第20話:〜下校中〜
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「レナ、寿さん、今日のご飯何がいい?」
下校中。
あれから、ご飯何にするか決まらなかったので二人に聞く事にした。最初からこっちの方が手っ取り早かったかもしれん。
「ボクは………ハンバーグがいい♪」
「レナはハンバーグね。寿さんは?」
レナは今日のバスケでの結果で上機嫌だ。鼻歌まで歌ってるし……。
寿さんも何故かバスケの後から上機嫌だ。
「私は、何でもいいですよ」
「何でもいいんですか? なら、皆同じハンバーグでいいか」
「はい」
さてと、じゃあ買い物行ってこなきゃ。
二人共、ついて来たって食材選びとか出来そうもないし、鍵を渡しておいて先に行くように言っておくか。
「俺は食材、買いに行くから先に行っててくれ。これ俺の家の鍵だから」
レナに鍵を渡す。
「え? ボクも行く!」
「私も行った方がよろしいかと……」
「二人共……食材選びできる?」
「…………」
「…………」
多少きつい言葉を言ってしまったようだ。確かに女にとっては料理できないっていうのがコンプレックスの人も居る。
あぁ、俺は無神経な男だ。
「じ、じゃあ先に行っててくれよ!」
俺はスーパーへ行く道を逃げるように行く。
「行っちゃったね………」
「はい。では、光さんの言うとおり先に行ってますか……」
「うん……」
〜〜香苗視点〜〜
道中。
もう、夕方です。赤とんぼが飛んでる………訳ありませんね♪今、春ですし。
それにしても、話す事がありませんね〜。
なんか、話題を見つけないと………。
「カナエ」
「なんですか?」
レナさんの方から話題が出てくれると助かります。
「カナエは、その……ヒカルの事好き?」
「え?」
何を言い出すんだか……。
でも、光さんの事か………。
不良に絡まれてるのを助けてもらった時から光さんに会うと、胸がドキドキしてる……もしかしたら好きなのかもしれない。
でも、レナさんはどうなんだろう………。
「レナさんはどうなんですか? 光さんの事……好きなんですか?」
私は何を聞いてるんだろうか? こんな事聞いても意味ないのに。
「ボク!? ボクは………」
レナさんは俯いた。
私は予感した。これは当たりだと。
そして、その予感は当たった。
「ボクは……ボクはヒカルの事好きだと思う……だって、ヒカルと居ると胸がドキドキして、ずっと傍に居たいって衝動にかられるんだ」
「そ、そうなんですか。実は私も………」
ふと、負の思考が脳に巡る。これは言っていいんだろうか……。これを言ったら、レナさんとの仲が崩れてしまうかもしれない。これまで、親しくしてくれたのに、親しくしてくれないかも。
どうしよう………。
私が悩んでると、レナさんが唐突に口を開いた。
「カナエも、ヒカルの事……好きなんでしょ?」
「え?」
道端で、止まる私。レナさんも止まった私に気付き、数歩先で止まる。
夕日が私達を照らし、レナさんが私の心の中を照らす……というより、明かす。
無茶苦茶、動揺する私。
それを見て笑うレナさん。
「ふふっ、カナエはわかりやすいね。そんなに動揺するなんて……」
「だっ! だから……」
「違くないでしょ? もしかして、カナエがヒカルの事好きになって、ボクが妬んでカナエの事嫌いになると思った? むしろ、逆。だって、同じ人を愛した人だもん」
「レナさん……」
普通なら、私は妬まれてもおかしくないのに……。
「あっ! でも、ヒカルのハートはボクが射止めるんだからね!」
レナさんは慌てて、私に向き言う。
レナさんなら……正々堂々、光さんの事を好きって言ったレナさんなら、私の気持ちを伝えてもいいかな?
「レナさん、私も光さんの事が好きです。だから、光さんのハートを射止めるのは私です!」
はっきり言った。
レナさんはそれを聞くやいなや、微笑みを浮かべて言った。
「じゃあ今日からボク達は恋のライバルだね! でも、友達だよ!」
「はい! ライバルです。負けませんよぉ〜〜」
「ボクだってぇ〜〜〜」
おでこを付けあいながら、恋の宣戦布告をする。
しばらく、それをしていて私達は笑った。
なんかお互い、分かりあえた気がしたから。
「さて、こんなところであぶら売ってないで光さんの家に行きましょう」
「そうだね! 行こ!」
私達は、手を繋ぎながら止まっていた足を動かし光さんの家に向かった。
〜〜光視点〜〜
「ただいま〜〜。少し、遅くなった」
玄関。靴が、二組あるって事は帰ってきてるって事だよな。
だけど、音がしない。
まさか、泥棒に入られて襲われたとか……。
でも、荒らされた形式はない。
ま、居間に行ってみればわかるだろ。そんじょそこらの泥棒には負けないと思うし。
俺は居間に向かい、居間に繋がるドアを開けた。そこで見たのは……。
『ZZZ……』
え〜〜と、こいつらこんなに仲良かったっけ?
俺の眼前には、レナが寿さんの胸を借りて寝ている。そして寿さんはレナの頭を撫でてたのか手をレナの頭に置きながら横たわってる。
さながら、姉と妹みたいだ。
俺は二人を起こさないように材料をキッチンに置き、毛布をかけてやった。
「ふぅ。じゃあ二人が寝てる間に晩ご飯、つくっちゃいますか♪」
二人の寝息と俺が扱う包丁の音だけがこの部屋に響いた………。
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