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第17話:〜病院にて〜

 〇〇病院。


「さっき、腹部から血が出て運ばれて来た女の子いませんでしたか?」


 俺は病院のカウンターに突っ伏し気味で看護士に聞く。


 看護士は戸惑いながら答えようとした。


「ああ〜〜さっきの女の子なら……」


 看護士が答えようとした時、後ろから


「ヒカル〜〜♪」


 能天気な声。


 先程までそいつの為に泣いていた俺がバカみたいになってきた……。


 後ろを振り向く。病院が貸してくれる、緑色のワンピースを着ているそいつ。


 そいつに駆け寄り、チョップを脳天めがけて振り下ろす。


「な、なんでいきなりチョップをしてくるの?」


 そいつ……レナは当たる寸前で真剣白羽取りの

要領で俺のチョップを受け止めた。


「うるさい。とりあえず死んでおけ? な?」


 チョップに力をこめる。だけどレナはヴァンパイア。そう易々とは当たってくれない。


「ボク、怪我人なんだけど」

「わかった。じゃあ死ね♪」

「わかってないじゃん!」


 レナは俺の腹を蹴り、距離をとる。


「くっ……成長したな……」

「ヒカルもね……」


 お互い、虎と竜のロゴが現れ、じりじりと間合いを詰める。


 *注意*格闘小説ではありません。


「ヒカル……何? この注意書き」

「作者の陰謀だ」

「え? 何それ?」

「お前は知らなくていい! ここで棺桶に入ってもらう!」


 あちょーー! と、掛け声を出してレナに攻撃する。


「病院では静かにしてくれませんか?」


 俺の攻撃は一人の看護士によって、止められた。


「あ……すいません」


 俺とした事が……熱くなりすぎてたか……反省だな。

 一人納得してると、レナが笑顔で俺の元にやってきた♪殺気を溢れんばかりに出しながら……。


 人生危険度……99%


「ヒカル♪なんでさっきは攻撃してきたのかな? いや、それよりもなんでボクの静止の言葉は聞かなかったのに、カンゴシさんの言う事は聞くのかな?」


 一歩……また一歩近付いてくる。


「逃げた方がよさそうだな……」


 俺は一目散に、病院の出口へと向かう。

 それを追撃せんとばかりに、レナが後を追ってくる。


「逃がさないよ! ヒカル!」

「勘弁! マジで勘弁! 白身魚からできるのはハンペン!」

「殺られたい?」


 スーパーサイ〇ジン並の瞬間移動で俺の前に立ち塞がるレナ。

 ピンチ、Pinch! 超Pinch!


「ヒカル、覚悟はいいよね?」


 関係ないけど今更ながら思った。レナはヴァンパイアだった……故に、銃弾の一つや二つ当たってもすぐに回復することを……だからあんなに病院を歩き回る事が出来たんだ。

 心配して損した……。


 俺は意識を失った。





 〜レナ視点〜


「あ……殺り過ぎちゃった……」


 ボクの目の前には泡をふきながら倒れてる、ヒカル。

 その原因をつくったのは正真正銘ボクです。


 殺り方は至って簡単。

 まず、首筋にチョップをいれて、その後首をゴキン。ね? 簡単でしょ? 皆もやってみよう。




 *警告*良い子も悪い子も真似しないでね




「まただ、何これ? ん〜〜とりあえず、一旦ヒカルをボクの病室まで運ぼ」


 ヒカルをおんぶする。


 ボクは救急車で運ばれた後、医者にびっくりされていた。

 銃弾が腹部に当たったにも関わらず、血がもう止まっていたからだ。


 まあボクはヴァンパイアだしね。銃弾の一発ごときじゃ死なないよ。痛かったけど……


 だけど念の為、二日間の入院を命じられた。

 てな訳で、病室を借りている。


 長い廊下の真ん中辺りに、306号室レナ様と書いてある部屋を発見。


「ふぅ〜〜着いたぁ〜」


 全く、ヒカル重すぎなんだから……。


 ボクはベッドにヒカルを寝かせる。人をベッドに寝かせるなんて事やった事ないから多少下手だ。


 ヒカルの寝顔が目に映る。目の辺りが赤く腫れていた。


 ボクは一瞬で悟る。


 ヒカルがボクの為に泣いていた事を。


 心配してた事を。


 ふ〜〜ん。ヒカルがボクの事を心配……




「イテテテ……首が痛い」


 あ、ヒカルが起きたみたい。


「ヒカル〜〜やっと起きた?」

「『やっと起きた?』って言われてもお前が気絶させたんだろ」

「そうだったね♪」


 今のボクは上機嫌♪ヒカルがボクの為に心配してくれたのだから。何処の世界でも、やっぱり心配してもらうと嬉しい。


 ボクは笑顔だった……。



 〜光視点〜


 レナが妙にご機嫌だった。さっきまでは、あんなに怒ってたのに……。


 俺は警戒する。


「どうしたの? ヒカル?」

「いや、何でそんなに上機嫌なんだ?」

「え〜♪だってヒカル、ボクの事心配して泣いてくれたんでしょ? 嬉しい♪」

「なっ!」


 バレた? なんで?


 そんな疑問が浮かぶ。


 だが、そんな疑問はすぐに解決された。


 病室の窓を見る。


 目の周りが赤く腫れている。泣いた後だからだ。


「いや〜〜でも、ヒカルにも心配する心があったんだね」

「どういう意味だよそれ」

「だって、いつも節約やなんやらで鬼みたいな心だなぁ〜〜って思ってた」


 俺はそんな風にみられてたのか? 酷いな……それ。


「あのな……俺はここ何年か一人暮らしだったからそういう習慣が身についただけだ。別に鬼の心なんて持ってない」

「へ〜〜」


 何とも軽い返事だな。まあいいや。


「とりあえず、俺は帰るから。しっかり安静にしてろよ。傷口が開くといけないからな」

「大丈夫だよ。だって、傷口塞がってるもん」

「そっか。なら、好きにしろ」


 俺はベッドから降りて、病室から出ようとする。

 ついてくるレナ。


「お前な〜〜部屋にいろって」

「好きにしろって言ったのはヒカルだよ?」

「確かにそうだが、お前は一応病室まで借りてる病人なんだ。それに、銃弾が当たった女の子が余裕にけろりとしてたら世間的にマズいだろ? 安静にしてなくとも、せめて部屋にいろ。わかったか?」

「う〜〜わかったよぉ〜〜」

「よし、いい子だ」


 俺はレナの頭をなでなでしてやる。そうすると、いつもの様に頭をすくめる。

 ていうか、動物だな、こりゃ。


「じゃあ俺は帰るから」

「うん。明日も来てね」

「ああ」


 俺は病院を出る。


「あぁ〜〜疲れた」


 今日一日で一週間分の働きをしたみたいだ。

 レナも無事だったし、心配する事は何もないな。


 俺はこのまま我が家に帰った。




 二日後、レナは退院した。

 保険とかなにも入ってなかったので結構な金を取られた。





 お金の事が心配でした♪やべ〜〜どうしよう………


第17話:〜病院にて〜を読んで頂きありがとうございます。前回GW企画を載せると書きましたが、友人に本編を先に載せろと言われましたので先に本編を載せました。では、これからも居候はヴァンパイア!をよろしくお願いします。

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