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異世界よ、これが無職だ!〜災厄の魔女と始める異世界無双〜  作者: 湊カケル
2章 2人の世界~禁忌な2人は力を得る~
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29話 無職は常識を覆される②


 「…………えーっと要約するとだ、昔には職業は二つとか持てるのが当たり前で、職業勇者を取ってしまうと職業を一つしか取れなくなってしまうから昔ははずれとされていた……と」

 「……ええ」

 「普通勇者とかって最強なイメージだと思うんだけどなぁ……」


 俺の中の勇者のイメージがぶち壊れてしまった。

 こなっごなに。

 パリンパリン割れてしまった。


 「職業勇者はその真逆だったわね。 ある時期、奴に勝てな過ぎて最強を求めるために異世界から人を召喚してみることになって呼び出されたのが職業勇者。 でも結果は成長しても弱くてストレス発散されるだけみたいになったから、途中からはその召喚の魔導陣に召喚された勇者を殺したものを道ずれにするという魔導陣まで含む羽目になったわ

 話はそれたけどそれで異世界から召喚するのは止めになったのよ」


 「なんとも悲惨なことで……」


 それにしても勇者の職業がそんな不遇だったとは。

 召喚された時はとても強そうに見えたんだがなぁ。


 「……でもそうね、あなたの話の通りならば今の時代なら勇者は最強でしょうね。 一つの職業のみという縛りなら勇者は強いわ」

 「……フーン」

 「感想はそれだけ? 仲間だったんじゃないの?」

 「仲間……ねぇ。 それは違うな、結局奴らは俺にとって同じ境遇だったというだけ、ただそれだけだ」


 奴らの事なんてどうでもいい。

 それよりも……


 「で、結局ここを出るにはどうしたらいいんだ? 最低でもここは魔神を封印するぐらいのものなんだろ?」

 「そうね、これで1年は持たせるはずだったわ」

 「1年……ちなみにお前はここにどれぐらい閉じ込められてるんだ?」

 「さぁ……正確には覚えてないけど最低でも1000年は超えてるんじゃないかしら? それ以降は覚えてないわ」

 「じゃもうBBA……「は?なに?」


 絶対零度の視線が俺に先を言わせない。


 「お年を召してらっしゃ「は?」


 これもダメか……

 かなりオブラートに包んだはずだが。


 「人生経験が「ねぇ」……すまん、だからその手元の漆黒みたいな魔法はやめてくれ」

 「次言ったら本当に何も無い空間にたたき落とすからね」

 「……はい」


 女性に年齢はタブー、これどこの世界でも常識なんだな。


 「それで俺をあの空間に落とした理由は?」

 「…………あなたの職業が無職となってたから、その下に職業を2つもってたしね、魔法使いと逃亡者という職業を」


 意図は分かる、分かるが……


 「……なら説明してくれても良かったんじゃないか? 何も問答無用で落とさなくても……」

 「あなたにはヒントを上げたじゃない? それに全部誰かに教えられると言うのは意味ないわ、私はそんな人を求めていない」


 あれか、地球風にいえば指示待ち人間はいらない的なそういうやつか。


 「もしそれで俺が死んだらどうするつもりだったんだ?」

 「何を言ってるの? 死ぬことは無かったわよ、私の魔力で満たしていたんだから……だから私は1時間に30000ものMPを使っていたのだし」

 「…………ああだから俺が出てきた時体調悪そうだったのか」

 「ええ、そうよ、非常用のポーションとか飲んでなんとかしてたしね」

 「そりゃ悪かったな……」

 「いえ、気にしないでいいわ」


 こいつはこいつで苦労を……いやまてよ?


 「なぁ」

 「なに?」

 「お前の空間は確かに死なないかもしれないが精神的にはどうだったんだ?」

 「もちろん何もしてないわよ、」


 うわこいつ、めっちゃ見惚れるような笑顔でいいやがった。


 「もしそれで俺が精神の壊れた廃人みたいなのになってたらどうするつもりだったんだよ!」

 「……? その時はその時よ、私、仮定の話とかするの嫌いなのだけど」


 絶対こいつ、どうするつもり無かっただろ。


 「…………はぁ、それはもういい。 それでお前のレベルは?」

 「あなたと同じ1だけど?」

 「はっ!? なんでだよ、魔神と闘えるってことはそれなりには強かったんだろ!?」

 「ええ、当時でも群を抜いて私は強かった、でも勝てなかった」

 「……?」

 「私が発動した封印の魔導はなんの制限もなく出来ると思う? それも魔神を封印させるほどものを」

 「……そりゃなんかあるか」

 「そう、かの魔導を発動させるには私のレベルを1にしてさらに職業もリセットされるというデメリットがあった」

 

 それって……


 「それって相当な制限だよな」

 「ええ、なのに無駄にされた」

 

 平坦にいってるがかなりの感情を抑えていることが理解できる。


 「でも、大丈夫。 ここでかなりまた強くなったから」

 「……そうか」

 「同情なんていらないわ、それよりここを出るわよ」

 「この膜破ればいいのか?」

 「いえ、ここを突破したらダンジョンがあるわ」

 「ダンジョン!?」


 どうやらここを突破するのは想像以上に難しくなってきたらしい。

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