第2話:「季黎の病」
こっくりさん……?何で今頃こんな懐かしい遊びをしているんだ?
俺達5人は何も言わずただ、彼女達の遊びをジッと見ていた。
「こっくりさん……おいで下さい」
こっくりさんなんて来てる訳がないのに―――。こんな小さい遊びをして何になるんだ?
すると一人の女の子がやっと俺たちに気づいた。女の子はビックリしすぎて、鉛筆から手を離してしまった。
「由香里! 鉛筆から手を離しちゃ駄目」
2人の友達が一声に手を離した子へ言いかける。
「だ……だって」
手を離した女の子は、涙目で俺たちの方を見てきた。
俺たちなんかしたか……?
残りの女の子2達も俺に気づいたが、どうやら冷静にゲームを終わらせている様子だった。
「こっくりさんこっくりさん……お返事ないなら、今日はやめますので、鉛筆を離します」
そう言って、女の子達は鉛筆をゆっくりと離した。
「いつから居たんですか?」
一人の女の子は俺たちに不満そうに聞いてきた。
「最初っからです、何もいわなくて……すみません」
「いえ……」
女の子達3人は結局、最後まで不満そうな表情を見せながら図書室から出て行った。
「なんなんだ?」
俺はそう言いながら頭を押さえて皆の方を見る。
しかし、季黎はとても体がガタガタに震えており、パニック症状みたいなものに陥っていた。
「何でこっくりさんなんか……」
こっくりさんに何か嫌な思いででもあるのかな?
何も覚えてない俺たちは季黎の事を他人事のように思っていた。俺たちはこの時までは幸せだったんだ。
ここから俺たちの恐怖の運命は始まりを告げることになる。