表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界よ、これが無職だ!〜災厄の魔女と始める異世界無双〜  作者: 湊カケル
2章 2人の世界~禁忌な2人は力を得る~
44/123

40話 無職は魔法を創作する②

前話のラストにメモ書きが残ってました……。

以後気をつけます、すみません……。




 目の前には多数のゴブリンとそれを指揮するゴブリンキングが迫ってきている。

 大量の悪臭をまき散らしながら。

 普段なら速攻で倒して階層を突破してしまうところだが、今回はそうしない。


 だがやはり最初にすべきことは、


 「殲滅だな」

 「そうね」


 こういうモンスター戦に限って言えば俺とゼニスの思考は大抵一致する。

 というよりも俺がゼニスに教わったため、ゼニスの思考によったという方が正しいか。


 ん? 待てよ てことは俺はゼニス色に染められてしまったということになる訳……か。

 なんかやだなどちらかと言えば俺色に誰かを染めたい方が俺はいいのに。


 「今変なこと考えてないかしら?」

 「……いやゼニスはいつもきれいだなと、手元のヘルフレイムもまた君の情熱を表しているようできれいだ」

 「…………燃える?」


 ゴブリンの大軍を燃やしながら言うと説得力が違うねうん、控えめに言って怖すぎる。


 「…………いえ真面目にやらせていただきます」


 俺もとりあえず火魔法『獄炎』を発動させ、名前の仰々しさとは裏腹に、きれいな白炎でゴブリンを焼き尽くす。


 「「「ギィイイギャァァァァァ」」」

 

 ちなみにこの悲鳴を上げているゴブリン、一匹一匹が素のステータスだけで平均500は大体ある。

 外で俺が追い詰められたゴブリンとは名称こそ一緒のものの、中身は全くの別モンスターという訳だ。

 外のはステータスが低い俺でも鬼ごっこ、もといゴブリンごっこできたぐらいだし……。


 もし俺が外でこいつらと出会ってたら逃げ回ったり戦うことなどできずただ嬲り殺されるのを待つだけだっただろう。

 それぐらいここと外ではレベルが違うらしい。


 っと、ゴブリンキングがまだ何体か残っているか、まぁ無傷という訳にはいかなかったらしいけど。


 「ゴブリンキングが3体」


 さっきはどうやら後方の方にいて他のゴブリンに埋もれ、他2体のゴブリンキングが見えなかったらしい。 この巨体が見えないほどってどんだけいたんだよさっきは。

 いやそれがここ

 まぁ数体が生き残ったところでやることは特に変わらん。


 「獄炎」

 「ヘルフレイム」


 さらに魔法を追加するだけだ。

 それをゴブリンキングが倒れるまで続けていく。

 ゴブリンキングとの戦い自体は特に何も終わることなくすぐに終わる。


 なんか最後にこっちに向かって何かを投げてきたが俺らが常時展開している風魔法によってあっさりと無効化した。


 まあぶっちゃけそんなことはどうでもいい。

 今回の目的はここからだ。

 そのためにあえて焦げ臭いにおいが充満してしまう中で火魔法なんて使ったのだから。


 今はゴブリンたちの悪臭と焦げ臭さで一種のカオスになってしまっている。

 

 ゼニスは風魔法で周囲と外とをうまく隔絶して匂いが来ないようにしているがうまくはいっていないぽい。 顔が少しこわばっている。 これは普段表情を顔に出さないゼニスにしては珍しい。


 ここで救世主のごとく登場するファブリーゼ。

 一発で爽快な匂いにしてくれるこの魔法を見れば普段無表情のゼニスさんも満面の笑みになるに違いない。

 ああ、ここでは自分でこの状況を作り出したんじゃないか、とんだマッチポンプだっていう突っ込みは受け付けない。

 ゴブリン自体は自分から来たしな、いうなれば俺たちはその状況にちょっと味付けしただけなのだ、うん。


 「苦節2日、25層の時間をかけて創り出した俺の魔法のお披露目だ、ファブリーゼ!」

 「それかっこよく言ってるつもりかもしれないけど全然よ? もうノリと勢いだけで魔法開発してしまったのがもろ分かりだからね?」

 

 ……ちょっと何言ってるか分かりませんねぇ、はい。

 気にしないでファブ魔法を発動しよう。

 

 「ああ、私の言葉はスルーすることにしたのね、了解よ」


 めっちゃいい顔していってくるのがこれまたむかつく、だがここで反応したら負け。

 俺のファブ魔法を見ればこのゼニスの無表情も崩れるはず。

 そしてこの辛い並列思考の修行も楽になる…………。


 さあ、俺の思いを乗せてこの穢れた場所を清浄せよ。


「ファブリーゼ!!」


俺の右手から勢いよく吹き出る水しぶき。

吹きかけた瞬間に突き抜けるような爽やかな風と柑橘系の匂いが辺り一体に駆け抜ける。





………………はずなんだが?





「あれ? 全く爽やかな風がしないんだが?」


 

 いやなんか一応少しは臭くはなくなっているんだよ、だが無臭というかなんというか。 とりあえず俺が望んだような石鹸とか柑橘系といったものは感じられないんだよ。

 臭さはましになってるんだけどね、なんかこれはちがうというか。

 ファブリーゼというよりはそうだな……なんていうんだっけあれ。


 えーっと…………。


 うーんっと…………。


 そう、思い出した! エタノーレだ!



って思い出してる場合じゃないな、俺の白炎とゼニスのヘルフレイムの勢い弱まるどころかどんどん大きくなっていく。


 「これが正に火に油を注ぐってやつだな」

 「いいからさっさと消しなさい」

 「……はい」


 こうして俺の試作1号は部分的に成功し、そして並列思考の修行の継続も決定した。





面白いと思っていただけたら評価の方、してもらえると嬉しいです。

していただけると作者のモチベに繋がります!!

感想もお待ちしてます!

誤字脱字あったらお知らせください!


今更ですが最近ミーティア聴いてます。

「舞い降りる剣」…………いいですよね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ