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異世界よ、これが無職だ!〜災厄の魔女と始める異世界無双〜  作者: 湊カケル
2章 2人の世界~禁忌な2人は力を得る~
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47話 無職の嫌悪

あけましておめでとうございます。

更新遅くなり申し訳ない……。

 

 結果から言おう。

 俺のアイデアは却下された。

 理由はいたってシンプル。


 「広すぎるから」


 ゼニス曰く出来ない訳ではないらしい。

 出来ない訳じゃないんだ……と俺が驚きに包まれたのは想像に難くないだろう。


 んで、出来ない訳ではないがやるとさすがに疲労困憊状態にはなってしまうらしい。

 生憎とこの階層は休める場所もないし、ついでに先に進むのにゼニスが創った氷を破壊するという手間もできてしまう。


 言われれば確かに安直すぎたなと、納得である。


 「……ただ全部を氷結させるのはきつくても自分たちが通るところだけ凍らせそこに穴を開けて通るのはありかも…………やらないけど」

 「やらないのかよっ!」

 「ええ、今回は。 使えるときがあればそうしようってこと」


 ということでとりあえず俺の案は未来へと持ち越されたわけだ、活躍の場が予想できないが。


 「ってなるとまた考え直しかぁ」

 「……え、なんで?」


 ゼニスの顔はきょとんとしていて心底訳が分からないという表情をしている。


 「……な、なんでって俺もゼニスもアイデアがないんだから当然考え直しだろ?」

 「私無いなんて言ってないけど?」

 「……はぁ? でも俺が聞いた時「アイデアはないって」――」

 「言ってないけど?」


 ……は? そんなわけ……うん。言ってねぇな、沈黙してただけだわ。

 沈黙は肯定なりっていうけど、そゆこと!?

 アイデアあるよってことなのかあの沈黙は、そんな使い方始めて聞いたんだけど!?


 はぁもういいや。


 「……えーっとそれでどうすんの?」

 「私は水呼吸、あなたは風の魔法で自分の周囲を空気の膜でも作って囲んだらいいんじゃない? 私の水牢の風版って感じかしら」


 水牢っていうとあの水球のこと?

 言われた通り魔法を実行する。

 自分で魔法を喰らったおかげでイメージは完璧。


 「ん~、こんなもん……か?」


 とりあえず球状の魔法は出来た。

 風の魔法だし『風牢』ってところか、それはいいんだけど……



 「……大きすぎない?」

 「……だよな?」


 半径50メートルぐらいあるもんな。



 「ま、まぁ行こうぜ」

 「もう少し小さくしたら……ね」

 「……了解」



 *


 とうとう第80層へと突入した、まぁつまりボスの層だ。

 風牢の中から見る景色はとても濁っていてものすっごく汚い。

 至近距離のゼニスの姿でさえ霞んで見える。

 だから敵の姿も残念ながらと捉えられていない、()()()()()()

 

 「コバンザメみたいに小さいのが5000匹くらいか?」

 「アクアシャークね、そしてその後ろにセイレーンもいるわね」


 セイレーンとは上半身が人間っぽくて下半身が魚というモンスターのことである。

 戦闘力自体もさることながら自分の配下の力を底上げする(バフ)ことが出来るやつらしい。


 「最初、この層にいるアクアシャーク1000匹って言ってなかった?」

 「繫殖したんでしょ」

 「……神秘だなぁ」

 「……神秘ねぇ」


 井戸端会議の叔母さんのように話ながらモンスターを殲滅していく。


 「にしてもこいつら本当にエンチャントされてんのか?強さが40ー50層くらいのモンスターと一緒だぞ?」

 「……それ一匹の話でしょ?」

 「ん、そうだな? ってああ、そゆことか、数の暴力ってことな?」

 「そ」

 「5000匹の群れで来られたらって考えれば普通に脅威か……ほんっと嫌いだよそういうの」

 「……玲夜?」


 数の暴力っていうのか?

 最も狡猾で残忍な方法。

 そして一番むかつくのが最も効率的だということ。


 「死ね」


 アクアシャークは俺らの周囲を旋回しており、その後ろに大きな個体、そして1番後ろにセイレーン。

 まぁまんま人間社会の構図みたいなものだ。


 「エアランス」


 風の槍がアクアシャークへと突き刺さり敵を絶命させる。


 「これだと効率悪いか……」


 「{破壊}{毒}{斬鉄}{雷神}を長剣に付与」

 「{身体強化}{忍耐}」


 ゼニスが魔法で氷殺していない奴らを殺す。

 俺は長剣を一閃して十数体を一挙に葬っていく。


 一閃、二閃。


 一太刀ごとにアクアシャークはその数を減らしていき、元々汚かった水はコバンザメの血でより濁っていく。

 5分もしない内アクアシャークは2割ほどを削られ辺りの水を深紅に染め上げている。


 「ピィィィィィィィィィィ」


 後方からの鳴き声を合図にアクアシャークたちは旋回するのをやめ1方向へと集中させていく、それはまるで何かの力を結集するかのようで。


 「合体技、アクアウェーブってことか」

 「…………ネーミングセンスは置いといてまあそんなとこでしょうね、結構大きなマナも集まってるし」


 数によるごり押しか、芸のない、いやモンスターにしては賢いともいえるか。

 それが余計に腹立たしい、虫唾が走る。


 「……死ね」

 「ピェェェェェェェ」


 セイレーンの鳴き声を合図にし結集したチカラが向かってくる。

 それを俺はエアランスで迎撃しようとしてやめる。

 

 「……いや範囲攻撃ならこっちだな{風鎌}」


 キィィインという音を鳴り響かせながらアクアウェーブと激突。力が拮抗しているのかどちらの攻撃もつばぜり状態に。

 しかしそれもつかの間のこと。

 すぐに風鎌は打ち消されてしまう。


 「……あららやっぱ1発じゃ力負けするか」


 後1秒もすればアクアウェーブは自分のところまで到達するだろう。

 俺は長剣をいつも通り構えそして力を込めて振り下ろす。


 今度は力が拮抗するなんてことは無い。

 ただ文字通り水が割れ、その後ろの敵まで一匹残らず真っ二つにしただけ。


 戦闘が終わったので後ろのゼニスを見てみれば何かを思案しているらしい。


 「どうした?」

 「…………え?」

 「いや、こっちみてたからどうしたのかと思って……」

 「…………いえなんでもないわ、それよりも次行きましょう」

 「確かにこんな空間一刻も早く抜け出したいしな」

 「それはあなたがこんな倒し方するからでしょうに」


 それはまぁしゃあない、うん。

 あ、汗かいたし後でファブリーゼで消毒しないと。


 そんなことを考えながらいつも通り俺たちは進んだ。

 

そろそろ第二章も終盤になってきました。


面白いと思っていただけたら評価の方、してもらえると嬉しいです。

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