるんですよ。光君と同じですね。まぁ、なんの変哲もない世間話ですが付き合ってくれてありがとうございます。後、アクセス数が13000件を突破しました!皆さんのおかげです!20000件目指して更に突進します。では、これからも居候はヴァンパイア!をよろしくお願いします。次の更新は水曜日の予定です。長々と失礼しました。

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