確率と証明の遊び相手
おい、次はお前の番だぞ。
神様は明らかに不機嫌な様子で僕にサイコロを渡す。
盤上にあるすごろくの2つの駒は、約30マスは離れており、僕の駒はもう3マスでゴールだ。
神様は僕の手にあるサイコロを凝視している。
何とか2以下の数字を出して、神様の機嫌を直さなければ。
しかし万能だと思っていた神様の、このサイコロの振りの弱さは何なんだ?
ねぇ、あなた私が隠れているところ見てるでしょ?
悪魔は明らかに苛立ちながら私を睨む。
かくれんぼの親を交互にやっており、次は私が隠れる番だ。
悪魔は私の視線を凝視している。
何とかわざとらしくなく、見つかりそうな場所を探し、悪魔の機嫌を直さなければ。
しかし万能だと思っていた悪魔の、この見つけやすさは何なんだ?
そう、すごろくを。あなたも大変ね、
いや、きみのほうこそ、かくれんぼの相手を。
そしていま、その困った悪魔と神様は何を言い争っているの?
何か、どっちが万能かで揉めているよ。
下らないわ。まぁ、どちらかと言えば悪魔かしら。
いやいや、どう考えても神様だよ。
は?どうせ人間ごときにしか、敬ってもらえないじゃない。
おい!あんな気持ち悪い生き物を例にだすなよ。
あっ、ごめんなさい。確かに言い過ぎた、人間なんかを持ち出すなんて。
いや、こっちこそ。ビックリしてつい、怒鳴ってごめん。
あ、私を呼んでる。怒って帰るみたい、じゃあまたね、ジカン。
うん、何だかんだで神様も待っていると思うから。また遊びに来てね、ヒカリ。