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初めての異世界

 女性の名前をエミリア→ナナリーと変更しています。ややこしいと思いますがよろしくお願いします。

 気がつくと私は森の中にいた。

「森か〜。転移場所としてはベタだよな〜」

 周りを見渡しているとふと違和感に気づいた。手全体が見えているのに洋服が全く見えないからだ。

「な、ななな何で裸なの!?」

 恥ずかしさで顔が赤くなってくる。いくら 周りに人がいないといえ、こんなのは恥ずかしすぎる。どうして裸なのだろう。

「早く服を着ないと。そ、そうだ。確か、何でも好きなものを出せるようにしてもらったよな。ええい、服よ出ろ!」

 両手を前にかざしてそういった瞬間、目の前にパッとパーカーとジーンズが出てきた。

 本当に出た、とか思っていると、出てきた服がふわりと地面に落ちる。

「あ〜、地面に落ちちゃった」

 私はそれを急いで回収して着る。

「靴とメガネと髪を止めるゴムも出さないとね。」

 一人ででろ!!とかやるのは恥ずかしいので次は頭の中で想像するだけに留める。

 出てきたら次は落ちないようにしっかりチャッチし、メガネをかけて髪をざっと1つにまとめる。ちなみに靴はそのまま落とした。

 そして靴を履こうとして気づく。

「あ、靴下がない」

 ということで靴下も出す。

「どうだ異世界の様子は」

 靴下と靴を履いていると頭の中から私が裸になった元凶の声が聞こえてくる。

「どうも何も女性を裸で送り込むなんてどういうことですか(いや 男性もダメだけど)。いくら森の中で周りに人がいないとはいえ、私がどれだけ恥ずかしい思いをしたのか分かりますか?」

「あ?そんなん知るわけないだろ。死んだ時に裸だったんじゃないのか」

「確かにそうなんですけど、なんで裸なんですか」

「よし、無知のお前に特別に説明してやろう」

 なんかムカつくけど理由は知りたいので黙っておく。

「メヒィアはお前の体の傷を修繕してこの世界に送り込み、その体の中にお前の魂を突っ込んだんだ。それ以外のことをしていないのは神様があまり世界に干渉しない方がいいからだろうな。

ちなみに、1回死んでいるから、結局転生なんじゃないのか ってお前バカだから思ってるかもしれないけど転生は一度死んでから別人として生まれることで転移は他の場所に移ることだから一応転移に分類される。

どうだ?俺様の説明は分かりやすいだろう」

 口は少し悪いが、悔しいことに説明は上手い。一応感謝しておく。

「あ、あと口に出さなくても頭の中で念じればわかるからわざわざ口に出さなくてもいいぞ。バカにわざわざ伝えてやった俺に感謝しろ」

 その言葉の後、頭の中で ブツッと音がした。通信が切れたのだろう。(これ 通信であってんのかな)

 とりあえず、前言撤回。感謝しろって言われて一気にしたくなくなった。



 気を取り直して、私は今森の中から出ようと、私は横をふわふわと飛んでいる物体が発している自動音声に従ってひたすら歩いている。

 これが何なのかというと、森なんてどっからでられるのかわからないので機械にでも案内してもらおうと思い、色々教えてくれる私しか見えないナビよ出ろ!と願って出てきたこれに道案内をお願いしたのである。ちなみに ナビーと名付けた。

 ナビーは水色の直方体で、そのうちの一面に顔が表示されているような見た目だ。なんかちょっと可愛い。

 しばらくするとザッザッザッという足音が聞こえてきた。何だろうと思っていると木々の隙間から人の顔が見えた。

 相手は40代ぐらいで、4〜5人いた。私がいることに気づくと驚いたような顔をしたが、女だと気づくととたんに顔がにやっとしたものに変わっていく。

「こんな所に人がいたとはな。嬢ちゃん、こんなところに1人かい?よかったらお兄さんが面倒見てあげるよ」

「いや、その、あの…」

 こいつもまたベタだなと思いながら後退りするがじりじりと確実に追い詰められていく。そのうち、後ろを木に阻まれてこれ以上下がれなくなった。

 こいつらの上に今でも出して気絶させてやろうかなと思っていると突然ごろつきが倒れた。

「えっ?」

「大丈夫か?」

 突然のことに理解できずにいると、若い男の人が声をかけてきた。この人が助けてくれたのだろうか。(ゴロツキを倒してみたくもあったので 少し残念)

「は、はい。大丈夫です。助けていただきありがとうございます」

「よかった」

 男性は赤い髪に緑の目をしたイケメンで、優しく笑いかけてくれる。

「それにしてもどうしてこんなところにいるんだい?冒険者には見えないし、ここは危ないよ」

 どうやらここは危険な場所らしい。

「実は、それがわからないんです」

 本当のことをバカ正直に言うわけにも行かないので記憶喪失のふりをすることにする。

「分からない?」

「はい。気づいた時には森にいて」

「家と名前は?」

「それも…」

 私が困ったような顔を作ってそう答えると男性は手を顔にあてて考え込み始めた。

「ルーフェスさん、どうかしたんですか?」

 そうしていると後ろから白髪に紫の髪のおとなしそうな雰囲気の女性がルーフェスさんに話しかけた。

「実はこの女性、記憶喪失みたいなんだ」

「まあ、それは大変ですね。とりあえずギルドに戻って報告しませんか?」

「ああ、それがいいだろうな」

「突然こんなことになって大変だったでしょう? もう大丈夫ですからね」

 白髪の女性はこの後どうするかを男性と決めるとこちらに向き直った。

「いえ、全然なんともなかったです。ご迷惑をおかけしてすみません」

「いいのよ。とりあえず森から出ましょう。こっちよ」

 女性はそう言うと歩き出した。……森

から出る方向とは逆に。

「ナナリー、そっちは逆方向だぞ」

「う、うそ!?」

 例の男性に指摘されたナナリーさんは顔を赤らめながら振り向いた。

…優しいけど、方向音痴なんだろうな、この人。


 

 お久しぶりです。投稿にかなり間があきそうですが読み続けてくれると嬉しいです。

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