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異世界よ、これが無職だ!〜災厄の魔女と始める異世界無双〜  作者: 湊カケル
2章 2人の世界~禁忌な2人は力を得る~
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38話 無職は思い出す

評価してくださった方々ありがとうございます。

励みになりますっ!

 

 35層のアンデッドゾーンは俺がゼニスの力をうまく引き出せたおかげでごり押しできたわけだが、しかしそれは結果論。

 これ以降も同じ戦法で突破できるとは限らない訳だ、てか突破できない可能性の方が高い、敵はどんどんと強くなっていくだろうし。

 それに匂い問題も解決できていない。

 このままでは俺らが最も苦手とする相手はアンデッドということになってしまう。 まぁアンデッドが得意ですなんて人自体そんなにいないとは思うが。

 いるとしたら聖女とかそういう系の人だろう。


 「いやでも待てよ。 俺が知ってる聖女って確かあのきつめの女子高生…………名前はえーっと…………まぁ忘れちゃったけどあの子だ」


 なにせ俺の体感ではかなり前のことだから名前もろくに出てこない。


 「でもあの子アンデッド得意…………そうだな。 あ、でも聖女ってことはあの子は見た目とは裏腹に心は素直ってことになるのか」


 まあそんなことは今となってはどうでもいいか、今後関わる事もないだろうし。

 それよりも今はアンデッド問題だ。

 あの層を突破してからずっと考えているが、それこそ敵を倒しながらも考えているがろくな解決策が出てこない。


 やっぱここは人生の先輩にお聞きしよう。


 「ゼニス先輩、アンデッドのうまい倒し方を教えてください」

 「あったらさっきもあなたに任せないわよ」

 「そりゃそうだ」

 「多分1番の解決策は気にしないことよ」

 「火葬してさっさとその階層を抜けるってこと?」

 「そ」


 ふむ結局は我慢するしかないということか。


 「それにモンスターと戦えば多かれ少なかれ、敵が流す血とかで臭くなるものだし、それこそ今みたいに」


 俺は長剣でロックリザードマン3体を一刀で切り伏せる。

 ゼニスは風の魔法で同様にフレイムアクアリザードマンの群れを瞬殺している。


 「でも魔法の方が遠距離から狙える分近くで強烈なにおいをかぐことは無いよな」

 「でもここだと大量にモンスターと闘うから最終的には変わらないわ」


 ゼニスには珍しくげんなりとした顔をしている。 


 

 戦うとどうしても臭くなるよな、というか戦闘以外でもそうだ、例えば汗とか食事の匂いとかそういった普段の生活でもそう。

 特に東京の朝の満員電車とかはやばい、やばすぎる。

 あの空間はアンデッドの匂いとはまた別種の臭さがある、汗臭い匂いなら香水とかつけて気を付けようよって思ってしまう。

 香水は匂いを隠すためにフランスとかで発達したものだしな。


 「だが今回は使えないよなぁ」


 香水は身体の匂いと混ぜて使うものだし、そもそも自分に向けて使うものだし。

 今回の場合自分の匂いをどうにかしたいわけではない。

 どちらかと言えば周囲の匂いをどうにかしたいんだよなぁ。


 うん? なんか今閃きかけているぞ。

 日本にいるとき周囲が臭いときとか俺なんかしていたよな。

 部屋とかトイレとかでよく使った気がする。

 なんだっけ、あれは。

 いろんなものに使えて1家に1台必須ともいえるものだった。


 「思い出せ、思い出すんだ俺」


 日本にいたのなんてかなり昔で何ならここで過ごしている期間の方が圧倒的に長いけども、なんとか、なんとか記憶の奥底から引きずり出すんだ。


 「ぐ、ぐぅぅぅ…………はぁはぁ」

 「何その声、ちょっと気色悪いわよ?」


 がちトーンで言うのやめてもらっていいですか、こっちも真剣にやってるんで。


 「いいだろ、それに敵もちゃんと倒してるんだし」

 「もっと倒しなさい」

 「いやこれでも結構--」

 「さっき私のこと…………」

 「すいません」


 そのことを言われた瞬間即座に謝る。

 もう霜焼けにはなりたくない。

 マジでフリーズしかけたからねあれは。


 うん?

 フリーズ?


 ……………………あ。


 「分かった、思い出した、思い出したぞ、俺はぁ!」

 「すごい喜びようね」

 「ゼニス、ナイスフォローだったっ!」

 「はぁ」


 ゼニスはさっぱりといった顔というか変人を見たみたいな顔をしているが今の俺は気にしない。 普段なら言い返すがそんなこと今は気にもならないほどハイになっている。


 例えるならそうだな~、ずっと奥歯に何かの塊が挟まっていてそれがようやく取れたぐらいのそんな感じか。 

 要約するとかなりすっきりとした状態。


 って言ってもまだ原案を思いついただけなんだけどな…………それでも気分はめちゃくちゃいい。

 

 「それで何をあなたは思いついたのかしら? もちろん教えてくれるのよね」

 「えーどうしーー」

 「氷結柱」

 「冗談、冗談だから、いうからそれを早く霧散させろ」

 「私そういう冗談嫌いなのよ、それで?」


 ゼニスはそう言うとちゃんと魔法を霧散させる。


 「聞いて驚け、俺が思い出したアイデアの名前は…………」

 「うん」

 「ファブリーゼだ!」

 「……………………は?」 



面白いと思っていただけたら評価の方、してもらえると嬉しいです。

感想もお待ちしてます!



皆さんはどの匂いのファブリーゼお使いですか?笑

僕は結構石鹸系をよく使います。


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