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第十九話 イザヤとバルホール

「暇じゃ。なんかないか」


 外の景色を眺めていたセーマにアイシャが話しかける。


「なんかないかって…トランプあるけどやる?」


「やる」


 ―――――

 ―――

 ―


「なんでこんなに強いの?」


「お主は分かりやすいからのう」


「でもババ抜きだけじゃなくてスピードとか神経衰弱とかポーカーとか、全部ボコボコにされたんだけど?」


「お主の運がないだけじゃ。諦めろ」


「セーマ君、そろそろ伊邪八がはっきりと見えてくる時間ですよ」


 セーマとアイシャの勝負を見守っていたオピスがそう声を掛ける。セーマは伊邪八の星を見るために窓に向かった。


「おー、綺麗な星だなぁ。」


 セーマから感嘆の声が漏れる。


「すごい青いなあ。ん?今何か光って…」


『そこの船、直ちに停止しろ!繰り返す。直ちに停止しろ!ここから先は伊邪八の星域内だ!』


「あれゴツイ銃持ったカークスだ…」


 ―――――

 ―――

 ―


 その後ナグルファのオペレーターと伊邪八のカークスパイロットが通信を交わし、誤解が解けたのか、カークスに取り囲まれながらも伊邪八の星域内に突入、伊邪八の軍港に着艦することができた。


「同盟国じゃないの…?」


「言ったじゃろ。相互不干渉程度の物じゃと。むしろ今回は数が少なかった方じゃ」


「カークス8機で少ないとか前回はいったい…」


「まあそんなことよりも私はこれから挨拶に行かんとならん。許可が出るまで艦内で待機になるじゃろうから、今のうちに休んでおけ」


「わかったよ。そういえば挨拶って誰に?」


明日和導あけひかずみち。この国の実質的なトップじゃ」


 それだけ言うと、アイシャはオピスを含めたナグルファクルーの何人かを連れてナグルファを降り、挨拶へと向かっていった。


 ―――――

 ―――

 ―


「さて……どうして戦うことになっているんですかね!?」


 セーマはパイロットスーツに着替え、ヘルメットを手に持ったまま近くにいるアイシャにそう言った。


「イザヤの代表との交渉がうまくいかんかったところをミカが打開策を出したんじゃ。諦めよ。それに、今のうちに休んでおけと言っておったし、戦えるじゃろ」


「こうなるってわかってて言ってたの…?」


「いや勘じゃ。同盟国と交渉しに行って模擬戦が始まるとか分かるわけないじゃろ」


「分かってる人がそれ言う!?というか本当に流れが意味不明なんだけど…」


「ならもう一度言ってやろう。代表に軍事的協力を要請したら奴がこれを拒否。そして資材を融通してもらおうとしたがこれも拒否というかものすごく少量のみ。恐らく伊邪八の戦力の低下や他国の戦力増強を防ぎたいのじゃろうが、こちらも引き下がるわけにはいかん。そうやって長話しておったらミカが発言しての。模擬戦で決めれば良いと一言。さすがに娘の意見を無視できんのか、こちらがそれで良いと言ったらしぶしぶ了承しておったわ」


「模擬戦で決めていい内容じゃないでしょ…」


「それだけ向こうは勝つ自信があるという事じゃろう。ああ、言い忘れておったが私は参加しないからな?」


「は?……え、なんで!?向こうはアイシャも含めて勝つ自信があるってことでしょ!?それはまずくない!?」


「お主なら何とかすると信じておるぞ。まあ安心せい。ナグルファの私に次ぐ実力者は参加するからの」


「安心まではできないんですけど?」


「まあ気楽にの。この模擬戦で負けたらバルホール帝国が戦争に勝ちづらくなるだけじゃ。」


「プ……プレッシャーーーーー。それ負けられないやつじゃん」


「なんだか可哀そうじゃし、一つだけ教えてやろう。恐らく相手はミカとミカの率いる部隊じゃが、()()()()()()()()()()()()ぞ」


「ん?それって…他の人は後方にいるってこと?無謀なんじゃ…」


「まあ戦ってみればわかる。私は昔一人で戦ったぞ」


「結果は?」


「?勝ったが」


 当然じゃろう?と言いたげな顔でこちらを見るアイシャ。とんでもないななど思いつつ、セーマはヘルメットをかぶり、アストレアに乗り込んだ。


 ―――――

 ―――

 ―


「さて、ずいぶん久しぶりな気がするな。まあちょくちょく中には入っていたんだけど」


〈アストレア起動。パイロット:セーマ・バランサ〉


 そのモニターの文字を流し見しつつ、セーマは出撃準備をする。


〈通信要請。識別信号:アメノオシ〉


「アメノオシ?何だろう」


 セーマは不思議に思いながらも通信を許可する。


『アストレアのパイロット、セーマ君だったかな?』


 通信の向こうから優しそうな男の声が発せられる。


「はい、セーマですけど…」


『おお。あってた。こちら“アメノオシ”のパイロット、クティス。クティス・レイストだ』


「クティスさんですね。何か御用でしょうか?」


『いや。一言挨拶がしたかっただけさ。アイシャ様と戦えるほどの実力、頼りにしているぞ』


「ありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします」


〈通信終了。〉〈通信要請:ナグルファ〉


 セーマは再び通信を開く。


『セーマ、聞こえておるか?言い忘れておったが、ナグルファのナンバー2はクティスという《《貴族》》じゃ。失礼のないようにな』


「早く言ってくれる!?もう通信し終わったんだけど!?」


 遅すぎるアイシャの言葉にさすがにキレるセーマ。しかしその内心は失礼なことを言わなかったかを考えていた。

 アメノオシ


 ナグルファの2番目に強い人の乗機。テンシュカと同型機。テンシュカと比べ機動力が高いが、パワーは弱めである。テンシュカに瞬間火力は劣るが手数が多く、複数の敵機を次々と倒す能力に長けているが、射撃武装の息切れは早い。武装は対カークス用大型ビーム刀「快晴」から対カークス用ビーム双刀「曇天」に換装され、ビームソードは撤去、ビームライフルを持たず、代わりにビームガンを二丁装備している。


〈武装〉


 対カークス用ビーム双刀「曇天」、ビームガン×2、内蔵ガトリング砲、脚部マイクロミサイル等。

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