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第26話:〜筋肉番付?ファイナル〜

今回はすこし長めです

 遂に最終種目『大乱闘、最強王決定戦』が始まる。

 前々回から負けっぱなしだからな、このままじゃ主役の威厳が……負ける訳にはいかないな。


 さて、問題のルールだがそれは今、Myマイクを使ってる彰が説明している。


「−−−ルールはこうだ。まず体育館の端っこの辺りを見てくれ」


 皆が一斉に端っこの辺りを見る。

 そこには緑色のテープが床に貼られていた。


「そこに緑色のテープがはってあるだろ? そこから出たら負けだ。又は触れたら負け。どんな手を使ってもいい。最後まで残ってた奴の勝ちだ。以上!」


 彰はMyマイクのスイッチを切りこっちに寄ってくる。


 なんちゅ〜〜ルール説明だ。適当だな。


 彰は俺の目の前に来て一言。


「いっつも、レナちゃんや香苗ちゃんに囲まれやがって! 今日、お前をここで……討つ!」

「あ〜〜はいはい。頑張ってね」

「くそぉ!」


 俺に左ストレートをけしかけて来るがそれを数センチ動き、避ける。


「おいおい、まだ始まってないんだから……」


 そこに幸治が止めに入る。


 そして気付いたように、俺に言う。


「ていうか、レナちゃんは大丈夫なのか? 女の子だろ?」


 ただの女の子ならな。

 あいつは、ヴァンパイア………普通の人間じゃ勝てない……


「大丈夫だ。でも流石に女をボカスカ殴るこの競技には参加させたくないな」

「だな」


 俺達が悩んでると、そこに当の本人登場。


「三人とも何話してるの?」


 レナが俺達に聞いてくる。


「いやぁな、お前が女だから困ってんだよ。流石に女相手にボカスカ殴る訳にはいかないだろ?」

「ふ〜〜ん。それなら大丈夫。ボクには指一本触らせないから♪」


 俺達、硬直。場、硬直。


 これは俺達に対する宣戦布告か? それとも、勝利宣言か? どっちでもいいや。ここまで舐められたら男が廃る。


「いや〜〜〜レナちゃんは手厳しいな〜〜オレ達にそんな事言っていいの? 強いよ……オレ達」


 彰の眼の色が変わる。


 こいつは昔から戦闘狂だからな。宣戦布告とかされると相手関係なく鋭い眼になるんだ。

 全く、その癖治せよ。


 その時鬼塚が現れて、早く始めようぜ、と俺達に促した。

 あんた身体大丈夫なのかよ………。


 鬼塚は足踏みをしてる。よっぽど闘いたいんだろう……戦闘狂もう一人発見。


「よし、じゃあ始めるぞ」


 彰が皆を体育館の中央に集めて寿さんに合図する。

 寿さんが頷き、体育館の照明を消す。


 始まりは照明が再び、ついたら。


 再び照明がつく。


 それを開戦の合図とばかりに、お互いがお互い、距離をとった。


 場は静寂。


 俺は左腕を前に出し、右腕は脇腹の近くに構える。

 彰はボクシングで使われる、フェイティングポーズ。

 鬼塚は空手の起勢のままじっとしている。

 幸治はジャケットのポケットに手を突っ込んだまま、これまたじっとしている。

 レナは腰を低めにして迎撃できるような構え。


 これはある意味、頭脳戦だ。

 誰が先に攻撃するか、その攻撃してる奴を誰が攻撃するか、その際に防御してる奴はどういう立ち回りをするか。


 無限の可能性が出てくる……


 と、そんな時、俺の目の前にはレナ。


「くっ!?」


 しまった! 少し、考えこんで目を離した隙に接近されてた。


 レナのパンチが俺の腹に減り込む。


 くっ! なんて力だ!


 俺は情けなくも、後ろへ吹っ飛ぶ。

 床につく際になんとか柔道とかで使う、受け身を取る。それでも床が硬いので痛い。


「うひゃ〜〜レナちゃん、やるな〜〜。それに比べて、光! 情けないぞ? オレが倒す前にぶっ倒れるなよ?」


 彰がなんかごちゃごちゃ言ってるが、そんなものはどうでもいい。右耳から入って、左耳へ流すだけだ。


 そんな事より、間違いなくヤバいのはレナと鬼塚。あの二人には注意せねば。


「しかし………これコメディーだよな? なんか最近バトルに片寄ってきてないか?」


 幸治がポケットに手を突っ込んだまま言う。


 そこに彰が


「いいんだよ。コメディーはなんでも有りなんだよ」


 あるまじき発言! なんでも有りって……いいか? そんな事言ったら、いずれか核兵器が出てくるぞ?


「さぁ、ごちゃごちゃ言ってないで……始めようぜ!!」


 遂に彰が動きだす。


 向かった先は幸治。


 着実に間合いを詰めていく。

 幸治は尚も、ポケットに手を突っ込んだままだ。


 彰の攻撃範囲内に、幸治が入る。

 そこに彰の右ストレート。


 一瞬だろうか? 幸治がニヤっと笑い、避ける。

 そして、ポケットから………コーラをだす。


「くらえ!!」


 幸治はコーラを振り、彰の目に向けて噴射。


 見事な目潰し。


 幸治は彰が怯んでいる内に、軍隊でよく使うような間接技を決めて彰をライン外に出そうとする。


 それを必死に振り払おうとする彰…………ウオッ!


 人がせっかく読者様に説明してるというのに、このアホヴァンパイアは! お前はkyか! あ、ついでにkyというのは『空気読めない』の略称語です。


 レナは俺に連続攻撃を仕掛けてくる。


 速い! だが……虚実がない。単調な攻撃なので躱せる。


「ヒカル! 何で当たらないの! 当たってよ!」

「バカ! 当たれと言われて当たる奴がいるか!」


 また、無理を言うよこのヴァンパイアは。

 お前の攻撃をまともに受けたら、痛いんだよ!


「よっと……ほいッ!」


 俺はレナの手首を掴み、そのままライン外へほうり込む。


 殴るのは流石に俺でも、抵抗がある………それに、レナの顔に傷でもつけたらどんな批判をくらうか分かったもんじゃない。


「えいッ!」


 レナは空中で回転し、ライン外ぎりぎりで着地。


 そのまま出てればいいものを………


「今のは危なかったよ……」


 レナがため息を漏らす。


「ちっ! 負けちまったな!」


 ん?


 あ!


 皆さん速報です。

 俺とレナが闘ってる時に、彰VS幸治戦。幸治が負けました。


 この意味が分かりますか? 幸治が負けたって事は彰が勝ち。

 つまり、俺はレナと彰二人に狙われるという事デス。


「くっ………こうなったら、作戦Aをするしかないな」


 俺の作戦A………それは彰に効果絶大な攻撃だ。


 俺は懐からエ〇本を出してそれをラインぎりぎりに設置。


 彰がこっちへ来る。


「ハッハッハーーーそんな〇ロ本ごときじゃ俺はつれないぜぇ!!」

「いや、よく見てみろ」


 そうやって彰を誘い込む。

 彰はエ〇本を上から覗き込む。

 レナ、寿さんは冷たい目で彰を見る。この作戦はレナの戦意喪失の手もあるのだ。


 だけど、この時がチャ〜〜ンス。


 俺が『よく見てみろ』って言ったので覗き込んでる。


 そうして、見るという意欲をわかせ一気に……突き落とす!!


「なんだよ、これ! 普通の雑誌………ゲフッ!!」


 彰をライン外に出す。


「あっ! 汚いぞ! お前!」

「さて、後三人」

「あ! 無視すんじゃねぇ! おいコラ!」


 俺は彰の言葉をドライブスルーの如く無視して、体育館の中央に留まる。


 残りは三人………俺が相手にするのはどちらとも、人外的戦闘能力の持ち主だ。いや、一人、人外か……。


 どうすっかなぁ〜〜小細工は通用しなさそうだし………


「先にレナか………でもあいつ速いからな……お!」


 いい考えが浮かんだ。


 これは結局のところライン外へ出せば勝ち。ということは………


 俺はライン外ぎりぎりの所まで歩き、止まる。


 そして、レナにマトリッ〇ス風に手をクイクイする。

 要するに『さぁ来い』という意味だ。


 見事にレナは俺の挑発? にのって全速力で突っ込んで来た。



 ………今だ!


 俺はレナの手を掴み、右回転してレナをライン外へ投げる。


「えっ!? きゃッ!」


 レナは見事に吹っ飛ぶ。

 その際にレナは頭をぶつけたのか、摩ってる。


「後は………鬼塚……先生! あんただけだ!」


 俺は、鬼塚に指を差す。

 それを鬼塚はふっ、と笑い無言で立っている。


 不適な笑み………


 くっ………できる!


 俺は鬼塚から間合いをとる。


 場は静寂。


 と、突然鬼塚が提案してきた。


「もう二人になったんだから、ここは先にギブアップ、又は気絶をした方が負けにしないか? 夢村」


 俺はいきなりの提案にびっくりした。


 二人どちらかがギブアップ、又は気絶した方の負けって………逃げられないじゃん! いや、ギブアップをすれば逃げられるんだが、プライドが……これじゃあ俺の身体大ピンチ!

 かと言って、断っても勝負が長引くだけだし………


 しょうがない………覚悟を決めなければ。


「分かりました。その提案、のります」

「よし! あ、大丈夫だ。痛みが来る前に終わらせてやるから、な?」


 なんか軽く物騒な事言ってるんですけど……


 それに、『な?』と言われましても……


「俺、負けませんよ」

「はっ! かかって来いよ!」


 鬼塚が手をクイクイする。


 あえてその挑発にのる。


 俺は走り出し、一気に間合いを詰める。


 そして、右から鬼塚の首に手刀。だが、鬼塚はそれを右手で受け払いのける。その後、俺に左正拳突き。

 俺は軽く息を抜き、わざと後ろに吹っ飛ぶ。そうする事で、ダメージを軽減した。


 もう一度間合いをとる。


 口から大きく息を吹い、ゆっくりと鼻からはく。


 鬼塚も同様にしていた。


 さて、何故、俺はすぐに間合いをとったのかお気づきだろうか?


 実は最初の攻撃は相手の戦闘能力を計る為だ。



 結果、下手したら一撃KO、以上!



 さっき、鬼塚の正拳突きを受けた時、わざと後ろに吹っ飛んだんだがそれでも胸がずきずきする。

 恐らく……いや絶対に防御をとれなかったらKOものだろう……。


 慎重にいく……か。


 再び間合いを詰める。さっきとは違ってゆっくりと。


 鬼塚も間合いを詰めてくる。


 ふと、俺は思い出す。


 師匠が言っていた事……


 『相手が強者の場合はフェイントも使うんだよ。隙が無いからね。後、動きは水の如く……滑らかにね。分かった? で、私が教えている拳法は一発一発が弱いから相手の急所、又は一発決まったら連続で決めるんだよ』


 水の如く……滑らかに……


 一発、フェイントいれてみるか……



 俺はまた間合いを詰める。今度は鬼塚との距離、2センチたらず。かなり、密着してる状態だ。


 ここで、鬼塚の顔面めがけて右正拳突きをする。

 勿論、防御されるに決まってる………だから


「なっ!」


 さらに左正拳突きで鬼塚の腹を襲う。


「ぐっ!」


 鬼塚が少し揺らつく。


 すかさず両手で鬼塚の胸に掌底をくらわす。


 ギャラリーはどよめく。


 見事に鬼塚は吹っ飛び、俺は反動を利用し後退する。ヒット&アウェイだ。


「やるじゃねぇか。夢村。今のは受け身とらなかったら危なかったぜ」


 やはり、受け身はとられとたか……


「次はこっちから行くぜ!」


 鬼塚が向かってくる。


 ぱし、ぱしと拳同士がなる音。


 くっ……攻撃力が強い! 受け流すのを失敗したらKOだ。


 早く倒さなければ……


 俺はそう判断すると、しゃがみ込み足払い。鬼塚が倒れる。


「ふん! 甘い!」


 鬼塚は倒れる直前、手を床に付き、軸にして回し蹴り。

 俺はなんとか後転して、避ける。だが、蹴りが頬を掠める。そこから鮮血が。


「ッ!」


 ヤバい! 掠っただけなのに、軽い脳震盪が……


「外したか……。さて、先生はそろそろ職務に戻らなきゃいけないので、次の一撃で決めさせてもらうぜ夢村!」


 脳震盪をおこして、ふらふらの俺に鬼塚の鉄拳が襲い掛かる。


 ちっ……負けちまったかな!?


 鬼塚の鉄拳が俺を襲う刹那、驚くべき事が起こった。


「先生! ヒカルをこれ以上、ぶたないで!」


 眼前にはレナ。俺を庇う形になっている。


 やべぇ……俺、このままじゃカッコ悪り。


 鬼塚の鉄拳が襲い掛かろうとする。加速にのった拳は止められないらしい。


「この! 闘いの邪魔なんだよ! アホヴァンパイアがぁ!」


 俺は一喝する。


 すると、また驚くべき事が起こった。

 頭がくらくらしてたのに治り、周りが凄く遅く感じる。まるで、俺が時間を支配したみたいに。

 ああ、これがよく言う火事場の何とか力って言うやつか。


 まあいい。好都合だ。


 レナの肩を押して、鬼塚の攻撃対象を再び俺にする。


 ここで、鬼塚に攻撃……といきたいところだけど、どうやら火事場の何とか力は切れてしまったらしい。


 ドゴッ!!


 俺は鬼塚の鉄拳をもろにくらってしまった。






 目が覚める。白いベットの上だ。

 身体中が痛い。



「ここは………」

「保健室だよ、ヒカル」


 ベットの傍らにいたレナが言った。


「俺は……何をしてたんだ?」


 軽く記憶がとんでる。


「ヒカルは突然入ったボクを助けようとして、自分が犠牲になったんだよ」

「ああ……そうか。思い出した」


 するとレナが言いにくそうに俺に頭を下げた。


「ごめん……ヒカル。邪魔しちゃって……」


 本気で悪いと思っているのか、頭を下げたままだ。


「ああ、全くだ。いきなり、眼前に現れてマジで邪魔だった」


 俺はきつく、ものを言う。


「ごめんなさい……」


 今にもレナは泣きそうだ。

 俺が小さい子をいじめてるみたいだな……ったく。


「だけど、嬉しかったぞ。お前が俺を守ろうとしてくれて。だから今回は許す」


 レナは頭を上げる。ルビー色の瞳には、涙が溜まりまくっていた。


「え? ……………」

「次からはあんな事をするなよ。したら一日ご飯抜きだぞ」


 レナは予想外だったのか、ポカンと口を開けている。


「分かったか?」

「え? あ、うん!」


 レナは頭を何度もコクコク上下させていた。


「よし、帰るか。今何時って……八時!? 早く帰んないと!」


 俺は急いで、ベットから降りる。身体中が痛いがお構い無し。

 早くしないと、『世界びっくりニュース』が始まってしまう。


 俺は保健室のドアを開けて、廊下に出た。





 〜〜レナ視点〜〜



 ヒカルが保健室から出ていく。


 はっきり言ってボクは内心ホッとした。

 先程、邪魔した件について許してくれた。しかも、笑って。ヒカルは自分が笑ってた事に気付いてないと思うけど。


 優しい………ボクは改めてヒカルの優しさを認識させられた。


 初めて出会った時……ヒカルは迷わずコウモリだったボクを助けてくれた……多分その時からボクはヒカルを好きになったんだと思う。


 だから、ヒカル。ヒカルが傷つけられるのを、黙って見てたくなかったの……


 これからも、ヒカルが傷つけられてたらボク、守ろうとすると思う。


 その時は、見捨てないでね? ヒカル。


「お〜〜い! レナ! 早く帰るぞ!」

「あ! 待ってぇ〜〜ヒカル〜〜」


 ボクは保健室を出た。


 そして、ヒカルの隣りがボクの特等席。誰にも渡したくない。


 でも、カナエは強敵だなぁ〜〜


 ボクはヒカルの腕を抱く。


「うわ! 離せよ!」

「いいじゃ〜〜ん」

「なんか、気味悪いぞ? お前」


 ヒカルは鈍感だからわからないみたい……ボクの気持ちに……


 だけど、いつか………



「よ〜〜し! 頑張る!!」

「だから、お前気味悪いぞ? それと何を頑張るかわからんが、まず料理を頑張ってくれ」


 ボク達は、たわいもない話しをしながら、帰宅した。



26話:〜筋肉番付?ファイナル〜を読んで頂きありがとうございます。なんか最近、コメディーから恋愛に片寄ってきてると思う、今日この頃です。  どうでしたか? 最後はレナ視点で終わらしてみました。変でしたかね〜〜?  最後に、アクセス数が11000件をいきました!皆さんのおかげです!この調子で20000件を目指したいです。  ではこれからも居候はヴァンパイア!をよろしくお願いします!  尚、この後書きに先程から空白をいれてますがそれは話しが変わるという意味なのでバグでもなんでもないです。 次回の更新は期末テストの勉強で、早くて水曜日、遅くて金曜日になりそうです。本当すいません。

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