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第28話:〜勉強会、後編〜

「レナ、ここはどうやって解くんだ?」

「あ、ここはね…………」


 書斎に向かった俺は、順調に勉強が進んでる。

 それに、二人の教え方がいい為か俺は大分、分かって来た。


 だが、『俺は』である。

 二人はというと……


「だぁ〜〜〜わかんねぇ! 中学の問題なのに!」

「こちらもだ! 何故、中学の問題が解けん!」


 お前らがバカだからですよ? 他に理由でも?


 おっと、何故、二人は中学の勉強をしてるかというと、高校の問題が出来なくて問題レベルを下げて下げて下げまくったら遂に中学の問題になってしまった訳だ。


「だからここはですね? こうして…………」


 必死に教える寿さんが眩しい。

 だが、二人の耳にはまったく入らないようです。


 どんだけ頭が悪いか皆さんの前で証明してみせましょう。


「彰、幸治。中学の社会の問題だ。第一次産業が嫌われる理由は3Kです。では、3Kとは何でしょう?」


 皆さん、解りますか? 解らなかったら彰と幸治並の知能ですよ。


 まず最初に彰が胸をはって、答える。


「愚問だな。答えは、(借りる)(返さない)(かっぱらう)だ!」

「第一次産業は借りる事も返す事もしません」


 皆さん、聞きましたか? この解答……否、見ましたか? この解答。

 頭が悪いにも程がある。


 次に幸治。幸治はこのくらいなら出来ると期待している。


「答えはこれだな? (蹴る)(気絶)(殺す)どうだ? 正解だろ?」

「別に、第一次産業は闇業界じゃないぞ!」


 はい、見事に俺の期待を裏切ってくれました♪

 駄目だ………二人の頭の悪さは天下一品だ。

 幸治に至っては、闇ルールを述べてるし……


「あのな………答えは(危険)(汚い)(きつい)だ。第一次産業は金融業界でもなければ闇業界でもない。野菜とか作る産業だ。覚えた方がいいぞ? ていうか覚えろ」

「やだな〜〜オレ達はふざけただけだよ〜〜な? 幸治?」

「え?」


 いきなり、話しを振られて戸惑う幸治。

 嘘見え見えだっつ〜〜の。

 しょうがない、もう一問だすか。


「そういうなら、3Cはなんでしょう?」


 二人共考え始める。


 次は幸治が先に答える。


「(クラッシュ)(コンピューター)(コンバットアント)」

「とにかく、物騒な思考から離れろ」


 コンピュータとクラッシュはまだいいが、コンバットアントって、好戦的な兵士って意味だったような……。

 まあいいか。


 次は彰が答える。


「そんなの簡単だぜ! (カレー)(ケーキ)(クラッカー)だ!」

「食い物から離れろ」

「腹が空いたし、もう頭が痛いんだよ!」


 彰は駄々をこねる。


 そこで、幸治が提案。


「そうだな。少し、休憩するか。ついでに俺、自分の部屋から菓子持ってくるわ」


 幸治は椅子から立ち上がると、書斎を出てってしまった。


「光。ところでさっきの問題の答えなんだ?」

「ああ、答えはクーラ、カー、カラーテレビだ。それぐらい知っとけ、バカ」

「うっせぇ〜」

「ボク達から見れば二人共、バカだけどね」

「ほっとけ!」


 皆で和気藹々と話してる時、書斎のドアが開く。

 幸治が戻って来たのかな? と、思いきや……そこにいたのは幸治の父親の和也さんだった。

 どうしたんだろう? なんか木剣みたいのを二つ持ってこっちへ近付いてくる。


「どうしたんですか?」


 俺が聞いた瞬間、和也さんが右手に持っていた木剣が俺の眼前に突き付けられる。


「決闘を申し込む」


 和也さんから放たれた強烈な言葉。


 その矛先は最近、バトルが多い俺。


 俺、なんか悪い事したっけ? 確かに、ノーヘルでバイクとか運転してるけどそこまで悪い事か? ていうか、和也さんに危害加えたか?


 俺が焦ってると


「親父! 何、やってんだ! イタズラはやめろ!」


 幸治がちょうど書斎に戻って来た。


 ん? イタズラ?


「イタズラなんですか?」


 額から冷や汗を垂らしながら聞くと


「あはは、ごめん。少し、驚かそうと。でも、私が幸治に聞いた話しでは君は剣法を使えるじゃないかな?」


 幸治の言ったとおりイタズラでした。

 和也さんは後頭部をポリポリかいてる。


「え? あ、はい。一応、剣法は出来ますけど……」

「え♪じゃあ一回だけ手合わせを……」


 俺に左手の木剣を差し出す。


「親父! 俺達は勉強してんだよ! どっか行け!」

「いい、幸治。俺、この手合わせやるよ」

「別に家の親父に気を使わなくていいぜ?」

「気を使ってるんじゃなくて、最近剣法やってないから鈍ってるっぽい。だから、やるんだ」


 俺は差し出された木剣を取る。


「ささ、中庭はこっちだよ」


 どうやら手合わせは中庭でやるらしい。

 和也さんが俺を中庭へと案内する。


「おっ! 光の剣法捌き、また見れるのか! オレ楽しみだぜ!」

「アキラ、なんか知ってるの?」

「ああ。オレ達が中学三年生の頃、ちょっとな」

「ふ〜〜ん」





 中庭に来た俺は自分の手元にある、木剣を見る。

 等身は狭く、長さは60センチ前後ある。


 単剣か………あっ、単剣というのは別に誤字ではないですよ。片手剣とほぼ同じ意味ですから。

 え? 知ってる? まあ一応の為です。


 しかし、ラッキーだな。


 この木剣は切る事も(切れないけど……)突く事も出来る。

 俺の剣法は単剣の場合は7割突くで、3割切るだからな。この木剣の構造は都合がいい。


 俺は二度、木剣を降る。


 準備万端。


「用意はいいかな?」

「いいぜ?」

「では………参る!」


 和也さんはいきなり、木剣で右から切りに掛かってくる。


「うおっと」


 俺はそれを木剣で受け、上に跳ね上げる。


 がら空きだ!


 俺はすぐに木剣を自分の胸元に持っていき、突きの連続を繰り出す。


「くっ! やるね!」


 和也さんはどうやってやってるのか、がら空きだった体制から、ひらりひらりと俺の突き避けている。


「てやっ! はっ!」


 俺は突きの状態から、いきなり下段から切りに掛かる。

 それを和也さんは踊るように、後ろへ避ける。

 そして、和也さんは間一髪をいれずにすぐにカウンターを仕掛けてくる。横なぎの二連撃。


「ちっ!」


 俺は二連撃を後ろに避けて、距離を取る。


「おや? どうしたのかな?」


 くっ! 強い。

 何が強いかって、蝶のようにひらりひらりと避けるので攻撃が当たらないのだ。


「あの光さん、負けそうですけど?」

「香苗ちゃん。いいから黙ってみてな。もうすぐ、面白いものが見れるから」

「はい?」


 さ〜〜て、和也さんが本気出す程に強いってわかったし………いきますか!


 俺は木剣を横に構える。


「何をする気だい?」

「へっ! こうするのさ!」


 俺は木剣の端を持ち、ふとももにぶつけて折る。


 その場に居た、彰と幸治以外がア然としている。


 真っ二つに折れた木剣はちょうど一つ、30センチ程の大きさに。

 合計二つの30センチの木剣が出来る。


「おやおや、まさかそんな事をするとは………」


 その二つを左右の手に持つ。


 これが俺の本気。


 二刀流。


 俺は姿勢を低くする。


「さぁ………行くぜ!!」


 和也さんに向かって、走る。


「てやっ! はっ!」


 俺は左斜め下から、右手に持った木剣を振り上げる。

 和也さんはその攻撃を身体を反らして避ける。

 すかさず、左手に持った木剣を和也さんの胸に突き出す。


「ほう……」


 和也さんは右手に持った、木剣で俺の突きを下へ弾き、反動で俺の首目掛けて襲う。

 それをしゃがみ込み、避ける。

 ついでに足払い。

 だが、和也さんはそれをジャンプして避ける。


「なっ!」

「終わりだね」


 重力の効果で俺にジャンプ切りをしてくる。


 誰もが負けると思った瞬間


「うおぉぉぉぉぉ!」


 俺のSE〇D覚醒。


 遊んでた両手の木剣を顔面の前で交差させる。


 寸前でガードに成功。


 そのまま、両手を振り上げて和也さんのけ反らせる。


「必殺、双虎斬」


 俺は低い姿勢のまま駆け出し和也さんの腹に目にも止まらぬ速さで連撃をいれた。


「がはッ!!」


 そのまま、和也さんの横を通り過ぎる。


 和也さんは木剣を捨てて降参した。


「いや〜〜参った。まさか、私が一本取られるなんて……」

「いや、運が良かっただけです。次はもしかしたら負けるかもしれません」


 俺は身震いする。


 運が悪かったら負けてたのは俺だった。

 それだけ、和也さんは強かった。


「さすが軍人ですね」

「まだまだだよ」


 俺達は互いに握手をした。

 再戦をすると誓って。


「さぁ、ヒカル。勉強の続きだよ」

「あ、ああ」


 俺はレナに引っ張られるようにして、中庭を後にした。






「誰なんだい? 幸治。彼は? あの剣捌き……」

「ただの友達です」

「ふ〜〜〜ん。まあいいや。さて、じゃあ次は負けないように練習するか」

「勝手にやってろ親父。俺は書斎に行く」

「おう。我が息子よ」






 ニ週間後。

 俺はなんとか赤点を免れた。これで補習と追試にならなくて済む。

 ただし彰と幸治が


「だぁ〜〜赤点だ」

「ちっ、赤点か」


 補習&追試の羽目になっていた。

 ちゃんと計画的に勉強しないからだよ。




 皆さん、勉強は計画的に。


第28話:〜勉強会、後編〜を読んで頂きありがとうございます。 え〜〜なんとか更新する事が出来ました。危なかったです。ですが試験勉強の方が危ないです。このままじゃ彰と幸治の二の舞です。気をつけてます。 それと、これはコメディーです。え? 何故そんな事を言うかって? バトルが多いからです。なんか、ニ話に一回はバトルが出てきます。バトルが嫌いな平和主義の方には申し訳ありません。 では、これからも居候はヴァンパイア!をよろしくお願いします。次回の更新は一週間後の日曜日です……テスト勉強しないといけないんで………

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