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私は罪なサキュバスさん  作者: ヒカラ美草
8/13

8.よしよし

 昨日は申し訳ありません。投稿が遅れました。


 「おはようございます!団長!....ん?この子が仰っていたミストちゃんですか?」

 「おはようエルデ。あぁ私の姪のミストだ。今は心労と旅の疲れで療養を取っているが、数日後にはギザベア辺境伯家の従者の一人となる。仲良くしてやってくれ」

 「はい!こんなかわいい子が職場にいるなんて、癒しが出来て最高です!」

 「ふふ....相変わらず朝から元気だな」

 「はい!元気が持ち味なので!」

 「ミスト、彼女はエルデ。私の部下だ」

 「よ、よろしくお願いします....」

 「よろしくねミストちゃん!」


 ルーゼと共に湯浴みをした後、朝食をとるために兵舎の食堂に向かう。

 その道中でエルデというルーゼの部下の方と出会った。


 茶色い猫毛の髪が印象的な女性だ。

 全体としてフワフワとした雰囲気を感じる。


 「エルデ、君はミストと同姓で、騎士の中でも一番歳も近い。何かとこの子を気に掛けてはくれないだろうか?」

 「もちろんです!故郷にもこのぐらいの妹がいますので、ドンと任せてください」

 「そうだったね。とても頼もしいよ」


 エルデ....十歳代中盤くらいか....

 その歳でルーゼと同じ騎士様だとは、とてもすごい御人だ。

 

 「団長たちは、これからどちらに?」

 「あぁ今からミストと朝食を食べようと思っていてね。食堂に向かうんだ」

 「おぉ!それは!私もちょうど今から朝食を摂ろうと思っていたところなんですよ!」

 「そうかい、ならばエルデも一緒に食べようか」

 「はい!ご一緒させてください!」


 そうしてエルデも一緒に食堂へと向かうこととなった。

 

 廊下を歩いていると、たくさんの人とすれ違う。

 鎧をまとった人、ラフな格好をした人。

 だが皆等しくルーゼに対して、明るく元気の良い挨拶をしていた。

 もちろんエルデに対しても、そして私にも挨拶をしてくれる。


 だがしかし、ここの人たちは男性が多い。

 男性と女性の割合が半々くらいだ。


 私たちの種族は男性がいない。

 だからだろう、私たちの村に男性はいなかった。

 でも人には男性がいる。


 それに皆、黒い尻尾や角、羽を有していない。

 私たちの村の住民は、ほとんどが三つともに持っていた

 まぁお母さん曰く、それらは他人に見らせないよう隠すことは出来ると言ってはいたが....

 だが唯一隠すことが出来ないと言っていた下腹部のピンクの紋は、先ほど湯浴みをした際に見たルーゼのお腹には見当たらなかった。


 それらのことから改めて自分たちが『人』ではないことを実感する。

 ルーゼたちは皆『人』なのだろう。

 では、私たちは何者なのだろうか?

 何と呼ばれる種族であるのか?


 妖精族で、耳のとんがったエルフ?

 同じく妖精族で、背の小さいドワーフ?

 フワフワとした耳と尻尾を持つ獣人族?

 ....どれも違うだろう。


 もしかして、本当に物語に出てくる悪魔だったりして....

 

 まぁそんな思考はくだらないものだ。

 これから屋敷で働くんだ。

 そのなかで調べていけばいい。


 ....でもなんだろう....

 挨拶していく人みんなが、私の頭を撫でていく。

 何でだ?不快ではないのだが....


 「こうあいさつと自己紹介ばかりしては、食堂までなかなかたどり着かないね」


 ルーゼが苦笑しながら、私の頭を撫でる。

 まただ。


 「あの」

 「ん?どうしたんだいミスト?」


 ルーゼがこちらに視線を向ける。


 「どうして皆さん、私の頭を撫でるんですか?」

 「ん?....どうして頭を撫でるのか、か....」


 顎に手を当てて考えるルーゼ。

 そうして再び手を私の頭の上に乗せた。


 「触り甲斐があるから....かな」

 「触り甲斐?」

 「そう....ミストの髪はフワフワで綺麗で、なんか可愛い。つい触りたくなってしまうのだよ」

 「はあ....」


 訳が分からない。

 まぁいいか。気にすることじゃない。


 「とはいえレディの髪を気安く触るのは野暮というものだ。すまない、今度から気を付けるよ」

 「いえ、別に止めてほしいわけではなく....撫でてもらえることは好きですから....」


 そういえばお母さんもお姉ちゃん達も、よく頭を撫でて褒めてくれた。

 思い出すと辛い。吐き気がこみ上げそうになる。

 だがきっと受け入れていくしかないのだろう。

 そうするしか、きっと私が生きていく活路を見出すことは出来ない。


 「そうかい?ではたくさん撫でよう。おーよしよしよぉし」

 「え?ちょ....そこまでは」

 「ミストちゃん撫でてほしいんですか?では私も撫でます!おーよしよし、可愛いな―可愛いなー」

 「まっ....エルデさんまで!?....」


 こうしてなんだかんだあり、私たちは食堂で朝食を食べた。

 

 

 

 



 


 

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