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異世界よ、これが無職だ!〜災厄の魔女と始める異世界無双〜  作者: 湊カケル
2章 2人の世界~禁忌な2人は力を得る~
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43話 魔女は過去を夢見る②

一か月ぶりとなってしまいました。

すいません……

 

 「ここは……」


 目の前には5人の男女。

 昔はよく見ていた面々、そしてその中には当時の私もいる。


 「つまりここは幻術の中ということね」


 彼らは私がここに閉じ込められる一端、いえ直接的な原因を創った人たち。


 「ねぇ、あなたは本当にこれでいいの? 今からでも遅くはないんじゃない、今からでも――」

 「今更何を言ってるのミリャ、その話は今までだって何度もしたじゃない」

 「それはそうだけど…………、でも私にはこんな方法はやはり…………っ」

 「私たちが平気でこんなことをしているとでも言うつもり?」


 聖女であるミリャの言葉に斥候役を務めるアミが悲痛()()()顔を浮かべながら言い返す。


 そう、そういえばこの時ミリャとアミはこんな会話をしていたんだったわね。

 そして次には彼が……


 「やめろ、お前ら。 今さらこのことを話しててもしょうがないだろ、今までだって何度も話してきたんだから。 この時間が勿体ない、今でも魔神の脅威に苦しんでいる人たちはいるんだ。 俺も心苦しいが今は自分たちにできることをやろう」

 「タクトの言う通りだ、それにゼニスだって死ぬわけではない、今後出来る限りフォローしていけばいい、違うか?」


 『指揮者』の職業を持つこのパーティーのリーダー役のタクトがそういえば、『重戦士』という盾役の職業を持つザンギも賛同する。


 本当は思っても無いくせに白々しい。


 「それはそうだけども……」


 流石にミリャも3人から諫められたらそれ以上何かを言うことは出来ない。


 「……もういいな、それじゃ始めようか、ゼニス?」

 「じゃあ始めるわ。 もうこんな魔導陣を使わなくてもいいように、これが魔神討伐の足掛かりの第一歩になることを祈って」


 そして記憶の私はとうとうあの魔導陣を発動させる。


 「…………くっ」


 私の力が魔導陣に吸われているのが分かる。


 この魔導陣は誰か一人の力をすべて1にし周りの人間の莫大なマナを注ぐ必要がある。そして更に誰かの職業事態を生贄とすることで完成する。 大概の人間やモンスターならこの封迷魔導陣だけで事足りる、が生憎と今回の敵は神、封迷魔導陣だけでは抑えきれない。

 だからこの魔導陣には更に制約を追加する。

 魔神のみに有効な封印とし魔神の配下が助けに来れないように設計する。 制約を設けることによって魔神に対する効力は増大する、まぁその反面その制約以外の者が振れるとあっさりと解けてしまうことになるのだけれども。



 流石にこの作業は私に出来る余裕はなかったので、彼らに任せていたのだけど今思えばこれも失敗だったわね、無理をしてでも1人で……。

 いえ違うわね、この計画は土台無理な話だった。


 記憶の中の私は力が入らず立っていることもできず地面へと倒れ伏す。

 しかしお案粟田氏に駆け寄る者は誰もいない。



 「……はぁはぁ…………魔神は?……そ、そろそろ各……国の……精鋭た………ちが誘導して……くるは…………ずでしょ?」


 私の問いにタクトは満面の笑みを浮かべる。

 

 「ああ、そういえばそういう設定だったな、うんそれはもうすでに完了しているから考えなくていいぞ」

 「……? ……でも魔神の反応はまだこの辺りには……」


 タクトはあからさまにめんどくさそうな表情を浮かべ、


 「……あ~……っとそれはだな」

 「ねえいつまでそんな小芝居してるのタクト? 早くそいつに真実を教えてやりなさいよ!」


 ニヤニヤとした顔をしたアミがそんなことをいえばザンギも……



 「そうだぜ、ふひっ……何とろとろしてやがるんだ?」


 醜悪な笑みを浮かべながらそんなことを言い始める。

 対して私は今までのステータスと全ての力、それに職業までを一気に失ったため層が正常な働きをせずこの事態へとついていけない。


 「……どういう……こと?」


 「あれれ~? 普段は頭がさえてキレッキレの『賢者』ゼニス様でも分からないことがあるんですねぇ、あはははっ」

 「おいおい違うぞぉアミ、間違えちゃいけない、今のこいつは賢者じゃない、ただのぉ職なし、『無職』なんだからなぁぁぁ、ギャハハハハハ」 


 普段寡黙な印象のザンギがまるで狂人のように醜悪に笑っている。


 「……お前らいい加減にしろ、我らが賢者様の理解が追いついてないだろ?」


 ザンギたちを諫めるような口調ながらその実、愉快そうに話すタクト。 

 

 「僭越ながら不肖このわたくしめが賢者様、いや失礼、今は違いましたな、『無・職』様にご教授差し上げよう。 そうですな、まずは無職様が気になっているであろうことに先に答えましょうか」



 キザったらしく、芝居がかった口調のタクト、他の面々も地面に倒れている私を見て嗤っている。

 

 当時の私は何がそんなにおかしいのかが分からなかったが今なら分かる。

 彼らからすれば私の堕ちた様がまるで都落ちした貴族のようにみえて滑稽だったのだろう。


 「魔神封印の話な、あれは嘘だ」


 吐き気がするほどの笑顔でタクトはそう

吐き捨てた。



面白いと思っていただけたら評価の方、してもらえると嬉しいです。

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最近青ブタ見直しましたがやっぱりいいですね!

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