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異世界よ、これが無職だ!〜災厄の魔女と始める異世界無双〜  作者: 湊カケル
2章 2人の世界~禁忌な2人は力を得る~
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36話 無職と魔女の共同作業

期間が開いてしまって申し訳ない……。

リアルがちょい忙しく目で。

エタりはしないのでご安心を。

 

 「……おいゼニス」

 「……何かしら?」

 「ここはお前が作ったダンジョンてことで間違いないよな?」

 「……ええそうだけど」

 「…………一つ言わせてもらってもいいか?」

 「ダメ」

 「いや、言わないと気がすまん。 な・ん・で・ここの10層に至るまで基本的に虫というか気味悪いモンスターしかいないんだ? 特に昆虫系!」


 それがもうずっと続いている。

 ぶっちゃけ俺のSAN値はゴリゴリに削られていくわけだ。

 もうここまで全部が死にものぐるいだよ。

 挙句さっきの層はなにがでてきたと思う?

 Gだよ?

 9割の人類が嫌いな黒い最強生命体だよ?

 火星でも生きのびられてしまうあの生物。

 ゼニスいわくあれはブラックローチというモンスターらしいが見た目完全にゴキブリのでかいバージョン。


 「犬もどきもちゃんといたじゃない?」

 「いやあの層だけじゃん、それ以外全部虫しかいないじゃん!」

 「そんなの知らないわよ、作った時にはこんなんじゃなかったし………これが生態系というものかしら。 やはり虫系は森林を好み、結果同じようなモンスターが群れることになるっていうそういう」


 いや誰もここでそんな生態系の神秘なんて求めていないわ!

 というかなんでお前も感心してるんだよ!

 

 「感心してないでお前も戦え!」

 

 目の前には今まで戦ってきたスラッグ、フロッグにゴブリン、ナメクジと多種多様なモンスターたちの最上位種がひしめき合っている。

 しかもなぜかこいつら共食いをしない。


「え、戦ってるじゃない? あなたの眼は何のためにあるのかしら、心底不思議ね」

「いやさっきからお前俺の方にめちゃくちゃモンスター流れるように立ち回ってるよな、ちゃんと見てるんだぞ?」


 つまり俺が言いたいのはもっとお前も虫モンスターを殺せってこと。

 

 「まったくなんのことかわからないし、十中八九そうだとしてもいいじゃない、レベルは上がるんだし」


 しかしどうやらゼニス嬢は俺の言いたいことが分からないご様子。

 ならこちらも相応の処置をさせていただきますか。


 「ほぅ、でもやはり俺は思う訳だよ」

 「何を?」

 「レベル差が出来たらだめだよなっ!」


 風で突風を起こし、虫共の巨体をゼニスの方に押し付ける。


 「止めなさいよ、ヘルフレイム」


 ゼニスもまた同時に火の魔法を発動。

 俺が追いやった虫共を俺とゼニス、ちょうど中間で紫の炎によって焼いていく。


 「まだまだいくぞ?」

  

 俺は突風の威力を上げゼニスは対抗するように火力を上げていく。

 ちなみにどちらも自分の周囲に防御魔法を使っているため他の虫共に漁夫られることは無い。

 

 結果、俺の風魔法とゼニスの火魔法のぶつかり合い状態に……。

 完全にもう俺とゼニスによる魔法の力比べ状態である。

 今までの修行でゼニスに一回も勝てなかったがレベルの上がった今ならば!


 「うぉぉぉ」


 魔法に込めるMPをさらに増やす。

 一瞬ゼニスの方を見れば彼女は余裕そうな顔をしていた。


 なぜ?


 そう考えた瞬間、俺は驚愕させられる。

 

 「はぁ!? 魔法を同時展開かよ!?」

 「アブソリュートゼロ」


 それはやばい。

 何がやばいかってもう威力とか魔法の精度とか全部がやばい。

 じゃあ俺も同時展開すればいいだろって?

 そんな簡単じゃねぇんだよ!

 実戦で使えるのなんてゼニスだけだ、俺の知る限りで、だが。

 となるとこのまま力比べをしているのは分が悪い。


 それなら俺はあえてここで魔法を捨てる。


 「…………っ」


 ゼニスから驚きの感情が伝わってくる。


 「魔法勝負なら勝率は0パーセントだが接近戦なら勝率は上がる!」


 行き場を失ったゼニスのアブソリュートゼロは俺の後方の虫共を絶命させる。 それでも勢いは止まらず後方の壁を削り取る。


 「ただ当たんなければいいんだろ」


 というか当たったらその瞬間、リアルに俺のHPが0になるわたぶん。

 そりゃ当たれるわけがない。

 だから最速でゼニスの元へと向かう。

 一瞬でも遅れたら新たな魔法が展開される。

 

 俺が先にたどり着くかゼニスの魔法が先に展開されるか。

 刹那の勝負。

 そして早かったのは……。


 「俺だ」

 「私ね」


 俺はゼニスの後ろのキングスラッグに剣を突き刺し、ゼニスは俺の後ろのブラックローチをアイシクルランスでめった刺しにする。

 

 「ふぅ」

 「終わったわね」

 「ああ早く上の層に上がろう」

 「珍しく同意見ね、ここは長居すると気分が悪くなりそうだわ」


 ゼニスが辺りの惨状をみて苦々し気な顔をしている。


 ゼニスのあんな表情初めて見た!

 と平時の俺なら思うのだろうが生憎と俺にもそんな余裕はない。

 それもそのはず。


 辺りは俺とゼニスの魔法の余波でいろんな虫共がスプラッター状態なのだ。

 部屋の壁は虫の焦げたにおい、俺の魔法でミンチにあった肉片と緑の血しぶき。

 もう自分でいうのもなんだが俺とゼニスの魔法の余波がひどすぎるのである。


 戦っている最中はそこまで……いやちょっとしか気にならなかったけど戦い終わって改めてみるとやばい。

やばすぎる。

 普段俺らはモンスターの素材を取っているが今日ばかりはそんな気にもならない。

 

 という訳で俺とゼニスの初めての共同作業は凄惨な結果になったわけだ。



 


 

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