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第三十四話 武装狩り

〈敵艦からカークス発進。数は6。なお、戦艦内で6機追加で起動しました。〉


「このまま逃げれば振り切れるかな?」


 セーマはアストレアの盾を背中にマウントさせる。


〈追跡される可能性アリ。カークス数機と残りの主砲を破壊すれば確実に追跡されないでしょう。〉


「戦うしかないか…なら、ビームライフルを拡散するようにして!」


 セーマはいつか見たアストレアの姿を思い出す。


〈ビームライフルを拡散スプレッドモードに変更します。〉


 その文字を確認したセーマは敵カークス…“エクスマッド”に狙いをつける。


「…っ!」


(撃てない…あのカークスにも人が乗っているんだ。ビームが拡散するって言っても、もしまた人を殺すんじゃないかと思うと…撃てない)


〈敵機射撃体勢。回避してください。〉


 エクスマッドからビームが放たれる。セーマはアストレアがビームに当たらないように回避しながらエクスマッドに向かって前進した。


「武器を使えなくすれば!」


 アストレアはビームライフルをビームソードに持ち替え、エクスマッドに接近すると武器を持つ右腕部を掴み、ビームソードで切り離す。


「これなら!」


 腕が切り離されたエクスマッドから離れると、他の五機がビームライフルを放つ。アストレアはこれも回避すると、次の一機へと迫った。


「二機目!」


 迫るアストレアに恐怖しているのか、反応が遅れているエクスマッドの腕を切り裂くアストレア。


「次!」


 アストレアは三機目のエクスマッドに近づきビームソードを振るうが、エクスマッドは盾でこれを防いだ。


「だったら!」


 アストレアがエクスマッドの盾を蹴る。


「アストレア!敵の武器だけを撃ち抜く!」

〈ビームライフルの出力を調整…完了。〉


 アストレアが放ったビームは体勢を崩したエクスマッドに向かって伸び…その手に持つビームライフルを貫いた。


「よし!後は…戦艦の主砲を壊して離脱する!」

〈ビームライフルの出力再調整しました。〉


 アストレアがビームライフルを戦艦に向けて引き金を引く。

 戦艦の主砲が全て消えたのを確認したセーマは戦艦に背を向けた。


「アストレア!ここから離脱する!」

〈了解。衝撃に備えてください。〉


 次の瞬間、セーマの体を圧力が襲う。しかしセーマはこれに耐え、エクスマッドの追跡も振り切ったのだった。


 ―――――

 ―――

 ―


「報告!敵カークスが撤退していきます!」


 その報告が響いた艦内に安堵の空気が流れる。


「な…なんだったのだ、あのカークスは。悪夢でも見ていたのか?」


 艦長は指令室に設けられた自分の席に背中を預けながら呟く。


「艦長、被害状況を報告します。我が艦は現在主砲三基が破壊され、カークス隊の内三機破損。奇跡的に人的被害は出ていませんが、かなりの損害です。補給基地まで後退するべきかと」


「分かっておる。この艦の状況では輸送船と同じことしかできん。それにしても、あのカークスは本当に何だったのだ?この周辺には味方しかいないはずだが…」



 指令室の扉が開く。



「艦長!一体何だったんです?今回の敵は!あんなカークス始めて見ましたよ!」


「カークス隊の隊長か。すまないが、あのカークスについて何もわかっておらん。…被害状況は?」


「エクスマッド三機が破損。その三機全て右腕だけぶっ壊されました。…移動には支障が無かったんでそのまま帰還させてあります」


「右腕だけだと?何がしたかったんだ、あのカークスは」


「さあ?予想よりカークスが多かったんで、それしかできなかったんじゃないすか?」


「本気でそう思っているのか?この艦の主砲のすべてを破壊し、カークスの右腕だけを破壊するような奴が?」


「冗談すよ。正直、それだけの腕前とカークスの性能があってウチにこの程度の被害しか出せないってのは可笑しな話です。どこかの貴族か、金と時間のある傭兵かなんかが遊びでやったんじゃないすか?」


「馬鹿げた話だが、強く否定できんのが辛い所だ。…こんな状況、なんと報告すればいいんだ」


 カークス隊の隊長が、艦長に憐みの視線を向ける。


「大変そうっすね、艦長も。少なくとも俺が報告を受ける立場だったら、『寝言は寝て言え』って言うっすね」


「何他人事だと思っているんだ?お前も一緒に報告してもらうからな」


「ええっ!?そりゃないっすよ艦長!」


「馬鹿めが!実際に戦った貴様の報告が大事に決まっておろうが!せいぜい寝言の内容を考えておくんだな」


「誰も死ななかったのに泣きたくなる戦闘後は初めてっすね…」


 隊長はトボトボと指令室から出ていった。


(まったく。…右腕と言ったな?奴が破壊したのは戦艦の主砲とカークスの右腕…奴の狙いは武器と兵器か?いや、だとしたら他のカークスが狙われなかった説明ができん。戦艦も、主砲だけが武装ではないのは知っておるだろうしな…隊長の言っていたこともあながち間違いではないのか?…ちょうど進路に我々がいたから、追われないために適度に被害を与えた?………考えても答えは出んか)


 艦長は深いため息をつき、少しの間現実逃避をするのだった。

“右腕を破損したカークス”が二機ではなく三機なのは、ビームライフルの爆発で右手がちょっと壊れたからです。

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