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異世界よ、これが無職だ!〜災厄の魔女と始める異世界無双〜  作者: 湊カケル
2章 2人の世界~禁忌な2人は力を得る~
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56話 無職はボスへ挑む④ー一縷の望み

更新増やすとか言って遅くなってしまい申し訳ない……

 

 そのまま闇雲に突っ込もうとした瞬間、勢い込んだせいかはたまた左手をなくしバランス感覚がずれたせいかは分からないが、とりあえず俺は地面につんのめって顔面を強打する。


 「……つぅぅぅぅぁ」


 今の俺には{身体強化}{軽量化}{半狂戦士化}{常時回復}がかけられているため顔面のけがは治る。

 しかし俺の左腕が治る気配は一向にない。

 流石にそこまで常時回復は万能じゃない。


 が転んだおかげで頭が冷えて少し冷静になる。

 そして分かる、この状態じゃ確実に負ける、それはもう圧倒的に負けることが。

 さっきまでもギリギリで負けてたのにその相手が更にパワーアップしたんだからこのままの状態じゃ勝てなくなるのは自明。


 とはいってもこっちには既に打てる手はないに等しい。

 そもそも金巨人と闘うのは守護者を倒した後のはずだった。


 ……守護者は今も倒してるか。

 いやそうじゃないっ!俺とゼニスで守護者を倒してレベルを上げてから二人で挑むはずだった。しかも一発目の奇襲で大ダメージを与えて、それを足掛かりにして戦って勝つ。

 それが当初の計画、それだけが勝てる唯一の可能性とゼニスも考えていた。

 しかし現実は最悪のタイミングでの金巨人の乱入、しかも事前情報にはなかった【覚醒】までありやがる。


 「現実はうまくいかねぇなぁ……」


 って皮肉を言ってる場合じゃねぇ。

 血が足りないせいか、なんか思考がどうでもいい事へと飛んで行っちまう。

 さて、どうするか。

 今の俺に出来る中で考えないと。

 並列思考も活用して、金巨人から攻撃を警戒しながらも解決策を考えていく。

 その結果――――


 「うん、ねぇな」


 一旦別視点から考えるか。

 なぜ金巨人は今この瞬間、「目からビーム」で打ってこないんだ?

 あれをそれこそ、雨霰のように打てば俺なんて文字通り、木端微塵だろう。


 と、すれば何発も連続して撃てないと考えるのが妥当じゃないか、多分だが撃つためのクールタイムみたいなのがあるんだろう。

 その理論でいけばあの漆黒の鎧にも何かデメリットがあると考えて動いてみるのもありじゃないのか?


 そう考え始めれば、自分がやらなきゃいけないことが徐々に明瞭化してくる。


 最優先は俺が死なないこと。

 最善なのはこのまま俺がこいつを倒せること。

 最低限の目標はゼニスが起きるまでにこいつの情報を可能な限り取る事、金巨人の弱点の一つでも見つけておく事。


 とは言ってもこのままの俺の状態じゃ情報を取るなんて碌にできやしない。


 ってこのままじゃ話が振出しに戻っちまう。

 いやそうでもないか、死なない程度に頑張ればいいわけだ。

 そして死なないためにはあいつの攻撃を受けきる防御力とかが必要になってくるが、それはさっき左腕を吹き飛ばされたことから無理なのは明らか。


 てことは必然的に攻撃を受けないようにしなきゃいけない。


 「後先なんて考えずにやるしかないか」


 今までは今後のことも考えてリスクをなるべくこれでも取らないようにやってたがもうそんなこと言っている場合じゃない。

 でも身体強化をするにしてもこれ以上やると全身が痛みでまともに動くどころじゃなくなるし、どうすっか。


 あぁ、痛みで頭が朦朧とする。

 このまま気絶すれば痛みとか全て忘れるんだろうか、ははっ、こんな現実逃避的な考えなんて意味がなっ……………いや待て、ちょっと待て。


 やってみる価値はあるんじゃないか。

 過去を思い出せば、死ぬ気になった時にそれは現れた、まぁ一部例外はあったが……。


 いや俺あほなのか?

 死なないために死ぬ気で戦うって矛盾してないか?

 現れる可能性はかなり低い。もしかしたら1パーセントの可能性もないかもしれない。

 でも、0ではない。

 ならやってみる価値はある。

 というかどっちにしろ目の前の金巨人と闘うことには変わらないんだ。


 いや、今は金じゃないから漆黒金巨人なのか?

 ……うん、わけわからんな。


 さってと行くか。


 「{身体強化}{身体強化}{身体強化}{身体強化}{身体強化}{身体強化}{狂戦士化}」


 玲夜が考えたことはバカみたいに単純。

 身体強化の上掛け。


 前にゼニスにやろうとしたら止められたもの。

 その時は危険だからと言われ止めたが今はそんなことも言ってられない。


 魔法を付与していく度に力が倍々になっていくのが分かる。

 それと同時に知覚する、あぁこれはやばい、と。

 だからこそ――――


 「ははははっ」


 玲夜は笑う。

 

 これで俺はこいつとまだ戦える、と。



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