52話 魔女と守護者②
お久しぶりです。
すみません今回1話がかなり短いです。
今日の19時過ぎにもう1話出してきりよくますのでご容赦を……。
次からは普通の文字数に戻ります。
氷結柱が破壊されると同時に起きた爆発に乗じてゼニスも姿をくらませる。
「後ろよ」
言うや否や、ゼニスは氷長弓空超高速の矢を幾本も放っていく。
しかし最初の矢は守護者が放つオーラのようなものを少し破ったところで弾かれてしまう。
「自分の有り余るマナを周囲に放出し濃密な結界を張ったの?私の魔法を受けて成長した……?いえ進化と言うべきかしら」
さっきまではこんなややこしいものは無かった。
これにはゼニス自身思わず苦笑してしまう。
「ちょっとそれはずるくない?いえ、これを作り出した過去の私をほめるべきかしら?」
しかしこの結界も完璧ではないらしい。
ゼニスが放った矢は結界を削れている。
なら――
「同じところに打ち続ければいいのね」
それはまさに弓最大の長所、貫通力を前面に押し出した戦法。
一本でダメなら十本放てば壊せる。
作戦としては至ってシンプル。
だが言うは易く行うは難し。
しかもこれを仲間の援護なしでやらなければいけないため難度は更に上がる。
(まぁだからなんだという話ではあるのだけれど)
やらなければ待っているのは死だけなのだ。
矢を番え、縦横無尽に高速で動きながら守護者に向かって矢を放っていく。
一回の攻撃でこちらは矢を二桁以上射っている。
その甲斐もあってあっという間に守護者の結界はどんどん削れていく。
「はぁはぁ……」
しかし対照的にゼニスの体力とマナも急速に減っていっている。
それも無理もないこと。
同じ場所を射続けると言うのは一寸の狂いも許されない精密なもの。
それでさえ難しいというのに、守護者の攻撃を避けるために超高速でゼニスは動き回っている。
それでも全ては避けきれておらずゼニスの身体もどんどん傷ついていってる。
だからこそ思う。
最初に守護者の片腕を落とせていて本当に良かったと。
不意打ちでの渾身の一撃。
あれが無ければ私は今戦えていなかった。
今でさえかなり無理をして互角に持ち込んでいるのだ、万全の状態だったらどうなるのかなど想像に難くない。
そして何時間とも思えるような数分を戦って唐突にその時は訪れる。
―――――――――パリン。
この戦いの場に似つかわしくない軽快な音が鳴り響く。
ゼニスの胸中に去来するのは高揚感ではなく疲労感。
この場に玲夜がいたら『もう若くないもんな』とか言いそうだ。
まぁ言われたら氷殺するけど。
そんな他愛ないことを考えながら今日何度目か分からないため息をつく。
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