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第二話:〜洋服を買いに行こう♪〜

文章能力なくてすいません。前回、更新は一週間に一話〜二話と書きましたがもう少し早くできそうです

 さてと、朝飯作るか。

 今日は目玉焼きでいいかな? 学校休みだし。


「え〜と、卵と………」

「ヒカルぅ〜ボクお腹空いた〜」

「お腹空いたって言われても、さっき血を飲ましてやっただろ」

「血は栄養摂取と欲望の為に飲んでるのッ。そんなのボク達の世界では常識だよ?」


 てめぇの世界の常識なんざ知るか!


 世界と言えば、さっき血を飲ましてる時に聞いたんだが、俺達の世界とは別にヴァンパイアの世界があるらしい。それで時々、血を飲みに来てるんだってさ。

 まったく迷惑きまわりない。

 あ〜そういや、レナに聞きたかった事があるんだった。


「なあレナ」


 俺は目玉焼きを作りながらレナに話しかける。


「何?」

「なんで俺の家に居候してるんだ?」

「だーかーらー、ルールって言ってるじゃん」

「どんなルールなんだよって俺は聞いてるの」

「え〜と、助けてくれた人の家に居候してご奉仕するんだってさ。パパが言ってた」


 なんじゃそりゃ? 変なルールだな?

 ていうか、こいつはご奉仕してくれるのか?


「お前はなんかご奉仕してくれるのか?」

「しな〜い」


 レナはテレビの方向に向きながら軽い返事をしてくる。

 …………すっげぇムカつく。芸人がネタをすべらした時ぐらいにムカつく。

 一回、この熱くなったフライパンでぶっただいてやろうか? えぇ、コラ!


「な、なんかヒカル怖いよ?……」


 おっと、少し怒りすぎたかな? 大人げない。

 さてさて、ここで目玉焼きが出来上がったので、皿に乗せる。


 もちろん二人(?)分。


 あとで、レナが『なんでボクのはないんだよー』とか騒がれたらうるさいからな。

 俺は目玉焼きが乗ってる皿を持ってちゃぶ台に向かう。


「レナー、飯出来たぞ」

「やった〜♪。ん? 目玉焼きとご飯? ケッ、しけてんな」

「黙ってろ。世のお母様方に失礼だぞ」


 ったく……。この作者の親なんて、ほとんど朝は目玉焼きなんだぞ。それをごちゃごちゃ、ごちゃごちゃと……。


「あっ!」


 突然レナが叫ぶ。


「なんだよ。いきなり」


 俺は少々不機嫌に答える。今ので、皿を落としそうになったからだ。

 そんな事はお構いなしに、レナは目をキラキラさせて言った、


「服買って!」


 と。


「服?」

「うん。今着てるのは男もんでしょ? ブカブカだし」


 確かに今着てるのは先程渡したTシャツ、ジーパンだ。

 服か〜。まぁ、今日は買い物する予定だったしついでで買ってやるか。


「ああそうだな。俺も買い物するつもりだったし服買ってやるよ」

「ありがと、ヒカル」


 レナは笑顔でお礼をしてくる。

 こうやって見ると可愛いよなこいつ。ヴァンパイアだろうがなんだろうが………。


「どうしたの? ヒカル?」


 下から覗き込むようにして聞いてくるレナ。ちょうど上目使いになる。


「いや、なんでもない。それより早く飯食え!。飯くったら、買い物行くぞ」

「う、うん」


 俺はちゃぶ台に皿を乗せてご飯を置く。

 はぁ〜、危なかった。もう少しで自我が保てなくなるところだった。

 まさか、好きになったりしてないよな? 会って二日目だし。

 俺はそう思うと、飯を食い始めた。







 マズい、忘れてた。

 何がマズいのか? それは………


 ザワザワザワザワ……


 俺は今、服の店が並ぶストリートに居る。

 それだけなら問題は無い。まだ俺は高校生だからだ。

 では、何か?


 それは………


『なにあの子。ちょー可愛い。でも、なんでTシャツとジーパン? 可哀相ー』

『まったく、可愛い女の子にあんな格好させるなんて何考えてるのよ。隣りの彼氏は!』


 原因はレナだった。

 確かにこいつは可愛いが彼氏になった覚えは無いしわざとこういう格好をさせた覚えも無い。

 だからそこに居るおばさん。非難の目をこっちに向けないでくれ。

 まあ確かにこの格好をさせて来たのは俺ですよ? そこは認めますよ? だけど、酷すぎなんじゃないかな〜。

 俺は半ば逆切れしつつ一軒の服屋を見つけた。

 それはもう逃げるように……。


「レナ、行くぞ」

「え? うん」




 中に入ると結構落ち着いた感じがあり、アロマキャンドルも所々にあった。


「ねぇ、ヒカル」

「ん?」

「服……」

「あぁ、そうだったな。ゆっくり似合うやつ探してこい」


 レナは喜んで頷くと、店の奥に行ってしまった。

 さぁ〜ってと、俺はそこら辺のベンチにでも座ってるか。

 店に入ってしばらく探してると半ば辺りにベンチがあったので座る。


「しっかし、静かだな〜。なんか、服屋に来てる感じがしない」


 俺は仮眠の態勢をとりながら呟く。ちなみに俺の仮眠の態勢は腰を深くベンチにしずめて足を組み、手を頭の後ろに持っていくという感じだ。


「それは、お客様の事を考えての判断なんですよ」


 不意に声をかけられた。目をつむって仮眠しようしてたから前に来たのは分からなかったらしい。


「あのどちら様で?」

「私の事、わかりませんか?」


 この人は、腰までの黒いロングヘアー、眼は日本人の黒い眼、レナはハキハキとした眼だがこの人は少し垂れ下がっていて大人しそうな感じだ。鼻は、小鼻ですじが通ってる。唇には、薄いピンク色の口紅が塗ってありこの人の魅力を引き出している。

 これは従業員の服だろうか? 黒いワンピースの上に写真入りの名札を付けてある。


寿ことぶき 香苗かなえ


 俺の知り合いにこんな人いたっけ? この人を一言でいうなら『大和撫子』だ。そんな美人、記憶にない。レナは可愛い系の部類に入るからなーー。う〜ん、誰だっけ?

 しばらく俺が頭をひねらせてると、この人の方から会った時の事を教えてくれた。


「ほら、不良に絡まれてる私を助けてくれましたよね?」


 また頭をひねらせる。………あ! 思いだした。


「あぁ、あの時の人か……あの後大丈夫だった?」

「はい、あなたが不良を木っ端みじんにしてくれたおかげで大丈夫でした」

「それは、よかった」


 にこやかに笑う、寿さん。

 う………これは破壊力があるな。目、そらそ。


「どうしたんですか?」

「なんでもありません」

「顔赤いですよ」

「本当になにもありませんから」


 もう一度、寿さんの方に目をよせる。

 こっちを向いて『大丈夫ですか?』と、尋ねてきてる。


 大丈夫じゃありませんよ。こっちは、自制心を保つので一苦労です。


「ヒカルぅ〜、服選んできたよ」


 必死に自制心を保つ中、レナがこっちに向かってきている。


「あれ? お連れの方が居たんですか?」

「ええ、まあ。居候ですけど」

「あんな可愛い子が、居候でいいですね」


 今、『居候でいいですね』って言った時声のトーンが変わったのは何故だろう? う〜んまあいっか。


「ヒカル、誰? この人」

 こいつも声のトーン変わってるし!


「前、一回会った事がある人だ」

「ふ〜ん。いいや、それより見て見て」


 レナが服を片手に持ち、自分に当てる。


「お、似合うじゃん」


 レナが選んできたのは簡素な黒い半袖に白いカーディガン、蒼い膝辺りまでのスカートだ。


「えへへ〜♪」

「それだけで、いいのか?」

「うん♪」


 レナは凄い嬉しそうだ。


「そんなに嬉しいか?」

「うん。だって、ヒカルが初めて買ってくれた洋服だもん」

「そ、そうか? 良かった」


 くぅ〜嬉しい事言ってくれるじゃねぇか。

 え? 何? 親父っぽい? そこはお気になさらずに。


「ヒカルぅ〜そろそろ行こ?」


 レナは俺の袖を引っ張り、せかしてくる。


「おいおい、そんなに焦るなよ」

「だって早く家に行って服、着たい」

「わかったわかった。じゃあこれかって帰ろう」

「うん♪」

「寿さん。これ下さい」

「はい。お買い上げありがとうございます」


 そう言って、レジへと向かう。

 えーと値段は………。


「6500円か……まあまあだな」


 はっきり言って、もっと高いもの選んでくると思った。


「どうしたのヒカル?」

「いや、なんでもない」


 俺は一万円を出し、お釣りを貰う。

 そして、帰ろうと思った時に寿さんに声をかけられた。


「あの……お名前は?」

「名前? 俺は夢村 光だ」

「じゃあ光さん。またいらっしゃって下さい」


 微笑む寿さん。

 俺は頷き、店を出た。







「我が家にとぉ〜ちゃ〜く」


 ドアを開け、部屋の中へ入る。

 あの後スーパーに行き、タイムバーゲンでおばさん達と大乱闘を繰り広げ戦果を取り、帰って来た。

 レナは俺の豹変ぶりに驚いてたらしい。目を丸くしてた。




 ちなみに、戦果は。


 卵一パックとマグロの中トロ一パックだった。

 余裕に熟練のおばさん達は二パック以上取っていた。



 おばさんパワー、おそるべし………。

『第二話:〜洋服を買いに行こう♪〜』を読んで頂きありがとうございます。これからも、居候はヴァンパイア!をよろしくお願いします!

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