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第14話 今後の話し合い 4

「それで、肝心の目的地はどうするんですか?」


「うーん、どうしよっかねー。カティアは行きたい場所とか何かある?」


 リサラから質問を受けて、俺は隣に座っているカティアに話しかける。


 3人一緒で王都から出て行く事になった俺達だったが、肝心の目的地がまだ決まっていなかった。

 今はそれを決める話し合いをしている所である。


「行きたい所ですかー……。なんか改めて聞かれるとあんまり浮かんでこないものですよね、こういうのって。ほら、あれですよ。今日は何を食べたいかを聞かれた時みたいな」


 確かに言われてみるとそうかもしれない。


「じゃあ候補を軽くあげてくから、そこから選んでよ。とりあえずの候補としては、ダンジョンがある冒険者の町オルファン、港町のフェリトア、農業の町パルヴァン──」


「パ、パルヴァンだけはやめておきましょう! あそこは家畜と畑以外本当に何もありませんから!」


 候補があれば決めやすくなると思って目的地の候補を指折りしながら挙げていると、パルヴァンの名前を出したところで突然リサラが慌てた様子で声をあげた。


「パルヴァンについて詳しいね。リサラはパルヴァンに何度か行った事あるの?」


「っ……! あっ、いえ、べっ、別にパルヴァンに詳しい訳では……!」


 カティアの言葉に一瞬しまったという表情を浮かべ、かなり動揺した様子でリサラが視線を彷徨わせる。

 事情はよく分からないが、リサラはパルヴァンにはどうしても行きたくないらしい。


「なら、パルヴァンは候補から外そっか。カティアもそれでいい?」


「私も別にそれで構いませんよ。私はセンパイに付いてくだけですから」


「それじゃあ、目的地の候補は冒険者の町オルファンか、港町フェリトアのどちらかって事になるね。2人はどっちの町に行きたい?」


 気を取り直すように、俺はカティアとホッと安心した様子のリサラに話しかける。


 あげようと思えばもう少し候補はあげれたが、個人的に行く気が起きない町や国だったので省略した。2人が何も言ってこないし、何も問題はないだろう。


「のんびりするならもうフェリトア一択じゃないです? オルファンはのんびりとは正反対で、なんだか色々と忙しそうなイメージがありますし」


「それじゃあ、目的地は港町フェリトアにしよっか。俺もオルファンにはあんまり行きたくなかった所だし。リサラもそれで良いかな?」


「は、はい! 私も異論ありません」


 こうして、俺達は港町フェリトアに向かう事が決定した。

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