神様と異世界転移
携帯が鳴ってる音がする。早く出なきゃ。何でだろう身体が言うことを聞かない。それよりもなんか全身が熱い。視界も悪いし、私、どうしちゃったんだろう。
「あの世へようこそ!」
「は?」
ちょっと待って。状況が意味不明すぎる+展開が急すぎる。この人誰?えーっと、確か部活でふらふらになりながら家に帰って、そのままベッドにダイブしたい気持ちを押さえながらお風呂に入って、そしたらなんか揺れだして、足がつるっと滑って転んで、そしてーあれ?もしかして私、死んだ?いやいやいやちょっと待って。でもそんなはずはない(と思いたい)。でもあの人は「あの世へようこそ!」何て言ってたし...ちょっと聞いてみるか。
「あの~、変なことを聞きますが、私って死んでますか?」
「ええ、死んでますよ。」
「そうですか。って、ええ!?やっぱりそうなんですか?」
「はい。そうじゃないと普通、私と人間が会うなんてことないですから。」
「え?あなたってもしかして...」
「はい。あなたが思ってる通り神様です。」
どうしようどうしようどうしよう。私、神様にたいして「は?」なんて言っちゃったよ。これ、結構無礼だよね。神様の権限を使って地獄送りになったりして...そう思うと一気に血の気がひいて顔が青ざめる。私は地獄送りになんてなりたくない。こういう時は...
「は?なんて言って本っっ当にすみませんでした。どうか地獄行きだけはご勘弁を~!」
こういう時はとりあえず謝罪。土下座で謝り、恐る恐る顔を上げてみる。すると、そこにあったのは笑いを必死でこらえている神様の顔だった。
「えっと、神様は何で笑ってるんですか?」
不思議そうにしている私をみて、神様はこらえきれなくなったのかついに吹き出した。
「ブッ!あはははははは!あ~おっかしい。馬鹿じゃないの。地獄なんて空想上のもの、あるわけないじゃないか」
神様も一応空想上のものだが、それは口にださないでおく。
にしても、この人、本当に神様なの?言動に神様らしさが微塵もないんだけど。それともこれが普通で、私の言う神様らしさが空想上のものというだけなのだろうか。
私が考えこんでいると突然上空に包丁が現れ、神様にめがけてものすごい勢いで落ちていった。頭から血が出てるよ。いたそ~。
「いったいなも~、何すんだよメフィア!?」
「何すんだよ、ではなく何をするんだ、と言ってください」
「わ!?」
女の人の声がしたかと思うと、急に目の前に秘書のような格好をした人が現れた。様子からして彼女が神様に包丁を落とした犯人だろう。
「現れて早々お小言かよ。お前、俺様になにしたかわかってんのか?」
「わかっております。それよりもギル様、様子を見に来てみれば呼び出した相手を笑うなど何を考えてるんですか。神たるものもっと......」
私は何を見せられているんだろうか。母親と反抗期の息子のやり取りかなになだろうか。まあとりあえずこの男の人は神様で間違いないっぽいけど、神様がこんなだなんて知りたくはなかった。
......にしても、この言い争い、いつ終わるのだろうか。メフィアさんの説教に神様が反発し、それをまたメフィアさんが説教し...と、終わりが全く見えない。これを待っていたら絶対日が暮れる。
「あの~すみません。ちょっと今の状況を説明してもらえないでしょうか」
「放置してしまってすみません 。今から説明します」
「おいちょっと待て!まだ…」
神様ーもといギル様の話を無視して メフィアさんは 説明を始めた
まず、私は死んだ。死んだ後 、普通なら記憶を消去されて別の肉体へ 転生するみたいだが暇で暇でしょうがなかった 神様が私を暇つぶしにここへ言うんだということだった。
...なんか ひどいな
「ギル様の遊びに付き合わせてしまって申し訳ございません。 お詫びに願いを叶えて差し上げます」
「それって何でもいいんですか?」
「大体のことでしたら何でも何個でもいいです」
や、やったー!!!!
それって つまり 漫画とかでよくある世界で無双する、とかできるんだよね。あ、でも無駄に目立つのは勘弁だわ。でも異世界と言ったらやっぱり 魔法を使いたいよな〜。
「それじゃあまず、私を記憶を持ったまま転生ーあ、やっぱ面倒だから異世界転移させてください。
次に、その世界に魔法があるのだとしたら私には与えてくれませんか?その魔法の才能を隠蔽 できるという能力も含めて。
あと好きなものを何でも出せるようにしてほしいのと〜、最後に、あらかじめその世界の常識がわかるようにしてください」
「分かりました。その程度なら問題ありません」
「本当ですか!?」
「ええ、本当です。」
よかった。異世界ってどんな感じなのかな ?やっぱ中世ヨーロッパ風なのかな?
「それでは転移させます。少々時間がかかりますが 1分ほど経ったらもうついているでしょう」
「分かりました ご丁寧にありがとうございます」
メフィア さんいい人だな。異世界に行ったらまず何しようとか考えていると不意にギル様から話しかけられた。
「特別に俺様と話すことのできる能力も付け加えてやった。感謝しろよ」
え、何そのいらない能力
「別にいりまー」
いりません と断ろうとした私は驚きに目を見張った。私の視界が突然ぐにゃりとゆがんだからだ。視界はさらにどんどん歪んでいき、ついには何も見えなくなった。
皆さん始めまして。みずくらげです。私としてはこれが初作品でおかしな点も多くあるでしょうがあたたかく見守っていただけたら幸いです。