37話 無職は怒られる
遅くなってしまい申し訳ないです……。
この三連休に最低もう1話上げますのでお許しをぉぉ。
階層は着々と上がり今は第35層ほど。
このダンジョンに入って2日で35層だからペースとしてはかなりのハイペースである…………らしい。
ぶっちゃけ日本生まれの俺からしたらダンジョンを攻略したことなんてないのでそこら辺の基準が分からないのだ。
まぁ逆に日本生まれでダンジョンを経験してるやつがいたら会ってみたいとさえ思う。
そんな俺たちだが今は若干苦戦していた、いや敵というよりは匂いに……か。
「改めて聞くがアンデッドを倒すのに最も効果的なのは聖魔導なんだよな?」
「ええそうよ、もし使えるなら、の話だけどね」
そう、俺たちは聖系統の魔導、魔法を扱うことが出来ない。
この聖系統というのは信仰心があるか、すなわちこの世界にいるとされている神に愛されているかどうかとかが大事になってくるというのが常識らしいが実際は違う。 実際は心が清いかどうかということが本質らしい。 なぜ信仰心が大切みたいになったかというと神を一心に信じられるのは清いやつが多いため神を信じるという風になっているそうだ。
まあ宗教を信じるやつはある意味で理想主義的なところがあるからな地球でも。
ということで俺らはそもそも聖系統を扱う素養がないといわれてしまった。
ある意味ではめちゃくちゃ清いんだけどなぁ……。
「出来ないことをいつまでもうだうだと言ってもしょうがない……となると取れる選択肢は火葬しかないよなやっぱ」
ここで結局どん詰まりになってしまう訳だ。
問題がないように思えるだろ?
ある一点を無視すれば問題はないんだ。
「焦げる匂いはやっぱなぁ」
ただでさえアンデッドの腐乱臭で吐き気を我慢している状態だ、その上ここに肉が焦げるような匂いが混ざれば確実にもう、キラキラエモートがかかってしまう。
それはプライド的にきつい。
馬車で吐瀉物まみれになっておいて今更かもしれないがそれでも嫌なのだ!
だからこそそうしないためにこの貴重な役割をゼニスさんにやっていただこうと考えたわけなんだが……
「あら奇遇ね、私もあなたにお願いしようとした所だったのよね」
俺が丁重にお願いしたら極上の笑顔でそう言い返してきた。
ただここで俺は諦めない。
「そんなこと言うなよ、俺は分かってるから」
「何を……って聞いてもいい予感はしないわね」
なんでそんな呆れたような目をするんだ?
「この長年の間にあなたについて分かったことがあるんですよ僕は」
「何、そのしゃべり方」
「そこはスルーの方向で。 話を戻すとそれでですねあなたについて分かったこと、それは!」
口調はどこぞの小さくなった高校生探偵をイメージだ。
「…………
?」
「あなたはツンデレ、もしくはクーデレだということ!」
「……は?」
「言葉では冷たい対応をしながらも内心では反対のことを思っているケースが多い、それ故に今回のことも俺にやらせようとしているが俺が断るのを待っていて本来は自分でやりたいと分かったわけです……よ? あれ? どうした?」
なんでゼニスの背後にブリザードが吹いているんだろうか。
それに視線もすごい怜悧なものになってるし。
これもしかしなくても激おこ?
「…………何か言い残すことはあるかしら?」
「そ、そんな水と風の複合魔法使えるならアンデッド共に使えよ!」
「ちょっと今はアンデッド共よりもむかつく男がいるから後でいいわ」
「てことはアンデッドの方が倒したいってこと?」
「いえこれ正真正銘の本音だけど?」
あ、これ眼がマジな奴だ。
「一回、死んでみる?」
いや何それ怖い。
地獄少女かよっ!?
「うおいっ!?」
ゼニスから氷柱が飛んできたんだが!?
俺が避けたやつがアンデッドに当たって全身氷漬けになってるし。
てかこれ殺意高すぎね?
ヘイト貯めすぎじゃね?
「当たったら死んじゃうんですけど?」
「なら当たらなければいいじゃない」
「いやじゃあ氷柱をってこっちに…………って言葉ぐらい喋らせろ!」
俺の後ろにいたアンデッドが巻き添えでどんどん倒されていくんだが!?
「そんな動かないで?」
なんでそんな笑顔でいうの? 目の奥が笑ってないしさ。
動かないと君の攻撃で氷漬けになっちゃうんですけど?
「大丈夫、私回復は得意だから、だからいったん死ね【氷結柱】」
わ~、殺意がビンビンでいらっしゃる。
このフロアの4分の1ほどを覆うほどの冷気が頭上にあるんだが?
心なしかアンデッドたちも震えてる気がするし。
いやこれは完璧に気のせいだな、ただ俺が震えてただけだった。
「ま、待て、ちょ、待ってください。 そ、それマジでやばい…………っうぎゃあぁぁぁぁぁ!」
その日俺は全身霜焼けになった。
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