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私は罪なサキュバスさん  作者: ヒカラ美草
11/13

11.可愛い子にも衣装

 朝ご飯を終え、再び部屋に戻り、ある程度の身支度をする。

 ルーゼより朝食後から一日目、侍女の職場体験をするとのことなので、その準備をしていた。

 この後、一度兵舎の一階の広場でルーゼと合流してから、本館へ行き、メイド長に挨拶するそうだ。


 私は歯ブラシで歯を磨いて、口をゆすぐ。

 歯ブラシで歯を磨くことは、すっぱくて私は苦手だ。

 ....枝で歯を磨くことは許されないのだろうか?


 そんなことを考えながら、身支度を終え、部屋を出る。

 そして広場について待っていると、程なくしてルーゼが広場に来た。


 「おや、待たせてしまったかい?すまない」

 「いえ、私も今来たばかりですから。お化粧をされていたんですよね?とてもお綺麗です」

 「ふふ....私を口説きに来てるのかい?嬉しいね。ミストも今の時点でとてもかわいいから、化粧をすればもっと映えるよ。もう少し大きくなったら、私が化粧の仕方を教えてあげよう」

 「本当ですか?ありがとうございます」


 少し会話を交わした後に、ルーゼに促され歩き始める。

 そうしてメイド長の元へ向かった。


 ◇


 「初めまして、ミストさん。私はギザベア辺境伯家、メイド長のアイラと申します」


 屋敷本館、二階のとある一室で私たちは、メイド長と対面していた。


 黒く綺麗な髪を後ろでお団子にして、ヘアネットでまとめている壮年ほどの女性だ。

 メイド服を着てお辞儀をする様は、指先までとても洗礼されていて、思わず見惚れてしまった。


 「あ、あの....ミスト・ハインです。ルーゼの姪で....これからこちらでお世話になる....よ、よろしくお願いします!!」

 「大丈夫だよミスト、緊張しなくても。アイラさんはとても気の良い御人だ。怒るとまぁおっかないが」

 「ルーゼ殿。何ですかその言い草は....そのおっかなさを今ご覧になりたいのですか?」

 「いや全く。本当に止めてほしい」


 緊張しながら挨拶する私。

 その横で冗談?を言い合うルーゼとアイラさん。

 ....二人は仲がいいのだろうか?


 「こほん....改めまして、よろしくねミストちゃん。あまり緊張しなくて大丈夫よ。メイド長なんて肩書を持ってはいるけど、私はただのおばさんなんだから」

 「はぁ....?」


 硬い口調から一転、朗らかな笑顔で私に目線を合わせ、挨拶をするアイラさん。

 そのギャップに少し驚きはしたが、ルーゼの言う通り気の良さそう人で安心した。


 「今日は一日、侍女の体験よね?それならまず制服を用意しないと」


 立ち上がり、拳を腰に当て私を見るアイラさん。


 「ではアイラさん。ミストをよろしくお願いします。ミストも頑張ってね」

 「はい」

 「承知しました。ではミストちゃん更衣室に向かいましょう。子供用の可愛いメイド服を用意しないと」

 「ミスト、私は兵舎の団長室に居るから、何かあったらいつでもおいで」

 「はい、ありがとうございます」

 

 アイラさんに手を引かれ、更衣室に向かう私。

 ルーゼとはそこで別れた。


 ◇


 「可愛いぃぃぃ!!!!」

 「やっ止めてくださいっ!!!恥ずかしいですからっ!!!」

 「誰かっ!!シェヘル様お抱えの画家を呼んでっ!!この姿は今この時しかないかもしれないわよ!!残しておかないと!!!」

 「絵を描いてもらうんですか!?画家さんの描く絵なんて何時間で完成するんですか!?侍女の体験がそれだけで終わってしまいますよ!!?」


 そして更衣室。

 年の離れた女児と女性の叫び声が響いていた。


 アイラさん....こんな感じの人なんだ....

 ちょっとびっくり....


 「それもそうね....ではルーゼ殿だけにでも見せましょう!きっと喜んでくれるわ!」

 「いいですから!ルーゼもお仕事で大変でしょうから大丈夫です!」


 互いに肩で息をしながら、呼吸を整える。

 アイラさんは咳ばらいをすると、背筋を伸ばした。


 「ごめんなさい。メイド服の貴女が、とてもかわいいから取り乱してしまったわ。落ち着いて、冷静に行きましょう....因みに、四つの職種を体験してから、何にするか決めるのよね?」

 「はい、そうですが....」

 「ならば侍女をお勧めしておくわ。他を悪く言うわけではないけれど....きっと毎日楽しい日々を送れるわ」


 微笑みながら、アイラさんはそう言う。

 その瞳には、完全に私情が入ってるのが窺えた。

 

 






 

 




 

 


 


 


 

 ここまで読んでくださり、誠にありがとうございます!

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 もちろん★×5でなくとも構いません。評価してくださるだけで、誰かが見てくれてる!と嬉しくなり作者の励みになります。

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