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戦慄のオルケスタ  作者: Nacl16*8
創世紀
1/3

0001 闇と光の世界

《創世条件完了。空間安定状態良好。創世を開始します__》


暗黒の視界。

そこに移るのは、ぼんやりとした光だけ。

加えて、そこには柔軟剤とほこりを足して2で割ったような匂いが充満していた。

これが何なのかは、わからない。

私自身が何なのかも、わからない。

曇ったフィルターをかけられたようだった。

私は、自分自身の体を見た。

私自身は、光の玉となって浮遊しているようだった。

次に、私は、あたりを見回す。

光の玉が浮遊している。

色はすべて白いが、大きさはバラバラだ。

私の5倍もあろうかという大きさのものから、私の3分の1くらいのものまで。

私は、小さい方なのだろう。

これが何なのかはわからないが、どうにもこの退屈さだけは我慢できない。

なにもない空間。

誰の干渉もない。

私は、近くの光の玉に触れようとする。

前に進む。

動くのは問題ないらしい。

しかし、どうにも変な感じである。

光の玉にふれる。

感触はある。

視覚、触覚、嗅覚はあるのか…

ならば、味覚と聴覚だが。

味覚は、私自身に舌がないので確かめようがない。

いや、嗅覚があるというのだからたぶん味覚もあるのだろう。

しかし、鼻もないのにどうやって嗅覚を感じ取れるのだろう。

不思議に思うが、今はそれどころではない。

この暗黒の世界。

これから、どうすべきだろう。

この光の玉たちは、自我を持つのだろうか。

もしそれが自我を持ったら、コミュニケーションを取ることもできるはずだ。

私は、近くの光の玉に触れながら考える。

あたりを見回す。

なにか手がかりはないだろうか。

音。

そもそも、音とは何だったのだろうか。

自分は、音がどんなものかも忘れてしまったようだ。

なるほど。

音は、聞こえないと思ったほうが良さそうだ。

なら、ここでどうやって生きていこう?

次にやるべきことは、他の光の玉が自我を持つかどうかの確認だ。

ふむ。

おーい、こんにちは〜。あなた誰ですか〜。

まあ、そうだよね。

伝わるわけないよね。

うーん。

どうにかして意思疎通を図れないか。

その時だった。

遠くで、ぬるり、と大きめの光の玉が動く。

もしかしたら、自我があるのかもしれない。

私は希望を胸に抱き、その光の玉に近づく。

光の玉は、どうやら私には興味がないらしい。

そのかわり、他の小さめの光の玉に向かっていった。

大きい方の光の玉が、体を膨れさせる。

そして、それに気づいた小さい光の玉はその場をさろうとする。

序列的なものがあるのだろうか?

本当は、そんな生ぬるいものではなかったのだ。

膨張した光の玉は、そのまま小さい光の玉を取り込む。

最後の断末魔とばかりに、小さい光の玉は輝いた。

一瞬後。

そこには、先程よりより輝きを増した、大きい光の玉があった。

光の玉は、またゆっくりと私の方に進み始める。

まずい!!

私は全速力で逃げ出した。

にじみ寄る光の玉。

なんとかして、逃げないと_!!

この光の玉を抑える方法があれば__!!

でも、そんな都合の良い方法があるわけがない。

だったら、前に進むのみだ。

私は全力で、もう一度進み始める。

幸い疲れは感じないようだ。

光の玉であったことに感謝する。

だが、疲れを感じないのはむこうも同じようで、いつまでたってもこれじゃいたちごっこだ。

埒が明かない。

とりあえずなにか考えつくまで、走る!!

走れ、走れ、走れ__!!

そうだ、他の小さい光の玉を犠牲にすれば、私は生き残れるはず__

でも、そんなことして本当にいいのか?

いや、まずは生き残ることが先決!!急げ!!

そして最も近くの光の玉にたどり着く。

幸いそちらの光の玉のほうが大きかったようで、大きい光の玉は興味をそちらに移したようだ。

はぁ、はぁ。

よかった〜

しかし、ここで生き抜くのは相当難しそうだ。

私も、他の光の玉を食うしかない。

少し罪悪感はあるが。

仕方ない、やるしかない。

まずは生き残らないと!!

そして私は近くの私より小さい光の玉に歩み寄った。

さて。

歩み寄ったはいいものの、どうやって食うか。

あの大きい光の玉を真似してみよう。

体の内部をふくらませるイメージかな?

うーん…

いや、自分自身が意図的に大きくなるイメージ?

やってみよう。

大きくなれ!!

すると、視点が一気に上に上がる。

成功だ。

このまま、捕食!!

いけぇ__!!

バチン

はぁ?

弾かれたよ。

もう一回。

バチン。

痛っ。

くそっ、ならば包み込み作戦だ!!

少しぐらい、ダメージ負ってもかまわない!!

形を変えて…

よし、ダメージ覚悟で突っ込む!!

うおおおお!!

バチッ

痛い!でも行けそう!!

吸収!!

刹那、急に体が大きくなるような感覚。

やった!!

成功だ!!

《パリングエレメント:NONAME(エキストラ固体)討伐成功。exp100ゲット。Lvが3上昇。スキル『パリィ』獲得。》

は?

この世界、Lvとかいう概念あんの?

ってことは、ステータスもあるのか?


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