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異世界よ、これが無職だ!〜災厄の魔女と始める異世界無双〜  作者: 湊カケル
3章 外遊~禁忌な二人は自重しない
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77話 無職は蹂躙する 壱


「よっわ」


これが正直な感想。

騎士団のやつらでももう少しまとも……いやあの時はマナが切れかかってたっけか。それに複数だったし。

それでもまぁローリーの方が全然強い。


なんかちょっと拍子抜けだ。


……なんて呑気に考えて待ってたら煙の中でランダが動きはじめた。


「ようやくか」


意図せずため息がもれる。


「……き、きさま、お、俺に、な、何を……したァッ!?」


「……いやなにも?」


「そ、そんなわけないだろう!!でなければ俺が吹き飛ぶはずがないだろう!!」


……吹き飛ぶはずが無い?

何を寝ぼけたことを。


「ほんとだ、俺はただお前があまりにも遅いから拳を受けてやろうと移動して受けただけだ、いやーそれにしても予想外だったなぁ」


「ッ!? 何がだァッ?」


「……お前弱すぎないか?これで本当に勇者の教育係なの?なんかあれだな、随分ご大層な肩書き持ってるのな。勇者の教育係ってこの程度でなれるんだな」


「……調子に乗るなよクソガキが、今度は油断しない」


どうやらさっきは力を出し切れていなかったというのは本当らしい。

確かに攻撃が速くなった。

攻撃も単調にはならず、次の動作へと流れるように繋がっていく。そして拳には黒いオーラのようなものまで纏っていて彼が殴った木がが抉られるように切り抜かれている。


まあただ言えることとしたら……。


「なんだ、あれだけ大層なことを言った割に1回も攻撃を当てられないじゃないか?そんなんがお前の本気なのか?」


「……だまれぇぇ!!なぜ当たらんッ!?」

「はぁ……あ~拍子抜けだ。こんな弱いとは。イシュバルなんて所詮こんなもんか。あ。それともあれか? 多額の金でも掴ませてその職に成り立ったのか? ん? それならありそうだなぁ、あの国腐ってるもんな、」


玲夜はそこで言葉を止め、消えた。


「なッ!?」


実際には消えてはいない。

玲夜にとっては普通に移動しただけ。

ただランダにはそう見えた。


「…………なぁそう思うだろ、ランダ?」


ついで声が聞こてきたのは自身の後ろーー

慌てて振り向き拳を出そうとした瞬間。


「ほら、お前も体験してみろよ? さっきお前が笑ってたデコピンだぞ?」


デコピンされた。  


「ッ!?ぶひゃぁぁっ!?」


みっともない声を挙げながらランダは勢いよく後方に吹き飛び木々を薙ぎ倒していく。


「あ~、山の一部が禿げちゃったなこりゃ」


玲夜とゼニスはランダが倒した木々に向かってゆっくりと歩いていく。


「地球でやったら森林破壊だ~とか言って非難轟々だなこりゃ」


ま、関係ないけどと付け加え、「あはははッ」と玲夜は嘲り笑う。


「これじゃどっちが悪人か分からないわね」

「別に善人になるつもりそもそもないからな、……おーい?」


ランダの動く気配がしない。


「なんだ?死んだか?」


玲夜がゆっくりとランダへと近づいていく。

だがピクリともしない。


「そんな強くやってないんだけどな~、予想以上に弱かったのか?」


ランダの前で特に警戒もせずうんうんと唸る玲夜。


「…………ふっ!」


気絶した振りをしていたランダが警戒していない玲夜に向かって拳を振り抜く。

確かな感触を得る、いや当たるはずだった。

だが予想に反して拳は空を切る。


真正面にいたはずの玲夜がいつの間にか横へと移動していた。


「やっぱ起きてたよなぁ、うん知ってた」


「ならなぜ気づいていないふりをしたッ!?」

「いや特に理由はない、ただ驚いた。まさか近接戦闘をするやつが、しかも勇者の教官ともあろうものが! 不意打ちのような卑怯な手を使って敵を、しかも自分が見下していたやつにするとはなぁ」

「……貴様ァッ!?」

「おいおい、ランダさんよォ。 卑しいな、惨めだなぁ、醜いなぁ。 そしてそれをした上で今お前は泥にまみれ、転がっている。…………あはははッ、簡単に言ってお前もう人間として終わってね?」


言葉が終わると同時にランダはまた吹き飛ばされた。


「……グァァァァッ!?」


吹き飛ばされても今度は、ハァハァ、と荒い息を立てながらも何とか直ぐに立ち上がる。

それとも気絶の振りも意味ないと悟ったか。


「…………ふ、ふざけるなよ小童がぁァァァっ!?」


お、叫びにも張りが出てきた。


「いいだろう、貴様の力が強くなったことは認めよう。だがお前が威勢よくいられるのもここまでだからな!」

「…………お、おう」


あそこまでやられた上であんなこと言えるのは凄いな、そこだけはすごいと思う。 ちょっと引いた。

鋼の心なのかな?


「で、どうするんだ?」

「…………来い、我が盟友【バジリスク】よ。共にかの暴虐を噛み殺してやろうぞ!」

「…………!?」


多分【バジリスク】ってのはあの黒いオオトカゲのことだろうな。

今まで沈黙してたから放っておいたが、奴が叫ぶと同時に俺に向かって思い切り爪を振りかぶってきた。


「おっとっと」


「よく今のを避けたな。だがここまでだ!!」


「…………さっきから何回もおなじ台詞聞いてる気がするんだが?」


「ふっ、いつまでその余裕を保っていられるかな?」


「お前こそな」


ニヤリとまた気持ち悪い笑みを奴が浮かべ初めた。

さすが鋼の心。諦めが悪い。

諦めたとしても結果は変わらんけど。


「この山に篭ってようやく完成した我らが奥義。この切り札を見せるは貴様が初めてだ、その栄誉を胸に抱きながら死ぬと良い。…………まあ簡単には貴様もそこの雌も殺さんがな」





『人獣融合』




奴とオオトカゲを中心に大量のマナが吹き荒れた。

すいません遅れました。


いつもお読みいただきありがとうございます。


そのままブクマ、感想など頂けると嬉しいです!!


また画面下の「☆☆☆☆☆」を「★★★★★」にしていただければ作者は飛び跳ねます。


誤字脱字報告いつもありがとうございます、めちゃくちゃ助かってます!!

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