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異世界よ、これが無職だ!〜災厄の魔女と始める異世界無双〜  作者: 湊カケル
1章 追放〜翻弄され続けた男は自由を渇望する〜
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6話 無職は事実を突きつけられる


 「ブランさん。 先にお聞きしておきたいことがあります。」


 王の執務室から出ると、柊はブランへとそう話を切り出した。


 「)(*^%$%&*(*&^%$」

 『なんだ?』

 

 「わたし達は先程も言った通り今はこの世界の知識などがなにもわからない状態です。 その上でまず知りたいのは私たちのステータス、特にジョブ、職業についてです」


 このことを聞くことは昨日から決まっていたことだ。

 この疑問、本来は俺が率先して聞くべきなんだろうが、生憎と俺の言葉は通じないためこの4人のリーダーみたいな立ち位置の柊が代表して質問中である。


 「)(*&^%$$%^&*(*&*&^%$$%^&*&^%$#@@#$%^&い&^%*(*&^%$#@!@!@#$%^&^%$##$%^&*&^%$%^&*(」

 『ふむ、もっともな疑問だな。 いいだろう、そのことも後々説明することにはなるが、その導入として聞いてくれ。

 まずステータスか、あれはすごく簡単に言ってしまえば自分の体力などが数値化されていると言える。

 例えば物攻ならば物理的にどのぐらいダメージを与えられるのか、物防なら物理的な防御力だな。 耐性は各種異常、例を挙げるなら毒とかへの耐性。 敏捷値はそのままスピードとかと考えてもらってもらっていい』


 なるほど、ステータスについては俺たちの予想通り、基本的に俺たちが昨日考えていたものと同じみたいだな。 だから本当に重要で聞きたいのははここから、主に『ジョブ』についてだ。


 「#$%^&&^%$#@!@#$%^&*()(*&^%$#@#$%^&*()(*&^%$##$%^&*(*&^%$#$%^&&^%$##$%^&^%$#$%^$#$%^&%^&^%^^%$%^&*&^&*&^&^%$%^&^%$%^&^%$%^&*&^%^&*&」

 『ジョブも特に難しいという訳ではない。 これはその人に合った職業だ。 このジョブは自身のステータスの上がり幅などにも影響する。 騎士だったら物攻が強くなりやすいとかそう言った感じだ。 逆に魔攻などが上がりにくくなる訳だが……。 まあ、もう職業が決まってしまっているからそれは受け入れてもらって自身にあった力を上げていくことになるだろう』


 まあ、これも予想通りだ。 そうでなければ秋人と夏希のステータスの差とか説明できないしな。 


 「それならジョブを変える事とかは出来たりしますか?」


 頼む、出来てくれっ! 出来てくれないとマジできつい。 ステータス差が他の奴らと比べてヤバすぎる、戦いとかになったらまず真っ先に死ぬのは俺になるだろうからな。


 ブランは一瞬思案顔になる。

 

 なんでだ? そこで間を開けるのはいやな予感しかしないんだが……。


一拍間を開けて口を開く。


「$$^&*()(*&^%$#@」


 あ、言葉わからないんだった。

 桜が訳してくれるのを待つ。

 だが、中々訳してくれない。 もうその雰囲気だけで分かってしまった。 桜がとても言いにくそうな顔をしているし。  なら言わせる必要もないだろう。


 「そっか、ジョブチェンジは出来ないんだな」

 「……はいそうみたいです」


 そっかぁ……やっぱ無理かぁ。 でも予想していたことだし。 もし出来るならば王様も俺に勧めてくれたはずだとは思っていたんだ。


 「みんなそんな申し訳なさそうな顔しないでくれよ、大丈夫だから。 ただゲームみたいな初期ブーストがなかったってだけの話だ。 もしかしたら大器晩成型のジョブかもしれないだろ?」


 明るい口調を心掛けて話す。 それは彼らのためだけじゃなく、自分自身のためにもだ。

 

 そう、世の中には大器晩成する人だっているんだ。 だから絶対に俺のジョブがそうではないとは言い切れないはずだ。


 「##^&*#&*(&&*$#@^%$%*(」

 『そうだな、今までに君と同じジョブのものはいないからそうかもしれないな』


 珍しく快活にブランが笑う。

 俺には分かってしまった。 その笑みが俺を気遣うためのものだってことが。 なぜならその笑みは俺が地球にいた時に散々向けられてきたものだったから。 上司に成果を横取りされた時にも、責任転嫁された時も、同じ目線を同じように向けられたからな。

 本当に……そういう風にみられるのは嫌いだ。


 「はは、そうですよね! こっから頑張ってやりますよ!」


 だから俺も笑う。 笑ってやる、そうして俺は今までも相手を、自分自身を騙してきた。

 さも気にしていないかのように、イタイやつと柊たちに思われないように。


 「ああ、その意気だぜ!  諦めなけりゃなんとかなるもんだ!」

 「大丈夫ですよ! 一緒に頑張っていきましょう!」

 「そうだよ、強くなろう!」


 秋人に、桜、柊が肩を叩いたりしながら励ましてくれる。 高校生の彼らにできる精一杯の気遣いだろう。

 だから笑う。

 そんな俺らの様子を何故か夏希は1人、冷めた目で見つめていた。


 「あ、ブランさん。 もう1つお聞きしたいことが……」


 そう言って、柊たちが先に進んでいく。

 遅れているのは俺と夏希の2人だけ。


 「ちょっと待ちなさいよ」


 夏希も柊達に追いつこうと小走りで俺を追い抜いていく。 俺の横を通り過ぎるときにぼそりと彼女がつぶやいた。


 「あなたも大変ね」

 「え?」


 それが俺に向けていったのかはわからない、自身の感想がポロリと出たのかもしれない。 だがその声音には柊達の励ましとは違う、なにか違った意味合いを感じた。 それはまるで同情されて大変ね……みたいな意味合いに。


 「ちょっとまって」 

 

 まぁ次の瞬間には俺の制止も聞かずに、いつも通りのめんどくそうな、それでいて不機嫌な表情で柊たちの和の中へと戻っていったが。


 「何だったんだ? 今のは?」


 それから数十分、彼女の言葉に頭を悩ませたが彼女の意図を推し量ることは出来なかった。

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